2013年10月27日(日)00時44分

『The Stanley Parable』海外レビュー

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『The Stanley Parable』の海外レビューです。

  • 機種: PC
  • 開発: Galactic Cafe
  • 販売: Galactic Cafe
10/10 Destructoid
『The Stanley Parable』のようなゲームは、どうレビューすれば良いのだろうか?どこか一箇所でも描写してしまうと、全てが台無しになる危険性がある。ゲーム・デザインや選択という幻想、ゲーマー心理に対する本作のメッセージを詳しく説明してしまうと、言い過ぎになってしまうだろう。

比較も極めて不適当だ。恐らく最も近しい親戚は『Dear Esther』ということになるだろうが、『Dear Esther』がインタラクティブ性を無駄にしていたのに対し、『The Stanley Parable』はインタラクティブ性を利用し、ひっくり返してみせる。ゲーム以上になろうとするゲームの殆どが、あらゆるアート以下に落ち着いてしまう中、『The Stanley Parable』は過去のあらゆるゲームになるために戦い、そして成功を収めている。だとしても、本作の他のゲームの基準で語るのは、単純に不正確だ。

オンラインで手に入る史上最も魅力的なMODの一つを完全に作り替えた、『The Stanley Parable HD』として知られるようになったゲームを、どうレビューすれば良いのか?どのようにして議論し、分析し、推奨すれば良いのか?

応えは実にシンプル。

しないのだ。

5.0/5.0 Game Revolution
『The Stanley Parable』は、通常の評価システムに当てはまらないゲームだ。狙いを完璧に実現したゲームであり、ボリュームやエンディング数がもう少し多くても良かったが、その必要もない。考えさせられる知的な、誰もが体験すべきゲームであり、今後も末永く引用されることになるだろう。
5.0/5.0 Joystiq
『The Stanley Parable』を短いと呼ぶのは不公平だ。ある意味では、ゲームと呼ぶことすら不公平だろう。『The Stanley Parable』はプレーヤーが行う実験であり、自己発見の手助けをする試みだ。オモチャ箱の中のオモチャと触れ合うだけで幸せな子供か?壊したくなるか?オモチャ箱をしまって立ち去る子供か?指示されたいか?指示されるのが嫌いか?Stanleyにただ幸せになってもらいたいか?世界を支配したいか?

私個人の実験の結果はというと、私は疑念が嫌いだということだ。答えのない疑問が残されるのが嫌だし、不確実性を晴らして解答を見つける能力が私にある場合は尚更だ。君たちの結論は、私のそれとは大きく異なるはず――それは賞賛すべきことだろう。

9.0/10 GameSpot
良い点:
・凄まじく笑える
・驚くような結果をもたらす重みのある選択が山盛り
・極めて知的であると同時に、意地悪なエンターテイメント性に富んでいる

チャーリー・カウフマンやスパイク・ジョーンズの傑作『アダプテーション』のゲーム版と言えるのが『The Stanley Parable』だ。あまりに多くの映画が、登場人物たちが人生の大きな教訓を学ぶ型通りの状況と展開で観客を操る様をパロディにしながらも、同時に登場人物たちが人生の大きな教訓を学ぶ型通りの状況と展開でプレーヤーを操るのである。『The Stanley Parable』はゲームにおける選択の性質(我々自身の仕事場や家庭も例外ではない)に関する刺激的な論評であると同時に、ビデオゲーム史に残るほど楽しく、驚きに満ち、やりがいのある選択肢を提供するゲームでもある。選択肢を誤ることがこれほどまでに正しく思えたことはない。

良い点:
・ビデオゲームの物語と現実の決定論に多くの問題提起をする、これ以上ないほど知的なコンセプト
・謎めいたナレーターによる完璧なボイスオーバーは爆笑するほど笑える
悪い点:
・あえてのこの短さだろうが、比較的高価でもある

スロー・モーションでドアをぶち破って突入したりする場面はないものの、『The Stanley Parable』は『Portal』以来最も知的で笑える1人称ゲームだ。そのインタラクティブな脚本は、絶えず笑えると同時に深遠でもある。

90/100 GameFront
良い点:
・デベロッパーとプレーヤーの関係性を効果的に掘り下げている
・素晴らしいボイスアクト
・プレーするたびに変化する体験
・少し露骨な他のゲームへの目配せが楽しい
悪い点:
・実際のゲームプレーはたまにアイテムをクリックする程度
・短い(が効果的)

これは思考実験のようなもので、同じ一人称の仲間たちとの比較では、ゲームプレーに何の意味もないとする向きもあるかもしれない。だが心して欲しいのは、もしそれが君の出した結論だとするならば、『The Stanley Parable』が批判する独りよがりにプレーヤーそのものである危険性が非常に強い点だ。

それは悪いことなのだろうか?『The Stanley Parable』は決して答えを提示してくれないし、それが議論の切っ掛けになるのである。それは賞賛すべきことであると私は考える。

90/100 PC Gamer
悠々と独創的で、驚きと絶え間ない笑いに満ちている。『The Stanley Parable』は、ビデオゲームの物語に関する物語の作り方を見せてくれる。
9.0/10 Polygon
最高のコメディアン同様、『The Stanley Parable』は爆笑できると同時に見識が深い。その方が価値が高いと見る向きもある詰め込まれた体験よりも、鋭く辛らつな観察を尊重。僅かばかりの時間とお金を費やすだけで、たっぷりの笑いと、ビデオゲームにおけるストーリーテリングの静謐に関する適度な考察を提供してくれる。数時間で全てが堪能できるゲームというのは、ひょっとしたらコメディにとって理想的なフォーマットなのかも知れない。
『The Stanley Parable』は多面的なゲームで、全てが巧みで楽しい。複数の物語でできた物語であり、ゲームにおける自由の探求であり、語る者と語られる者の戦いであり、巨大な自己言及的メタ・フィードバック・ループなのだ。大きく異なるエンディングへと繋がる全く新たな道筋を提供することで、プレーヤーに探索を促しており、Stanleyはその幾つかを生き残りすらするのである。新たな分岐点へと繋がる、廊下という旅路の出発点であるオフィスに必ず戻ってくることになるのは当然だが、新たな旅はどれも、更なる可能性としての分岐の実験の可能性を露にするのである。もしくは、「430と書かれたドアを5回クリックする」実績に挑むといった馬鹿げた行動を取るかもしれない。なんにせよ、『The Stanley Parable』は何らかの論評を具現化することは確実であり、これほどまでに脚本が優れていて、世界観が巧みなのだから、追い求める価値のある報酬と言えるだろう。
8.8/10 IGN
良い点:
・思慮深い
・ウィットに富む脚本
・素晴らしいナレーター
・予測不能
悪い点:
・限定的だが、それは意図的なものだ

たまに、『The Stanley Parable』は退屈特有の狂気の掘り下げのように感じられることがある。かと思えば、プレーヤーをネタにしたジョーク、選択と結果への論評、パロディ、官僚主義の悪夢といった全く別の姿に形を変える。全ての異なるプロットラインや個性が重なったり融合することで、引き込まれるほど不明瞭だが、エンターテイメント性と笑いは欠かさない何かを生み出している。これがなんであれ、プレーする価値はあるだろう。

8.5/10 Game Informer
コンセプト: ゲーム・デザイン、プレーヤーの選択、そしてストーリーテリングに対する先入観をおもちゃにした、魅力的なインタラクティブ体験
グラフィック: シンプルな環境と3Dモデルは一切妨げにならない
サウンド: Kevan Brightingによる段階的なナレーションが多くのジョークや秘密に説得力を持たせている
プレー性: 操作は基本的なものばかりだが、分岐する物語を掘り下げるのに充分
エンターテイメント性: 無数のエンディングやユーモラスなヒネリには常に驚かされ、楽しまされた
リプレー性: 高い

『The Stanley Parable』はたった一つの単純な設定をベースに、僅か数時間ほどのエンターテイメントを提供する。しかし、その数時間は今までにゲームで体験したことがない数時間だ。実験的なインディ・プロジェクトが好きだったり、一風変わった楽しい気晴らしをプレーする気分なら、これ以上のゲームはないだろう。

8.5/10 NowGamer
『The Stanley Parable』がビデオゲームの芸術性を証明することはないかもしれないが、ゲームにおけるプレーヤーの選択にまつわる実証済みの慣例をもてあそぶ、魅力的――かつ独創的――なゲームである。
4.0/5.0 Giant Bomb
『The Stanley Parable』は実にチャーミングな小品だ。望むなら、殆どのゲームにおけるプレーヤーの選択がいかに無意味かを指摘した論評としての機能について語ることもできるし、包括的な文脈についての議論もあるだろう。しかし、そんな議論をせずとも『The Stanley Parable』は楽しめる。シナリオの限界を掘り下げ、優れた脚本や演技を堪能し、どれだけの「異なる」エンディングに辿り着けるかを試すのが楽しいからこそ、『The Stanley Parable』は機能しているのだ。