2014年02月12日(水)03時37分

『Evolve』プレビュー - 狩る者と狩られる者

142.jpg

『Left 4 Dead』を生んだことで有名なTurtle Rock Studiosの最新シューター『Evolve』のプレビュー記事がIGNに掲載されている。

  • 機種: PS4/Xbox One/PC
  • 開発: Turtle Rock Studios
  • 販売: 2K Games

「進化の歴史から学んだことがあるとすれば、それは生命を抑えこむのは無理ということだ。生命は自由を得、傷みや危険すら伴っても、新たな領域へと向かって障壁を打ち破る」と言ったのは変わり者の数学者イアン・マルコム(訳注:映画『ジュラシック・パーク』の登場人物)だったか。

この言葉こそ、『Evolve』を要約しているだけでなく、私の気持ちそのものでもある。

毎年のようにプレーするシューターに退屈さを感じ始めて久しい。『Evolve』は一目見て新鮮だ――コンソールとPCで目詰まりを起こしているライバル作品の多くよりも、はるかに興味深く、活力に満ち、エキサイティングである。

設定は実に単純。未来、人類は宇宙へと進出し、はるか遠くの惑星を植民地化し始めた。銀河を股に掛ける間抜けである人類は、はるか彼方の世界を早速メチャクチャにし始め、黒煙を撒き散らしながら天然資源を開発する巨大な工場を建設。そうした開拓コミュニティが抵抗に遭遇し始める――時に極めて敵対的になる惑星の土着生物による抵抗ではなく、人類が築き上げた全ての妨害を企む宇宙生物によってである。

ハンターたち

それがプレーヤーたちの存在理由だ。「惑星耕し屋」の一員として、プレーヤーは植民地を襲撃から守り抜かなければならない。

マッチは、軍の飛行機からパラシュート降下するところから始まる。惑星に降り立つと、救援を求めた人間たちはフォースフィールドに守られている。プレーヤーは、制限時間内に暗闇に潜む恐ろしいモンスターを追跡し、付け狙い、始末しなければならない。

コンセプトはシンプルだが、『Evolve』の複雑さとニュアンスは、そのキャラクターから浮上する。チームはバランスが絶妙で、私が魅力的だと感じた要因の大半は、各自が持つ固有能力の相互作用にある。勿論、全てはチームワークを促すために存在する――連携しなければ、強力過ぎるモンスターを前にあっという間に全滅してしまうだろう。

ハンティング・パーティーは常に同じ4キャラクター、Griffin、Markov、Val、Hankなら成る。それぞれが個別にクラスに振り当てられており、固有の武器と能力を身に付けている。Griffinは罠を仕掛けるトラッパーという一風変わったクラスで、恐ろしい歯が並ぶフェドラを被っているお陰でいかにもそれっぽい。ロバート・マルドゥーン(訳注:映画『ジュラシック・パーク』の登場人物)とクロコダイル・ダンディーとヴィクトリア王朝時代の探検家を混ぜ合わせたようだ(2014年最も印象的な口ひげの称号は既に彼の物だ)。

始めから、トラッパーは最もプレッシャーのかかる役割だ。痕跡を探して地面を這い回ると同時に、モンスターの居場所を示す鳥が飛び立つ様子といった些細なヒントなども見逃さないよう、地平線にも目を凝らすことを求められるからだ。仲間全員の視線が注がれる。

幸運なことに、Griffinはモンスター狩りに役立つ装備を身に付けている。泥にサウンド・センサーを埋め込めば、起動させると同時に仲間全体のための集合地点を画面上に表示させることができるのだ。とはいえ、チームを率いる際には、明確なコミュニケーションと確固たる信念の代わりになるものは存在しない。

いずれはモンスターの居場所を突き止めることになり、そこでようやく他のメンバーの出番となるが、トラッパーとしての役目も終わりではない。Griffinの攻撃力はなかなかのもの――アサルト・クラスに次ぐ攻撃力を誇る――だが、モンスターの確保に専念することで、チームにとって貴重な存在にもなりえるのである。彼のサブ・ウェポンである銛は非常に役立つ武器で、モンスターを捕らえ、逃げられないようにすることができるのだ。森に紛れ込もうとしたり、崖から飛び降りて逃げようとするモンスターを、間一髪で捕らえた時の達成感は凄まじい。

44.jpg

Griffinの最も便利かつ特殊な装備は、モバイル・アリーナだ。これを投げると、バイオ・ドームを思わせる青いフォース・フィールドが広がる。タイミングが合えば、モンスターをその中に捕らえることができるのだ。まだ全ての能力を獲得していないモンスターは、戦うことよりも逃げることを優先するので、序盤のキーとなる戦術である。

そろそろ仲間の出番だ。役割で言えば、残りのメンバーはお馴染みの役割――アサルト、サポート、メディック――ばかりだが、彼らにも注目すべきスキルが備わっているので、ざっと紹介する価値はあるだろう。

Markovは完全なアサルト・キャラクターだ。彼の役目はシンプル、敵にダメージを与えることだ。そのために、彼は重火器を装備。遠距離からの攻撃に便利な電子アサルト・ライフルと、至近距離で効果を発揮するライティング・ガンである。彼の能力も役割にピッタリのものが用意されている。誰よりもモンスターに接近するためのシールドと、更なる火力を追加する地雷である。

Markovを始めとする仲間をサポートするのが、その名の通りのサポート・クラスだ。Hankはブルーカラーな男で、職場から現れたばかりのように見えるし、彼を操作するプレーヤーは、自己を犠牲にして気配りのできるタイプでなくてはならない。モンスターを攻撃するGriffinとMarkovを援護することが理想的だ。メインの武器はレーザー・カッターで、そこそこのダメージを与えることはできるものの、サブの武器にこそHankの真の価値が凝縮されている。それは、武器のように狙いをつけることで仲間を守ることができる、シールド・プロジェクターだ。

モンスターの目を逃れながら、自分の助けの恩恵を最も受けるプレーヤーを捜さなければならないので、非常に過酷な役割である。高所や後方といった、狩りの行く末を見渡せるような位置取り重要となる。Hankのクローク能力は付近の仲間も透明にできるので、役に立つボーナスだ。降下艇が仲間を戻してくれるまで生き延びなければならないので、自分が最後の1人になった時には非常に貴重な能力となる。Hankは守り一辺倒というわけではなく、タイミングさえマスターすれば、モンスターに凄まじい弾幕を軌道上から降らせることもできる。

106.jpg

最後のメンバーValは、メディックを担当。当然ながら、彼女は仲間のヘルスを回復することができる。MedGunを使えば離れていても回復させることができるし、Valのリチャージ可能な能力であるヒーリング・フィールド発生器は、範囲内にいる仲間のヘルスを大幅に回復させることが可能だ。仲間の世話をするのがメディックの主な役割だが、Valにはモンスター退治に役立つ攻撃能力も備わっている。彼女のスナイパー・ライフルはエイリアンのアーマーの弱点を開放することができるので、MarkovとGriffinに大ダメージを与えてもらうことが可能となる。麻酔銃はモンスターの動きを遅くするだけでなく、モンスターを明るい緑で際立たせてくれるので、壁の向こうからでもモンスターを目視することができるようになるのだ。

最後に、全てのプレーヤーはジェットパックを装備している。マップ上を素早く移動できる貴重な装備だ。戦闘時においても非常に役に立つ存在で、追い詰められてもブーストを使えば素早く逃げることが可能だ。モンスターは動きが速く疲れ知らずなので、ジェットパックはゲーム・バランスを保つために不可欠な存在である。

以上がキャラクターたちだ。しかし、各自が自らの能力に馴染み、自らの役割を理解して初めて、『Evolve』は本領を発揮する。プレーやたちが最終的に理解に達すると、狩りの熱狂の中からダンスが顔を覗かせ始めるのだ。プレーヤーたちがモンスターを取り囲みだし、眩いエナジー・ビームを発射していく。優雅で残虐な死のダンス、奇妙な未来の闘牛である。

俺はモンスターじゃない・・・いつもは

その優雅さとスキルを見せ付けられると、思わずモンスターに感情移入してしまうはず。あれほど見事な怪物を倒した時、そこには悲壮感が漂うのだ(勿論、その怪物に丸焦げにされている最中は、そんな気持ちもどこへやらだ)。

『Evolve』には複数のプレーアブル・モンスターが登場するが、私がお近づきになれたのはGoliathだけ。厳密に言えばエイリアンなのだが、Goliathんはどこか馴染み深いところがある。良く知る動物を混ぜ合わせているのだ。猿っぽいところもある――地面を叩いて上半身の強さを生かして木を登る―が、毛が一本も生えていない。より爬虫類に近いクリーチャーで、プレデターを思わせる下顎がピクピク動いている。

予想通りというべきか、モンスターは孤独だ。先にスタートを切ることができるが、それほど長い猶予は与えられていない――10秒もすればハンターたちが出発する。どこに行けば良いのか、何をすれば良いのか分からないので、パニックになり易い。痕跡を残すのが怖いが、走るとどうしても痕跡は残ってしまう――足跡はハンターのための光るマーカーになってしまう。

素早く方角を決め、走って飛び、登る。血に飢えた集団との距離を取ることが必須だ。ラッキーなことに、Goliathは敏捷な怪物なので、かなりの距離をジャンプすることが可能。すぐにもジャンプを繋げることができるようになるので、ハンターを更に引き離せるだろう。いくら巨大で強力とはいっても、序盤は逃げ隠れするのが最善のように思える。

できるだけ早く食事も取らなければならない。今回の戦いの戦場となる惑星Shearは、簡単に殺せる従順な小形動物で溢れている。食事をすると、進化メーターが貯まっていく。獲物の大きさとメーターが溜まる速度は比例するが、大きな獲物はそれだけ獰猛で、殺すのにも時間がかかる。正にリスク/リワードの関係だが、その価値はあるだろう。メーターが満タンになったら、周辺に誰もいないことを確認し、安全に進化しよう。クリーチャーがグニャグニャした繭の中に隠れたかと思うと、分厚いアーマーと部分的に回復したヘルス、そして新たな能力を学ぶ素質を備えて現れる。モンスター開始時には2種類の攻撃方法しかないが、進化するたびに攻撃方法も増えていく。レベル3に達すると、飛び掛ったり、チャージしたり、巨大な岩を投げたり、炎を吐くことが可能となる。

力関係が変化し、狩る者が狩られる者となるのはここから。レベル3に達すると、ゲームがクリーチャーのパワーを認識し、マッチを最終段階へと進めるのだ。モンスターには、一般市民を守るフォースフィールドに電力を送る発電機を破壊するという、明確なオブジェクティブが与えられる。食欲は尽きるとこを知らない。

61.jpg

Turtle Rockの過去作『Left 4 Dead』と同じように、『Evolve』はかつては明確に分断されていたシングルプレーとマルチプレーの壁を破壊する。『Evolve』は、一つのマッチの最中にも力関係が常に変化し続ける、変幻自在の4体1協力/対戦シューターなのである。

20分間同じことを繰り返すゲームではないし、私が体験した限りでは常に変化し続けるゲームだ。状況をコントールし、モンスターを狩りたてていたかと思えば、次の瞬間には、間違って怒らせてしまった白い顔をした巨大なナマケモノから命からがら逃げ出している。そしてモンスターが進化すると、力関係は更に大きく変化する。ハンターが狩られる側に回るのだ。敵との遭遇の緊迫感が一気に増すし、モンスターが頂点進化に達するまでに勝負が付かなければ、『Evolve』は巧みに変化を加え、ハンターが一般市民を守り抜かなければならないというスリリングな展開へと変化するのである。

一味違うのはゲームプレーだけではない。惑星Shearにも独特の魅力があるのだ。私がプレーできたのは一つのマップ――Forest Ruins――だけだが、まるで失われた世界に遭遇したかのように錯覚させられた。テクノロジー自体は未来的だし、敵はエイリアンなのだが、その世界にはどこか先史的なところがあるのだ。巨大なワニが辛抱強く待ち構える霧の濃い沼、密集した木々に深い洞窟、光る象の鼻のような口を持つ鹿のようなクリーチャー、そして不注意な者を一飲みにしてしまう肉食性の植物。探索し甲斐のある世界だ。

私が目にしたのはあくまで『Evolve』の氷山の一角だが、それだけでも本作は近年で最もエキサイティングなシューターであると断言できる。私は既に、Shearに舞い戻って恐ろしい脅威をもっと見たくて堪らなくなっているのだ。

[ソース: IGN]

最新記事