2013年08月08日(木)05時06分

プレーアブルなElizabethが『BioShock Infinite』にもたらす変化とは

再びRaptureが舞台になることが明らかにされている『BioShock Infinite』の2部構成ダウンロード・コンテンツ『Burial at Sea』。

そのエピソード2ではElizabethがプレーアブルになるが、レベル・デザイナーのAmanda Jeffrey氏と『BioShock』フランチャイズの生みの親であるKen Levine氏が、Bookerとは大きく異なるゲームプレーへのアプローチを語っている。

Amanda Jeffrey: Elizabethが世界をどのように体験しているのか、プレーヤーは1人称視点で見ることができるようになるので、本編やDLCの前半部分での体験を裏切らないように慎重になる必要があるんです。ElizabethはBookerとは全く異なるキャラクターだし、単なる女装したBookerにしてしまっては、これまで我々がElizabethにしてきたことへの最悪の裏切りになってしまうし、プレーヤーも陳腐だと感じてしまうでしょう。我々はそれを望んでいないので、その点に最も注意していますね。まだ全ての答えはありませんが、我々が避けるべきリスクに関しては痛いほど承知していますよ。

Bookerは元兵士なので、突入して敵と正面からやり合うタイプのキャラクターです。他の道具も色々揃っているけれど、基本的に彼は敵を正面から倒す強い男。一方、Elizabethは本編でもより思慮深い人物だった。危険を回避し、Bookerを援護しながら、周囲に目を配って常に何かを探している。Bookerよりも周囲のことに敏感なんですよ。引き出しから何かを見つけるのは常に彼女だし、壁に寄りかかったり、色々なことをする。それをゲームプレーに転化することが重要で、突然彼女が筋骨粒々になって、バカでかいマシンガンを持って駆け回るようなことは、彼女というキャラクターを裏切ることなんですよ。

Elizabethのプレーアブル・パートは、戦闘よりも戦略が重視されるものになるとJeffrey氏。

Amanda Jeffrey: Elizabethは、側面から物事を捉える必要がある。敵への対処法に関しても、間接的な考え方が求められるんですよ。それは敵を迂回することかも知れない。もしくは、敵の強みを逆に利用することかも知れない。思慮深さの異なる形態であって、こういう言い方が正しいかどうかは分かりませんが、女性的な対処法なんですよ。率直に言って、Raptureの住人たちの強みは、身体的な強さにある。一方、Elizabethの強みは知性にある。それがRaptureの中でどのように活かされるのか、とてもワクワクしています。凄いものになるでしょうね。

ElizabethのTearパワーに関しても、ゲームを壊してしまわないように慎重になっているという。

Amanda Jeffrey: プレーアブル・パートでElizabethのTearパワーをどのくらい広範囲なものにするのか、まだ決めていないんですよ。今後数週間で180度変わる可能性もあるので、現時点ではまだあまり話せないんですが、ElizabethのTearパワーは必ずしも「勝利ボタン」にはならないということは断言できます。彼女は自分が訪れることができる全てのユニバースのことを熟知しているので、何が不変で何が変化するのかも理解している。変化を加えることができる物もあれば、何をしても変わらない物もあるので、神のようなパワーを持っているというわけではないんですよ。本編で目にしたよりもはるかにパワフルなやり方で世界に干渉できますが、ボタンを押せば全てが上手く行くというわけじゃない。その理由は、それでは楽しくないというのが一つ。次に、残念ながらElizabethは苦労する運命なんでしょうね。彼女は、ハッピー・エンドのために戦わなければいけない。彼女はハッピーとは無縁の人物なんですよ。

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『Burial at Sea』に登場するElizabethと本編に登場するElizabethが同一人物なのか、という点に関して、Jeffrey氏とLevine氏はどちらも明言を避けるが、両者が断言するのは、このElizabethは本編の出来事を全て認識しているという点だ。

Ken Levine: 何が起きるかは言わないが、『Burial at Sea』のエピソード1の最後で、Elizabethは認識を新たにする。そこでプレーヤーに操作させると、とてもパワフルなんじゃないかと考えたんだ。彼女は我々が良く知るElizabethだが、しっかりとした内面がある。自らの行いのせいで変化しているんだ。『Burial at Sea』は本編の出来事の後の話だが、彼女は本編でプレーヤーが目にしたものを全て見てきたわけで、それが彼女に影響しているんだよ。

Amanda Jeffrey: RaptureのElizabethは、本編のElizabethの延長線上にあると言えるでしょう。全く新しい人物というわけじゃない。Raptureで出会うElizabethのことを、より深く知ることになる。そういう面では、彼女は多くの情報を抱えているんです。より深みを増した彼女に、プレーヤーは良い意味で驚かされるでしょうね。プレーヤーを常に驚かせてくれますよ。予定調和に感じるようなことは決してないでしょう。今までと同じような物語にはなりませんよ。

Irrationalによると、『Burial at Sea』のエピソード1は現在ベータ段階だが、エピソード2はまだ開発初期段階なので、全てが決定しているわけではないという。Jeffrey氏によると、『Burial at Sea』はあくまで本編の範疇で機能する新しい体験になるとのことだ。

Amanda Jeffrey: Elizabethのプレーアブル・パートの一部は、今までと同じになります。完全に新しいゲームを作る時間はありませんからね。既存のシステムなどの上に構築しているんです。突然見下ろし型のゲームにしたりはできないでしょう?このDLCでそういうことをするつもりはありません。何よりも、コントローラーやマウスとキーボードを使ったプレー方法から、周辺環境へのアプローチ至るまで、Elizabethのプレー感覚を今までとは全く違う体験にすることに集中したいんです。ゲームの大半はプレーヤーの頭の中でプレーされるという言い回しもあるし、『BioShock 1』以降我々が失った、もしくは置いてきた要素を取り戻そうとしていると言えるかも知れない。周辺環境自体が恐ろしい悪意を持つ脅威であって、常に何かが襲ってくるかもしれないという恐怖感ですね。

緊張感や憂うつな感覚を望んでいるということです。Rapture内の隅々に、重苦しい雰囲気が染み渡っているような感じにしたいんですよ。シェイクスピアもコミック・リリーフ的な場面を書いたように、眩しい太陽の光や安堵するような場面もありますが、これは銃を持ってColumbiaの空を駆け回ったり、周囲のことなど気にせずに飛びまわったりするようなものじゃなく、しっかりと地に足の付いた内容なんです。常に恐怖が付きまとうような豊かな体験であって、Elizabethは世界の一部であり、その世界が襲い掛かってくると感じるべきなんですよ。のんびり散歩をするなんて、到底無理なんです。

本編の主人公もElizabethだったとするJeffrey氏は、このDLCでは本編では不可能だった角度から彼女にスポットライトを当てることになると語る。

Amanda Jeffrey: 私に偏見があるのは承知の上でまず言いたいのは、『Infinite』の主役はElizabethだったということです。このDLCはBookerとElizabethについての物語で、エピソード1では、RaptureにおけるBookerとElizabethの関係性を目にすることになります。Elizabethとしてプレーするエピソード2は、完全に彼女の物語になりますよ。

Ken Levine: Bookerのキャラクター・アークがElizabethのそれよりも小さかったのは、彼がプレーアブルだったからだ。彼と共に変化することよりも、発見に重きが置かれていた。あえてそうしたんだよ。Elizabethの場合だが、『Burial at Sea』のエピソード2に到達する頃には、もう充分彼女を成長させたから、プレーヤーと一つにしたら面白いんじゃないかと感じたんだ。彼女という人物はもう確立されている。彼女は異質な存在だし、キャラクター・アークにおける現在位置という面で、『Burial at Sea』では多少異なる役割を演じることになるんだ。

[ソース: IGN]