2012年12月10日(月)21時36分

【コラム】それでもターン制JRPGが好き

アクション要素の強いRPGが主流になりつつあるとはいえ、ターン制RPGも色褪せていないとするコラムをJoystiqが掲載しています。

軽い会話の中で日本製RPGが話題になると、「ノスタルジック」という単語をよく耳にする。スーファミや『Final Fantasy VII』をプレーした幼少期を思い出すジャンルということである。伝統的なJRPGのストーリーテリングやゲームプレーはもちろん、8ビットから32ビット時代の基礎を築いたターン制戦闘システムは、今では古臭いと見なされるようになっている。

そうした見方は、ゲーム業界全体に浸透している。そうした声に応えるように、スクエア・エニックスは『Final Fantasy』最新作がアクションRPGになることを示唆。日本でも、アクション重視の協力プレーRPG『Monster Hunter』が頂点に君臨し、誰もが真似をしようと試みている。

ここで私自身の立場を明確にしておきたい。当然ながらアクションRPGも好きではあるが、私は昔ながらのターン制RPGの方が好きなのだ。全てのRPGが『Call of Duty』のように忙しいゲームである必然はないだろう。実際、私はジックリとプレーできるRPGの方を好んでいる。最適の例が『Persona 4: Golden』で、2008年にPS2で発売された当時から今になったも全く色褪せていない。

1556.jpg『Persona 4: Golden』

まだ『Persona 4』をプレーしていない人(恥を知れ)に、おさらいを。戦闘システムは敵の弱点属性を突くことが基本となっていて、クリティカル・ヒットなどを食らわせることでダウンを奪うと、もう一度攻撃を行うことができるようになる。敵全員をダウンさせると総攻撃が可能で、インスタント・キルといった特殊攻撃が発動することもある。

とてもシンプルなシステムだが、『Persona 4: Golden』は幾つかの重要な部分を見事に成功させている。特に素晴らしいのがペース配分だ。大抵の戦闘は30秒程度で決着が付くため、ダンジョンの探索が苦痛ではなくなっている。ボス戦はもっと時間が掛かるが、ボスは戦術を頻繁に変えてくるため、ハック&スラッシュRPGにありがちな単調さは存在しない。

地味ながら巧みなのが、連続性の維持というコンセプトだ。優れたターン制RPGの多くは、主導権を巡る綱引きこそが醍醐味。例えば『Pokemon』では、攻撃した直後に自動的に交代するとんぼがえりという攻撃があり、相手の交代先を確認してからこちらの出方を決めることができる。『Persona 4』では、敵の弱点を暴いたり、チャージすることで勢いを保つことができる。

『Persona 4: Golden』のボス戦は全て、いかに勢いを保つかという闘いになる。ダウンを取られて主導権を握られてしまうこともあれば、超強力な攻撃に圧倒され守勢に回らざるをえなくなることもあるだろう。だが、自らの戦略を用いて上手く立ち回れば、こちらが主導権を握ることができるのである。『Persona 4』や『Pokemon』は、こうしたギブ&テイクを実に巧みに利用していて素晴らしい。

結局は人それぞれの好みということかもしれない。とにかく退屈だからターン制は耐えられないという人もいる。私には理解できないが、私とは違う意見の人もいるということだろう(しかも多数派かもしれない!)。それでも、ノスタルジアや私自身の趣味趣向を超えて、ターン制戦闘システムは今後も健在であり続けると私は考えている。

2333.jpg『Dragon Quest IX』

その好例が、『Persona 4: Golden』と『Dragon Quest IX』だろう。当然ながら『Dragon Quest IX』の方が年代物のアプローチを取っているが、素晴らしいオフライン協力プレーによって差別化を図ることに成功している。隠しマップに登場する敵や手強いボスを2人で協力して打ち負かした時などは、最高の気分を味わえた。協力プレーなら何でも面白くなるとは良く言うが、これもまたその証明である。

『Persona 4: Golden』と『Dragon Quest IX』のもう一つの共通点は、どちらも携帯ゲームであるという点だ。ターン制のゲームは外でプレーするのに適している。戦闘一つ一つが連続しておらず、テンポがゆっくりなもあって、アクション重視のゲームよりも短時間で手軽にプレーできるのだ。メニューを操作する戦闘システムは、操作性が問題になるゲームが多いiPhoneのようなプラットフォームにもピッタリ。『Spell Sword』のバーチャル十字キーに四苦八苦した者にとって、メニュー操作のコマンド・システムは天からの恵みのようだ。

来年にも、『二ノ国』『Penny Arcade Adventures Episode 4』『世界樹の迷宮検戞Fire Emblem』といった優れたターン制RPGが控えている。ローカライズされるなら、『Bravely Default: Flying Fairy』も発売されるはずだ。どれも実に楽しみなゲームだし、まだ見ぬ新作の発表にも期待している(頼むから誰か『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION』を出してくれ)。

私は決してノスタルジアが目当てなのではなく、可能な限り豊かなロールプレイング体験を求めているだけ。少なくとも私にとって、そうした体験はターン制RPGという終わりなき綱引きに眠っているのである。

[ソース: Joystiq]

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