2012年03月28日(水)22時55分

Denis Dyack氏 「中古市場がゲーム業界を食い荒らしている」

Silicon KnightsのDenis Dyack氏がGamesIndustry Internationalに対し、中古市場がゲーム業界にもたらす悪影響について語っています。

Denis Dyack: 消費者サイドでは、ここ数年中古市場が大きく成長し、それが随分と問題を呼んでいると思っている。中古ゲームが開発費を向上させていると言っても良い。

ゲーム業界には、20年ほど「テール、尻尾」と呼ばれるものがあった。例えば、Warcraftのようなゲームが10年に渡って売れ続けるような状態のことだ。中古市場が存在しなかったため、長期間に渡ってゲームを売り続けることが可能で、継続的に収益を得ることができていた。継続収益が鍵なんだ。

それが今では、テールがなくなった。文字通り、売り上げの殆どは発売から3ヶ月以内で終了してしまう。そのせいで、とにかく早く売ってしまおう、あらゆる手を使って資金を回収しよう、という不健康で極端な状況が生まれてしまった。

denis-dyack.jpgDenis Dyack氏

Dyack氏はそれが結果的にマルチプレーの導入やデイワンDLCに繋がっていると言い、中古市場がこのまま続けば、ゲーム業界全体を脅かすだろうと忠告します。

Denis Dyack: 以前も言ったことがあるが、中古市場がゲーム業界を食い荒らしているんだ。デベロッパーとパブリッシャーが収益を得られない場合、ゲームの価格を上げて消費者からもっと搾り取ろうというのではなく、サバイバルのために価格を引き上げざるを得なくなる。中古市場の現状がこのまま続けば、共倒れになってゲーム業界そのものがなくなってしまうよ。もうああいうゲームは誰も作らなくなる。それがゲーム価格の高騰に繋がっているんだ。テールが長くなれば価格も下がるはずだと考えているが、現在は長いテールが存在しない。

中古市場以外に、莫大な開発費も大きな問題だとDyack氏。

Denis Dyack: 大きな予算を掛けた大作ゲームの場合、最大で1億ドルもの予算が注ぎ込まれている。次世代機では、現在の2倍から3倍の開発費になると言う人もいる。そんな状態が続くなんて想像もできないよ。

ゲーム業界として、3億ドルの予算を賄えるとはとても思えない。もちろん、それが可能なゲームも存在するよ。Call of Dutyのようなゲームは、1億ドルだかの予算でも十分賄えるだろう。だがあれはあくまで例外であり、業界の平均ではない。他のデベロッパーはどうすればいいんだ?

前述したテール、つまり継続収益が全てだ。継続収益を成り立たせるシステムが必要だし、だからこそ今後はデジタル配信が大きな役割を果たすと考えている。私が未だにクラウド・コンピューティングに熱心なのはそれが理由だよ。

[ソース: GamesIndustry International]

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