2013年07月20日(土)15時17分

ビデオゲーム映画の未来は明るいのか?

sillent-hill-3d.jpg北米では昨年10月に公開された『サイレントヒル:リベレーション3D』

現在サンディエゴで開催されているコミコンにて、ビデオゲームの映画化に関するパネル・ディスカッションが開催され、一般的に成功しないとされているビデオゲームの映画化についての議論が交わされた。その模様を、IGNがリポートにまとめている。

ビデオゲーム映画の黄金期が迫っているのだろうか?コミコンで行われた「ビデオゲームから映画へ」と題されたパネルでは、正にその疑問が議論された。ご存知の通り、ビデオゲーム映画が高く評価されることは殆どない――『プリンス・オブ・ペルシャ』『マックスペイン』『ファークライ』が浮かぶ――が、そうした状況にも変化が訪れるかもしれない。

パネルの参加者は、『Hitman』や『Deus Ex』『Kane & Lynch』のプロデューサーAdrian Askarieh氏、Blur StudioのTim Miller氏(デッドプール映画の監督に指名されている)、『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』の脚本家Justin Marks氏、EA Entertainment副社長Patrick J. O’Brien氏(DreamWorksで『Need for Speed』の映画化が進行中)、『Mortal Kombat: Legacy』の監督Kevin Tancharoen氏(Warner Bros.で『Mortal Kombat』を映画化する)、映画版『Deus Ex』の脚本家C. Robert Cargill氏。

パネルの参加者たちはまず、ビデオゲームを映画化する際に付きまとう問題点を指摘。Tancharoen氏がパネルの序盤で語るように、コミック映画と違い、ビデオゲーム映画はハリウッドの映画会社幹部にとって飲み込み辛い存在なのだという。コミックを読んで映画版を想像するのは容易いが、ビデオゲームというのは長い時間を要する体験であり、製作段階において余計な物で飾り立てられてしまうことが多い。

O’Brien氏は、映画版『Dead Space』に関する映画会社との初期のやり取りにおいて、ゲームやアニメ映画、コミックを映画会社幹部に提供した時のことを振り返る。映画会社側は、ゲーム自体に焦点を当てるのではなく、『Dead Space』の前日譚コミックに固執し、ある時点では、ゲーム版の人気キャラクターIsaac Clarkeではなく、コミック版の主人公を中心とした映画化を提案してきたという。

だが、ファンは心配無用。Patrick氏によると、映画版『Dead Space』の製作は現在も進行中だが、初期の会議以降はプロジェクトも軌道に乗り、Isaacを主人公とするビデオゲームの精神に忠実な内容になるという。とはいえ、ビデオゲームの映画化があっという間に頓挫してしまう理由が良く分かる事例だ。

一方のCargill氏は、『Deus Ex』の映画化に際し、映画会社幹部との間には何の問題もなかったと語る。事実、彼が直面した唯一の問題は、ゲーム版のどの部分を取り入れ、どこを削るかという点だった。O’Brien氏の『Need for Speed』――基本的にストーリーが存在しない――のようなストーリー性が低いゲームと違い、『Deus Ex』は「足すのではなく削る」のが重要なのだ。彼はビデオゲームを映画化するのではなく、サイバーパンク映画と見なすアプローチを取っている――言い換えれば、ビデオゲーム映画とは見ていないということだ。

だが、今回のパネルからも分かるように、時代は変わりつつある。再びコミック映画を例に出し、2000年代初頭の『Xメン』や『スパイダーマン』と同じことがビデオゲーム映画にも起きるとAskarieh氏は考えており、この5年間だけを見ても、ビデオゲームの映画化には劇的な変化が見られると語っている。ここ数年でビデオゲーム自体がますます成熟していることもその要因の一つだが、より重要なのは、ゲーマーやノン・ゲーマーが、ゲームにおけるストーリーテリングを真剣に受け止めるようになったことだ。Miller氏が指摘するように、概要を押さえることが重要だ。物語の役に立つものをスクリーンに置き換えるべきなのである。

最後に、Askarieh氏はUbisoftの映画版『Assassin’s Creed』に触れ、あの映画を切っ掛けに、映画会社がビデオゲームを劇映画フランチャイズ化の有効な手段として見なすようになると信じていると語る。『映画のクオリティがそうした変化に拍車をかけるだろう」とAskarieh氏は言う。「今後5年間で、優れた映画を数多く目にすることができるだろうと、私は心の底から思っているよ」

[ソース: IGN]

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