2012年09月21日(金)04時29分

『State of Decay』プレビュー - 共同体の再建

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ゾンビ・サバイバル・ゲーム『State of Decay』の最新プレビュー記事がEurogamerに掲載されています。

  • 機種: Xbox 360/PC
  • 開発: Undead Labs
  • 販売: Microsoft Studios

最近はそこら中にゾンビが溢れている。伝統的なホラー『Left 4 Dead』から子供にも優しい『Plants vs. Zombies』、そしてTelltaleによるポイント&クリック・アドベンチャー『Walking Dead』まで、石を投げればゾンビに当たる状態である。

これだけ市場がゾンビだらけだと、もう新機軸のゾンビ・ゲームなど望めないと思ってしまうが、『World of Warcraft』でリード・プログラマーを務めたJeff Strain氏が設立したスタジオUndead Labsは、XBLA/PC向けシングルプレー・ゲーム『State of Decay』で新たなアプローチを見せてくれている。

我々は今回、シアトルに居を構えるUndead Labsを訪れ、最新ゾンビ・ゲームの開発状況を目にすることができた。パッと見、『State of Decay』は『Dead Rising』にも似た、オープン・ワールドのアクション・アドベンチャーのように見える。広大なマップ、NPCの救出、物資の回収、さらには車まで運転できる。

だが、それだけのゲームではない。プレーヤーは4平方キロメートルにおよぶAnytown USAの中で、生存者のコミュニティを管理しなければならないのである。

説明しよう。プレーヤーはまずプリセットのキャラクターを用いてゲームをスタートするが、他の生存者を救出すると、自らの陣地にリクルートすることができるのだ。そこからは、グループ内の好きなキャラクターを選択してプレーが可能となる。各キャラクターには異なるスタッツとスタミナ・メーターが用意されていて、1人のキャラクターを長時間使い続けると、消耗したり怪我をしたりするので、キャラクターを切り替える必要があるのだ。

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『Fallout: New Vegas』に関わった経験を持つライターのTravis Stout氏が語る。

Travis Stout: そのシステムによって、臨機応変な戦略が不可欠になっている。ゾンビ退治に長けたキャラクターが疲れきってしまったら、次は建設スキルにボーナスの付いたキャラクターを使って、しばらくは基地の構築に専念する、といった具合にね。

この基地構築メカニックが、『State of Decay』に大きな戦略性をもたらしている。街中には様々な拠点が存在し、各キャラクターをそれぞれの建物に割り当てていかなければならないのである。例えば、歯医者は診療所に配置するのがベストだろうし、整備工はガレージにいるのが一番役に立つだろう。とはいえ、役割は必ずしもそこまで明白ではないし、一つの基地を多くの生存者で要塞化するか、それとも複数の貧弱な建物に分散させるのか、プレーヤーは決断しなければならないのだ。ゾンビだらけの世界で共同体を再建する際のジレンマをStout氏が語る。

Travis Stout: 人工管理はこのゲームで大きな役割を果たすんだ。

一部の基地は都市部の中心に存在する。食料品店が通りの向かいにあったり、金物屋が1ブロック先にあったりするから、物資を集めるには最高のロケーションだ。だが同時に、ゾンビの大群のど真ん中でもあるんだ。郊外には巨大な農家があって、ここは拡張性に優れているが、サバイバルに不可欠な物資までかなりの距離があるんだ。

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どんな建物でも基地にすることはできるのだろうか?

Travis Stout: どんな建物でも拠点にすることはできる。一時的なセーフ・エリアとして、アイテムの補充などが可能になるんだ。生存者が生活したり、アップグレードをするためのちゃんとした実際の基地ということになると、特定のロケーションでないと建設することはできないよ。

具体的な数に関しては明言を避けたものの、充分な数の基地候補地が用意されているという。更にStout氏は、『State of Decay』の本質はゾンビ・アポカリプスからのサバイバルではなく、共同体の再建であると語る。

Travis Stout: 長期的に、人類はどうすれば良いのだろうか?食料庫や医療品を見つければ、1日、2日、1週間はもつかもしれない。だが、その次の月は?半年後は?いつまで続くのだろうか?

一つ一つの決断に際し、プレーヤーは目の前のことだけでなく将来的な影響をも考慮しなければならないため、そうした長期的目標がゲームにとっては不可欠となる。例えば、回収した銃弾は即座に戦闘に使用してしまうこともできるが、コミュニティに寄付すればグループのモラルが上昇したり、何かを建設する際に使用したり、他の生存者に改めて配給したりすることができる。

Travis Stout: 目の前のことに対処するのを優先させるか、長期的なサバイバルを優先するか、プレーヤーは上手くバランスを取らなければいけないというわけだ。

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キャラクターには、それぞれタスクを与えることができる。民家を探索して物資を回収するようNPCに命令すれば、プレーヤーは彼らの援護をするか、その間に他の用事を済ませることも可能となる。これだけ広大な環境の中を複数のNPCが独自に走り回るというのがどう機能するかは分からないが、非常に魅力的なアイデアであることに変わりはない。

そうした野心的なコンセプトに更なる重みをもたらしているのが、全てのキャラクターにはたった一つの命しかないという点。死んだらそれっきりという訳だ。つまり、1周プレーしただけでは、全員の物語の結末を目にすることは極めて難しいということになる。

Travis Stout: もし序盤の20分で死んでしまったら、そのキャラクターのハイライトを見ることができなくなってしまうんだ。でも、そのためのリプレーだからね。

登場キャラクターは50人ほどだが、固有の物語が用意されているのは、その半分以下。残りはランダムのNPCになるが、Undead Labsによると、それほどしっかりしたものではないとはいえ、そうしたNPCにさえ個性があるという。

Travis Stout: 全員に個性があるし、固有の台詞も用意されているよ。

パッケージのゲームにとっても壮大なスケールに感じられる本作が、XBLAのゲームであるというのは驚きだ。Undead Labsは当初『State of Decay』をMMOとしてデザインしていたが、その前にまずシングルプレーのゲームでシステムやメカニックをで試すために、より小さめのスケールにすることを決めたのだという。

私が見た限り、『State of Decay』は素晴らしい仕上がりだ。CryEngine 3によるグラフィックも、多くのXBLAゲームを凌駕している。多くのメカニックが実際にどう機能するかは現時点では分からないが、なんにせよ、腐りかけた死体にもまだまだ余力が残されているというのは嬉しいことだ。

[ソース: Eurogamer]