2013年09月21日(土)01時21分

Naughty Dogが語るストーリーテリングの現状と未来

neil-druckmann.jpgNeil Druckmann氏

Naughty Dogのクリエイティブ・ディレクターNeil Druckmann氏が、ビデオゲームにおけるストーリーテリングの進化について語っている。

Neil Druckmann: 少し振り返って、優れたストーリーテリングの水準とされていたものを思い出してみると、その多くは水準以下だった。その理由の一つがテクノロジーで、豊富なサブテキストや表情を伝えることができなかったので、台詞に頼らざるをえないことが多かったんだ。そのせいで、当時のストーリーテリングは極めて表面的で、展開も単純だった。現在は、はるかに繊細なストーリーテリングが可能になっているよ。

Druckmann氏がNaughty Dogに入社したのは、PS2で『Jak 3』を開発中だった2004年。当時のNaughty Dogは、『Crash Bandicoot』のようなキャラクター主導型のシンプルなアプローチから、『Uncharted』『The Last of Us』に至る洗練されたストーリーテリングを練り上げている最中だった。

Neil Druckmann: テクノロジーの進歩のお陰で、少なくともカトゥーン的なキャラクターから離れ、より人間的なキャラクターや繊細な物語を形にすることが可能になったし、現在の我々はその道中にある。他のゲームや一風変わった内容を掘り下げようと考えていたこともあったが、結局は自分たちの強みを活かすということで落ち着いた。それが我々の得意分野だからね。他のゲームの方が商業的には大きな成功を収めていたかもしれないが、我々が情熱を感じるのはこれなんだ。だから、我々はそうした物語を語り続けるところに戻り続けているということだ。

進化したテクノロジーがストーリーテリングに与える恩恵は変化しつつあるとDruckmann氏。

Neil Druckmann: しかし、よりダイナミックな物語を語ろうとしたり、洗練されたAIの活用法――一部は我々が『The Last of Us』で試みたことだ――を目指すなら、テクノロジーが大きく役立ってくれる。Ellieのアニメーション数や一度にストリーミングできる台詞の数に関しては、メモリが限界だった。だからこそ、プレーヤーの入力に物語がその都度反応を示すというダイナミズムに関しては、PS4が大きく役立つはずだ。テクノロジーはまだまだ進化する余地があるよ。

ストーリーテリングのテクニック自体も進化しつつある。Druckmann氏は、斬新な題材とメカニックを用いたゲームとして、インディ・タイトルの『Gone Home』と『Papers, Please』を挙げ、インディの動きが大作ゲームにも変化をもたらすだろうと語る。

Neil Druckmann: 大作ゲームの場合、ゲーム内容や物語の題材を大きく変化させるのは困難であることが多い。

様々な実例が登場するにつれ、より優れた物語を追及する開発者も増えていくだろう。ゲームやゲームの物語に対する批判も洗練されていくことを望んでいるよ。思うに、これまではゲームの陳腐なお約束であったり、ゲームにおける女性や有色人種の表現について話すのは、なかなか難しかったと思うんだ。それが今では、そうした議論やゲームに対する批判にはワクワクさせられるよ。

ゲームの内容に対する様々な議論や批判は、豊富なバラエティを求められるほど市場が拡大した証であるとDruckmann氏。

Neil Druckmann: 変化はかなりの速度で訪れると考えているし、そうした議論に参加せず、新たな客層にアピールしようとしない人たちは、取り残されてしまうだろうね。

とはいえ、大作ゲームに変化が訪れるのはまだ先のことになりそうだ。

Neil Druckmann: 大作ゲームの場合は・・・少なくとも、性的な面を前面に押し出さない強い女性主人公が登場するゲームが出始めている状態だ。今後はもっと増えるだろうし、商業的に成功する作品も増えるだろう。大作ゲームでは、無難に済ませようと感じる人が多いんだ。巨大企業が世界規模でゲームを送り出そうとして動くわけだから、リスクを避けようとする。しかし、実際にはリスクではなく、商業的にも成功するという証拠が出揃えば、独創性が開花し、新たな道が開けるはずだよ。

[ソース: Games Industry]

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