2013年02月03日(日)05時05分

『Dead Space 3』インタビュー - クリーチャー・デザイン

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『Dead Space 3』のモンスター・デザインに関する最新インタビューがDestructoidに掲載されています。

  • 機種: PS3/Xbox 360/PC
  • 開発: Visceral Games
  • 販売: EA

『Dead Space』シリーズは、ゲーム史に残るほど恐ろしいクリーチャーやシーンを生み出してきた。Visceral Gamesは全力でプレーヤーを恐怖のどん底に陥れようとしている。その中心となるのが、文字通り骨を折り、筋肉を動かして新たな恐ろしい形態へと変化する宇宙生命体、Necromorphだ。

『Dead Space 3』で新たな悪夢を届けるため、開発チームはいかにして新種のNecromorphを作り出していったのだろうか。クリエイティブ・ディレクターのBen Want氏とアート・ディレクターのAlex Muscat氏に話を聞いた。

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Ben Want: 『Dead Space 3』の開発を始めた頃は、まだ舞台設定を開発している途中だったし、どんなクリーチャーが登場するのかもハッキリしていなかったから、リサーチから手を付けることにした。その結果、一貫した方向性が定まらないまま、コンセプト作成をすることになったんだ。氷に覆われた惑星になることは分かっていたし、過去の『Dead Space』よりも更にエイリアンっぽくなること、そして古代のミイラ風の人間を登場させることも分かっていた。

そうした方向性を踏まえた上で、LA在住の優秀なコンセプト・アーティストBrett Martingと仕事を開始したんだ。彼は基本的に様々なアイデアを発展させていった。彼は当初、エイリアンっぽさを増したようなデザイン、例えば古代のエイリアンのような物を念頭に置いていたと思う。そこで色々と面白いデザインを書いてもらい、そこから徐々にミイラっぽい容姿に傾いていくことになったんだ。

Necromorphの新たな共通型となるFodderは、ミイラのような容姿をした新タイプの敵だ。『Dead Space 3』でプレーヤーが探索する氷の惑星は、1作目の出来事のはるか以前にNecromorphの襲撃に遭っている。
プレーヤーが相対することになるFodderは、この惑星を何世紀にもわたって支配してきた存在であり、だからミイラのような見た目をしているのである。

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Ben Want: ミイラには、とにかくグロイ通常のNecromorphとはまた異なった不気味さがある。ミイラの不気味さを掘り下げるのは楽しかったよ。顔が変な風に伸びたようになってて、色々と面白い要素が詰まっているんだ。

表面的な肉体的要素は、あくまで新種クリーチャーとしてのFodderの一部分にすぎない。開発チームは決して同じ容姿の敵を使い回すことはせず、元の死体によって異なる様々な種類のFodderを登場させている。

それはFodderが使用する武器にも適応されている。そう、これもまたシリーズ初だが、Fodderは実際の武器を使用するのである。Fodderはアイスピックや斧、手術用のこぎりといった近接武器を装備しているとはいえ、倒し方はSlasherとあまり変化はない。とはいえ、Slasherと比較してFodderが際立っているのは、部位を切断した後に起きることだ。

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Ben Want: ある時点で、新たな基準となる敵を生み出す必要があることは分かっていた。Slasherを2作続けてメインの敵として使用してきたから、あれくらい頑丈な敵でありつつも、全く違う部位切断戦略を用いないと倒せない敵を登場させたかったんだ。そこで我々は「どんな敵が理想なのか」というところに立ち返ってやり直すことにした。変形する敵を望んでいたんだ。どこを撃っても異なる反応や変形するような敵だよ。

それを念頭に、我々は人間の延長線上にある面白い形態を色々と作っていった。手足を切断した後、どんな奇妙な怪物に変形させるか。Fodderは基本的に、足を吹き飛ばすとまた何かが生えてきて、全く違う動きをするようになる。腕を切り落とすと上半身全体が爆発して、また違うことが起きるんだ。

私はひょろっと長細いのがとにかく好きなんだ。それだけでも不気味な感じがするから、初期のコンセプトにはそれが反映されている。無傷の段階では不気味で恐ろしいシルエットを醸し出すような存在にしたかった。一言も発さないが人間のように見える、印象的な存在だよ。遠くでユラユラと揺れているのを見つけても、「何だあれは?」と思う。それが化け物だと気付く頃には手遅れなんだ。

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次なる新種の敵はアップデート版Lurkerで、前2作の赤ん坊や幼児の代わりに登場する犬型の新種Necromorphだ。とはいっても、何らかの論争が原因で赤ん坊などを削除したわけではない。事実、赤ん坊や幼児を踏み殺せることに対する抗議などは一切なかったそうだ。理解できないが。

むしろ、舞台設定的な観点から、『Dead Space 3』の惑星には赤ん坊や幼児は存在しないが、犬は沢山登場するのである。

Ben Want: そりを引く犬のようなものだけど、遺物を掘り出したりするのに使われる犬だ。地震の時に、生存者を探すための訓練を受けた犬がいるだろう?

そういう発想から、クリーチャーの犬バージョンを作り上げていった。あまり犬っぽくないのまで様々なタイプを試したが、私は犬らしさを残したかったから、最終的にああいうデザインになった。裂け目があったりして醜い姿に変貌した犬なんだ。

このクリーチャーのデザインは、ロットワイラーをはじめとする使役犬をベースにしている。宇宙空間で大量の犬を維持するのは困難なため、宇宙に狩り出された犬はあくまで小規模。これまでのLurker同様、長く恐ろしい触手を伸ばしてくるはずだ。

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大型クリーチャーの一種がNexus。E3デモの終盤、プレーヤーを丸ごと飲み込んでしまうシーンで初お目見えとなったクリーチャーである。30ものデザインを経て完成したというNexusが生まれるプロセスを、アート・ディレクターのAlex Muscat氏が説明してくれた。

Alex Muscat: 通常は、まず漠然としたアイデアから始めていく。そこからスケッチを書き上げる。すると、小さな塊のようなものが出来上がる。次に、どうすればそれが怖くなるかを考えるんだ。多くの人が怖いと感じる物からインスピレーションを得ることもあるよ。例えば、昆虫を気持ち悪いと感じる人は多い。Nexusを良く見ると、昆虫っぽさに気付くはずだよ。

ビジュアル的には基本的な枠組みがあって、それをスケッチに起こしていく。それを時間を掛けて洗練させていくんだ。そこに『Dead Space』らしさを加えていく。ゲームのテーマの一つが、恐怖や気持ち悪さといった要素を加味する肋骨だ。死体の胴体が開いていて、肋骨が見えている感じだよ。Nexusが胴体を開くと、肋骨や内臓が見えるんだ。これは『Dead Space』全体に共通したテーマだよ。

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Slasher、Fodder、Nexus、Lurker。数多くの新種に加え、再登場の敵もリブートされている。敵の種類に関して、『Dead Space 3』はシリーズ最多を誇っている。技術的な限界などの理由から、これほど多くのクリーチャーを創造するのは決して容易いことではない。

Ben Want: 様々な形態に合わせて色々と試したよ。まずは紙に書いたものを書類と照らし合わせて、クリーチャーの異なる状態を表現するにはどのコンセプトが一番適しているかを決める。コンセプトがデザインの基になることが多いんだ。「これはクールだな」という物をデザイナーが考え、そのコンセプトからゲームプレーを生み出していくんだよ。

ミックス&マッチという感じだ。そこにエンジニアが絡んできて「20本の触手は無理だ、レンダリングできない」といった要望に応えて削ぎ落としていく。アセットの効果的な利用法に合わせて磨き上げていくんだ。Fodderは可能な限り大量の数を一度に登場させたかった。最低でもSlasherと同じだけの数を出せるようにしたかったから、特定のフィーチャーを取るか、数を取るかというバランスが重要なんだ。その辺は常にトレードオフだが、最終的には適切なバランスに仕上がったよ。

ユニークで印象に残るようなデザインを生み出すのは、いつでも難しいものなんだ。全ての敵がプレーヤーの脳裏に残るようにしたい。それがどんな敵で、どんな戦法が通じるのかを覚えてもらうということだけじゃなく、脳裏に深く刻まれるようにしたいんだよ。それもホラー要素の一つなんだ。精神的に怖がらせることがね。

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『Dead Space 3』は2月5日にXbox 360、PS3、PCにて発売予定。

[ソース: Destructoid]

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