2012年12月20日(木)16時57分

【コラム】THQのゲームやスタジオはどこに向かうのか?

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連邦倒産法第11章の適用を申請し、事実上倒産したTHQ。投資会社の下で再建を目指すことになったTHQですが、仮に彼らが抱える数々のゲームやスタジオが売却されることになった場合、手を挙げるのは一体どの会社なのか?IGNによるコラム記事を。

もはや逃げ場のなくなったパブリッシャーTHQが今日、連邦倒産法第11章の適用を申請。THQ傘下の4つの開発スタジオと開発中のゲームを含む、全てのアセットを投資会社Clearlake Capital Groupが買収する運びとなった。大量の失業者や会社の倒産を目にするのは忍びないが、THQのアセット(ゲーム・フランチャイズと開発スタジオ)が売りに出される可能性もかなり高い。仮にそうなった場合の行き先を予想してみた。

アセット: 『South Park: The Stick of Truth』
2335.jpg『South Park: The Stick of Truth』
  • 販売本数: 310万本(THQによる『South Park: The Stick of Truth』の世界販売本数予測)
  • ありえる行き先: Microsoft

THQは、『サウスパーク』はもちろんのこと、『The Stick of Truth』の開発元である独立系開発会社Obsidianも所有していない。THQは単に販売権を所有しているに過ぎず、『サウスパーク』のブランド力やMatt Stone氏とTrey Parker氏の関与と併せ、多くの興味を引き付けるはずだ。『サウスパーク』の生みの親たちが関わっているという点も、『The Stick of Truth』への期待を高める要因の一つとなっており、ゲームがほぼ完成しているという点も、Microsoftを筆頭とする潜在的買収元には魅力的に映るはずだ。

Microsoft?それではPS3版がキャンセルされ、利益が半減してしまうのでは?それはその通りだが、Microsoftと『サウスパーク』には、2本のXBLA独占タイトル『Tenorman’s Revenge』と『Let’s Go Tower Defense Play!』を筆頭に、長い付き合いがある。更に、Microsoftはダッシュボードで『サウスパーク』を大々的に宣伝し、1エピソードのHD版を無料配信したこともあった。つまり、両者は強固な関係を築いているということである。それに、『Gears of War: Judgment』と共にXbox 360世代を絞めくくるファースト・パーティー・ゲームが増えるのも、Microsoftにとっては魅力的なはずだ。

アセット: Volition(『Saints Row』を含む)
2528.jpg『Saints Row: The Third』
  • 販売本数: 550万本(THQの公式発表による『Saints Row: The Third』の世界販売本数)
  • ありえる行き先: Activision

数自体は少ないものの、そのどれもが巨大なブランド、つまり少数精鋭こそがActivisionのビジネス・モデル。『Call of Duty』『World of Warcraft』『StarCraft』『Diablo』『Skylanders』など、Activisionは大金を稼ぐために大金を注ぎ込んでいる。そんな彼らも、『Grand Theft Auto』に対抗しうるオープン・ワールド・ゲームを長年望み続けてきた。『True Crime』はオリジナルもリブートも失敗。『Prototype』も失敗した。『Saints Row』は『GTA』以外の箱庭ゲームでは最大の人気を誇るだけでなく、Activisonが抱える「箱庭問題」を即座に解決してくれる存在だ。

開発元のVolitionを買収し、資金を提供してこれまで通りの活動を続けさせるだけで、Activisionは毎回500万本を売るフランチャイズを手にできるのだ。Activisionの宣伝力があれば、もう100万か200万ほど上乗せできるかもしれない。私はこの予測には自信がある。あまりに理に適っているのだ。ActivisionがVolitionの『Red Faction』フランチャイズも手に入れることができれば、土壇場で役立つ切り札にもなるはずだ。

アセット: Relic Entertainment(『Company of Heroes』『Dawn of War』を含む)
4171.jpg『Company of Heroes 2』
  • 販売本数: 200万本(THQによる『Company of Heroes 2』の世界販売本数予測)
  • ありえる行き先: EA

RTSというジャンルがニッチであるという現状を考慮すると、Relicのリアルタイム・ストラテジー『Company of Heroes 2』が莫大な売り上げを記録することは考えにくいが、だからといって利益を生まないというわけではない。Relicの実績は申し分ないし、『サウスパーク』がそうであったように、質の高さがほぼ約束された完成間近のゲームであるという点も、リスクの低い魅力的な商品になるはずだ。適切な手に委ねれば、楽に100万本を売り上げ、利益を出すことが可能だろう。それに、もう一つのビッグ・ブランド『Dawn of War』を忘れてはいけない。Relicは既に『Dawn of War 3』の開発に着手していると噂されている。それを踏まえれば、『Command and Conquer』『Lord of the Rings: Battle for Middle-earth』『SimCity』といったRTSを好むEAが手を挙げる可能性が高いだろう。

アセット: 『Metro: Last Light』
12113.jpg『Metro: Last Light』
  • 販売本数: 150万本(『Metro 2033』の世界売り上げ)
  • ありえる行き先: Warner Bros.

終末後の世界を舞台にしたFPSの続編『Metro: Last Light』は、THQが開発中の他のゲームと同じく順調な仕上がりを見せている(それが余計にTHQの財政状況の悲壮感を増している)。2013年初頭の発売ということでほぼ完成間近であると同時に、THQは販売を手掛けているだけで所有はしていない。とはいえ、大手パブリッシャーの多くは既にメジャーなFPSシリーズを所有しているため、本作の行方を予想するのは極めて難しい。したがって、ラインナップに穴があり、荒涼としたM指定のシューターを欲している会社はどこかを考えるのが良いだろう。そう考えると、Warner Bros.が最も理に適う行き先として浮上する。

Warner Bros.は暴力的なM指定ゲーム(例『Mortal Kombat』)に消極的な会社ではないし、FPSジャンル自体の人気や、『F.E.A.R.』シリーズが休眠状態にあることを考えると、『Metro』が役に立つはずだ。スクエア・エニックスの可能性もあるだろう。

[ソース: IGN]

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