2012年10月29日(月)16時18分

【コラム】私がゾンビ・ゲームを愛する理由

1641.jpg『The Walking Dead』

一向に衰える気配のないゾンビ・ゲーム人気。ゾンビ・ゲームの魅力を掘り下げたコラムを、Game Informerが掲載しています。

私には、子供の頃に様々なゲームのアイデアを書き込んだノート帳がある。幼少の私が記したリストには、8つの派閥が登場する『Zelda』のRTSや、Reggie Crenshawという名のビーバーが活躍する3Dプラットフォーマーなどが並ぶ。そうしたアイデアには、たまに横線が引かれて消されることがある。似たようなアイデアを実際にゲームにしてくれたデベロッパーが現れた時だ。昨年、私は「オープン・ワールドのゾンビRPG」に線を引いた。Techlandの面々がどこで私のノートを目にしたのか知らないが、『Dead Island』が発売され、私は100時間以上プレーし、今は続編を待っているところだ。

ノート帳に書き込まれたリストには、ゾンビが何度も登場する。私はずっと、ジョージ・A・ロメロが生んだゾンビに病的なまでに魅了され続けてきた。ゾンビ・アポカリプスにおけるサバイバル要素や、状況に対する人間たちの反応にワクワクさせられたのだ。私が現実にそうした体験をする羽目に陥ったら、『Left 4 Dead』や『Biohazard』をプレーする時のような行動は決して取れないだろうが、腹を空かせた生ける屍を目の前にした自分を想像すると、イマジネーションを掻き立てられるのである。

2527.jpg『Dead Island』

「ゾンビ ビデオゲーム」でざっとググってみると、250を超えるゾンビ・ゲームが出てきた。これは続編を除いた数字である。アプリ・ストアでも同じ様な結果が出た。石を投げればゾンビ・ゲームに当たる状況だ。もはや、ゾンビ・ゲームはやり尽くされたのかもしれない。

だが、私はそうは思わない。ゾンビが登場するというだけでは、似たようなゲームということにはならないだろう。ゾンビ自体は決して物語上の奇抜なアイデアではなく、様々なストーリーテリングやゲームプレー・オプションの糧となる敵対者だ。前述した『Dead Island』は、美しいオープン・ワールドに恐怖を付加するためにゾンビを利用し、島民にクエストやプロットを与えている。『Dead Island』におけるゾンビは、サイド・クエストと協力ミッションが満載の没入感の高い世界における燃料なのだ。

一方、ゲーム版『The Walking Dead』はというと、ストーリーテリングと困難な決断をゲームの芯に据えている。あらゆる決断が生死を左右するゾンビ・アポカリプスという舞台設定が、プレーヤーの選択と倫理が直接物語に影響するゲームを可能にした。いつでも仲間がゾンビになってしまうかもしれない恐怖は、他のゾンビ・ゲームでは味わうことができないものだ。

1487.jpg『Dead Rising』

そして『Dead Rising』でカプコンは、ゾンビ・アポカリプスという伝統的ホラー・コンセプトは控えめに、プレーヤーをモールという名の壮大な実験場にプレーヤーを放り込んだ。ブラック・ジョーク満載の『Dead Rising』では、コブンの頭を被ってスケボーをしながらゾンビの頭をカチ割るのが日常の風景。頭が空っぽのゾンビの大群と同じく、私も往々にして脳みそをオフにして本能の赴くままに楽しんだ。『Dead Rising』では、『The Walking Dead』や『Left 4 Dead』に付き物の心配事とは無縁である。

そのValveのゾンビ・ゲーム『Left 4 Dead』は、協力プレー好きに大旋風を巻き起こした。パッと見、『Left 4 Dead』のスターはゾンビのように思える。だが、3人の友人と実際に数チャプターをプレーしてみると、チームワークこそがメインであると気付くのだ。プレーし始めの頃、私はゾンビの大群を知らせる音楽が流れ出すたびに、恐怖におののいていた。3人の友人が楽しむ間、遠く離れた小屋でリスポーンを待つのは嫌だったのだ。我々は徐々に、ゾンビ自体よりも4人の連携が重要なのだということに気付き始めた。ゾンビの大群が現れるたびに、我々はお互いの援護をすることを覚えていった。壁を背にし、リロードの隙をカバーし合うことで、新しいエリアも切り抜けることができた。回復キットや爆発系武器を共有することで、次のセーフ・ルームまで命を繋いだのだ。『Left 4 Dead』ほど素晴らしい協力プレー体験はそれ以降登場していないし、今後もしばらくは登場しそうにない。

left4dead36.jpg『Left 4 Dead』

そうした大作ゲームだけではなく、自主制作の分野でもゾンビは大人気。『Arma II』のMOD『Day Z』の生みの親Dean Hall氏は、物資もなければ行き先も分からないオープン・ワールドにプレーヤーを押し込んだ。だが『Day Z』で最も興味深いのは、サバイバル・スキルの重要性だ。輸血や空腹といった要素のあるゲームは数少ないし、物資を狙う他のプレーヤーの存在がサバイバルを困難にしている。死んだらそれっきりという緊張感も、他のゾンビ・ゲームとの差別化に大きく役立っている。死んで全てのアイテムを失う危険性がゲームの恐怖感を一層高めており、このようなリスク・ファクターを他のゲームも取り入れてくれたら、と願う。

ゾンビ・ゲームが溢れているからといって、心配は無用だ。人気のあるアイデアというのは、人々がそこにポテンシャルを見出すからこそ人気なのだろう。前述したゲームに見られるようなゲームプレー・フォーミュラは、我々に魅力的なクエストや成長要素、チームワーク、そして楽しさを提供してくれたが、終わりなきゾンビの大群は更にユニークなアイデアにうってつけだ。私のノート帳から、タクティカルなターン制ゾンビ・ゲームを消すことができれば、もう思い残すことは何もない。

[ソース: Game Informer]

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