2013年01月15日(火)21時20分

インディ開発者が語る任天堂のダウンロード販売戦略

wiiu-eshop2.jpg

2008年のサービス開始以来、宣伝不足や制限の長などがデベロッパーの不満の種となってきた、Wiiのダウンロード販売サービスWiiWare。GamesIndustryが複数のインディ・デベロッパーにインタビューを行い、WiiWareが抱えていた問題点や、新ダウンロード販売サービスeShopの見通しを聞いています。

WiiWareでリリースした『Bit.Trip』で名を馳せたGaijin Gamesの共同設立者Alex Neuse氏とMike Roush氏は、任天堂がWiiWareを軽視していたのではないかと語ります。

Alex Neuse: 任天堂はデジタル販売に本腰を入れていないように感じられたよ。

Mike Roush: ピクセル・サイズの画像で製品を陳列したんじゃ、売れるはずもない。とにかく酷いものだった。インディ・デベロッパーがWiiWareに参入しなかったのも無理はないよ。

WiiWareで『And Yet It Moves』をリリースしたBroken RulesのMartin Pichlmair氏も、WiiWareへの不満を明らかにします。

Alex Neuse: WiiWareは多くのインディ・デベロッパーを遠ざけてしまったかもしれない。再び彼らの信頼を勝ち取るのは大変なことだよ。

WiiWareへのサポートを表明した第一波のインディ・デベロッパーであるSteel Penny Gamesの設立者Jason Hughes氏は、WiiWareの弱点が改善されない限りeShop市場への参入の可能性は低いだろうと語ります。

Jason Hughes: 我々がWiiWareでの体験を通して感じたのは、表面上は任天堂ネットワーク戦略の要であるはずのWiiWareで、ユーザーに快適な体験を提供することや、オリジナルのコンテンツをバーチャルコンソールと同等に宣伝することに、任天堂が殆ど興味を示していないということだ。

今ではそれも変化したかもしれないが、物足りないハードウェア・スペックや任天堂の伝統的な弱点であるオンライン・システムを考慮すると、次世代機で大きな成長を見せるとは思えない。任天堂が明確な勝者になるようなら、我々も再び彼らのハードウェアでゲームを出すことになるかもしれないが、現時点では、我々はユーザーが存在するプラットフォームに目を向けているし、ギミックに頼らない、プラットフォームを超越する可能性のあるゲームを作っていくつもりだ。

Steel Pennyが静観する一方で、Gaijin GamesとBroken RulesはeShopでそれぞれ『Runner 2』と『Chasing Aurora』をリリース。彼らは今のところポジティブな感触を感じているようで、eShopはWiiWareから大幅に改善されていると語ります。

Martin Pichlmair: 今回は、文字通り全てが容易になっている。財政的な面での改善が見られるね。

Mike Roush: Wii UがWiiよりもフレンドリーなのは、ユーザーが手軽にゲームを買うことができるeShopが最初から実装されているという点だ。私はユーザーに必死で探してもらうためにゲームを作っているわけじゃなく、プレーして楽しんでもらうためにゲームを作っているんだ。買えなかったら、そもそも楽しめないからね。

SteamやApp Storeが一つの指標として存在するオンライン市場に適応するのは、任天堂にとって多大な労力を要するだろうとPichlmair氏。

Martin Pichlmair: 任天堂は、自らのプラットフォームでリリースされるゲームのクオリティを一定以上に保つための内部制度を確立してきた。一方、iTunesストアでリリースされているゲームはというと、その質にバラツキがある。iTunesのストアにあるものの99.9%はゴミだが、それでも質の高いタイトルを見つけることはできるんだ。任天堂にとってのチャレンジは、オンライン・ストアの文化というものは彼らが慣れ親しんだ文化とは異なるものである、と考え直す必要があるということだろう。

Appleのやり方は、消費者にとってもAppleにとっても上手く機能している。だが大半のスタジオにとっては誤ったアプローチだ。App Storeでは存在に気付いてもらうだけでも極めて困難だからね。我々は任天堂の試みを応援しているし、成功して欲しいと思っているが、まだ結論を出すには時期尚早だね。

任天堂を含むファースト・パーティー各社は、デベロッパーの支持を獲得するための努力を継続する必要があるととNeuse氏。

Alex Neuse: 任天堂だけでなく、ファースト・パーティーは現在のデベロッパーには無数の選択肢が存在し、そのほぼ全てがファースト・パーティーの下でゲームを開発するよりも容易だということを認識する必要がある。セールスもパッケージ・ゲームに勝るとも劣らないところまで来ているのだから、自らのプラットフォームにユニークで斬新なゲームを欲するなら、ファースト・パーティーはプロセスをより柔軟でユーザー・フレンドリー、デベロッパー・フレンドリーにすべきだろう。

Nintendo Directによる宣伝努力も高く評価されているようです。

Martin Pichlmair: 任天堂は新しい客層に手を伸ばそうと試みている。それが成功しているかどうかは分からないが、任天堂がオンライン重視の会社に姿を変えようとしているのは確かだし、ダウンロード配信ゲームの客層は確実に増えるだろう。だが、まだ始まったばかりだよ。

Alex Neuse: 任天堂がeShopのことを綺麗に忘れて全く宣伝をしなかったら、死に絶えてしまうだろう。WiiWareでゲームを購入しようとした人は誰もが、WiiWareが生まれる前に既に死んでいたと考えるようになってしまったからね。

[ソース: GamesIndustry]

カテゴリ: 業界 タグ: -

最新記事