2012年12月14日(金)20時55分

【コラム】あらゆるゲーム・ジャンルを支配するRPG

あらゆるジャンルに浸透しているRPG要素は、何故ここまで広範囲に浸透したのか?RPG要素が持つ魅力を総括したコラムがIGNに掲載されています。

コントローラーに匹敵するほど長寿な伝統であるロールプレイング・ゲームは、長年にわたるゲーム・デザインの変化に堪え続け、いまだその勢いは衰える気配すら見せない。

冒険心とキャラクターへの献身を掲げて、RPGは世界中にその名を轟かせてきた。様々なゲームの原型が融合し、新鮮かつ魅力的なコンビネーションを見せる中で、他のジャンルもRPG要素を取り入れてきた。

RPGがあらゆるビデオゲーム・ジャンルを乗っ取ったと言っても過言ではないが、それも驚くべきことではないだろう。RPGには、「物語を語る」「キャラクター(たち)の成長を描く」といった幾つかの原則が存在するが、これらはビデオゲームに限らず、人間の願望に根ざしたものだ。成長していく様をビジュアルで追っていくことが我々の根源的な欲求を満たしてくれるし、物語に身を任せる喜びは、ストーリーテリング自体がこの世に誕生した瞬間まで遡る。

RPGはどうしても好きじゃないと主張するなら、それはそれで問題ない。しかし、様々なゲームにRPGの痕跡を確認できるという事実を忘れてはならないだろう。未踏の地など存在しないのだ。

アクション
  • その特徴: アクション(当たり前だ)、爆発、銃、剣
  • 主なRPGハイブリッド: 『Dishonored』『Castle Crashers』『Devil May Cry』シリーズ

機能する理由:
アクションのためのアクションというのもそれなりの魅力があるが、飽きやすいというリスクがある。キャラクターの成長や武器アンロックに経験値システムを導入すれば、アクションに目的を付加することが可能だ。このシステムは素晴らしい循環を生み出す。アクションの満足感が、成長やレベル・アップといった二次的な目的をも満たしてくれる。

アクション・ゲームは武器やルーンといったアイテムや装備品を使用することも多く、キャラクター・カスタマイズといったRPG要素との相性も当然良いだろう。

31100.jpg『Dishonored』
格闘
  • その特徴: 1対1の対決、キャラクター・ロースター、スペシャル・ムーブ
  • 主なRPGハイブリッド: 『ストリートファイターZERO 3』『ディシディア』シリーズ

機能する理由:
RPGは、他のどのジャンルよりもヒーローの理想を祝福する。格闘ゲームの魅力の一つは、多様性と複雑さに満ちたファイターたちにあるだろう。どのキャラクターも、豊富なポテンシャルを備えているのだ。こうした一芸に秀でたヒーローたちに、RPG的な成長要素を組み込むというのは、正に勝利のコンビネーションに他ならない。

このコンビネーションの可能性を知りたいなら、『Dissidia Final Fantasy』とその続編『Duodecim』を見れば一目瞭然だ。格闘のスリルを保ちつつ、20を超える素晴らしいキャラクターを鍛え上げ、装備を充実させ、レベルを上げていく楽しさを堪能させてくれるゲームである。

プラットフォーマー
  • その特徴: 走って飛んでの大騒ぎ
  • 主なRPGハイブリッド: 『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』『Dust: An Elysian Tale』

機能する理由:
アクション・ゲームと同じく、プラットフォーマーのランニングやジャンプに、RPG要素がサバイバル以外の目的をもたらしている。RPG要素のお陰で戦闘システムの可能性も広がり、プラットフォーマーに深みをもたらしている。そしてもちろん、RPGでお馴染みのチェストや隠し要素がマップ上に散りばめられ、プレーヤーに探索を促している。

この融合が生み出したのが、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』だ。経験値や特性、魔法、使い魔をはじめとする、RPGでお馴染みの要素をふんだんに盛り込むことで、既に大きな成功を収めたフォーミュラを拡張している。

puzzle-quest.jpg『Puzzle Quest: Challenge of the Warlords』
パズル
  • その特徴: 落ちるブロック、色彩の鮮やかさ、頭を捻る
  • 主なRPGハイブリッド: 『Puzzle Quest: Challenge of the Warlords』だけで充分だ

機能する理由:
2007年に登場した『Puzzle Quest』は、あまり前例のない種類のゲームをブレンドすることで注目を集めた。経験値の獲得やレベル・アップという、ハイスコアやブロックの全消し、色合わせ、タイル揃え以外のモチベーションをプレーヤーに提供することに成功したのだ。

更に、ありきたりな種類のゲームに飽き飽きしたゲーマーは、例え奇妙なゲームであっても、新鮮さを歓迎する。『Puzzle Quest』は、発売と同時にその奇妙さで世界中のゲーマーの心を掴んだのだ。

レース
  • その特徴: 車でレースというアレだ
  • 主なRPGハイブリッド: 『Blur』『Need for Speed: Most Wanted』

機能する理由:
車は抽象的なタイプのキャラクターだが、多くのゲーマーはまるで人間であるかのように感情移入する。そうした車に何らかの成長システムを付けることで、プレーヤーにより優れた車を提供すると同時に、「A地点からB地点へと移動するための道具」以上の愛情を車に持たせようとしているのである。

『Need for Speed: Most Wanted』は、オブジェクティブを達成することでアップグレードが可能になるという、一種のレベル制をフィーチャー。Bizarre Creationsが2010年に発売した『Blur』には、経験値に置き換えることも可能な「ファン・ポイント」が導入されている。

4216.jpg『XCOM: Enemy Unknown』
ストラテジー
  • その特徴: ユニット、グリッド、先を読む
  • 主なRPGハイブリッド: 『XCOM: Enemy Unknown』『StarCraft II』『Final Fantasy Tactics』

機能する理由:
ストラテジーはその形式もサイズも多種多様だが、RPG要素との相性はすこぶる良い。ストラテジーRPGというサブ・ジャンルが存在するほどだ。何故これほど完璧な調和を果たしているのかというと、この2つのジャンルは、几帳面で理路整然としたプレーやターン制構造といった、多くのテーマを共有しているからである。

その代表的な例が『XCOM』シリーズ。アップグレード可能なキャラクターやスキルに、ストラテジーの醍醐味でもある意思決定と戦術プレーを融合させている。『Final Fantasy Tactics』のようなクラシックは、カスタマイズ可能なユニットがあれば面白さ倍増なのだということを、見事な鋭さで見せ付けている。

『StarCraft II』のようなリアルタイム・ストラテジーでさえ、シングルプレー・キャンペーンにおけるプレーヤー主導のアンロック要素といった、軽めのRPG要素を含んでいる。

スポーツ
  • その特徴: スポーツ
  • 主なRPGハイブリッド: 『SSX』『Madden NFL 13』

機能する理由:
フィールド/リング/リンク/コース上を動き回る選手たちを見てくれ、特殊能力を持った魔法使いのようだろう?まるで魔法だ!

冗談はともかく、スポーツ・ゲームはRPGシステムを巧みに利用しており、例えば『Madden NFL 13』では練習後にポイントを振り分けてプレーヤーを成長させることができるようになっている。『SSX』はというと、スノーボーダーがレベル・アップすることで、より上のギアを手にすることができるようになる。ゲーム・ジャンルの中で一番オタク臭くないジャンルですら、堂々とオタク要素を取り入れることができるはずだ。

4315.jpg『Borderlands 2』
シューター
  • その特徴: 照準、銃、物資箱
  • 主なRPGハイブリッド: 『Call of Duty』シリーズ、『Halo 4』『Borderlands 2』

機能する理由:
今日のゲーム・デザインにおけるRPG要素の融合で大人気となっているのが、レベル上げ要素を積極的に取り込んでいるシューターだ。特にオンラインのマルチプレー・モードに顕著である。ゲーマーは競い合うのが大好きだし、自らのスキルの裏打ちとしてのレベルの存在は、そうした競争をより白熱させてくれる。

『Call of Duty』シリーズはこの方向性に舵を切っており、マルチプレーに極めて複雑なシステムを導入している。『Halo 4』も後を追い、マッチごとに経験値や装備、アビリティなどを取得できる、進化したレベル・システムを盛り込んでいる。

そして忘れてはいけないのが、シューターであると同時にRPGでもある『Borderlands』シリーズだ。ランダム生成の武器やスキル・ツリーにぶっ飛んだユーモア・センスを盛り込んだ『Borderlands 2』は、シューター層とRPG層の両方に向けてデザインされている。このようなゲームなら全員が得をする。『Borderlands 2』の素晴らしい仕上がりを見れば、その結果は明らかだろう。

[ソース: IGN]

カテゴリ: 業界 タグ: -