2014年03月22日(土)06時12分

Ken Levine氏が語る「リプレー性の高い物語主導型ゲーム」実現へのアイデア

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「コア・ゲーマー向けのリプレー性の高い物語主導型ゲーム」に集中するため、今年2月にIrrational Gamesを解散したKen Levine氏がGDCで講演を行ない、ビデオゲームにおける新たな可能性に関する彼のアイデアを語った。

今回Levine氏が行なった講演は、特定のゲームや彼の新作に関するものではなく、あくまで「リプレー性の高い物語主導型ゲーム」を実現するための彼のアイデアを披露したもの。彼の前作『BioShock Infinite』に登場するElizabethは、プレーヤー・キャラクターであるBookerに対して、予定調和とも言える極めて限定された反応しか返すことができなかったが、彼が提唱する「ナラティブ・レゴ」が実現すれば、ほぼ無限の反応を返すNPCの構築が可能になるという。

RPGを例に一例を挙げると、プレーヤーがとある村でオークの鍛冶屋に出会うとする。このオークは、旧神への信心、他のNPCに対する恋心、そしてエルフへの徹底した嫌悪という3種類の感情を持っている。3種類の感情に関するプレーヤーの行動は全て、そのオークのプレーヤーに対する感情に直結する。エルフを殺しまくればボーナスをくれるかもしれず、エルフと結婚すればオークはプレーヤーを殺そうとしてくるかもしれない。その村の他のオークたち――Levine氏のデモンストレーションでは「スター」と呼ばれる――も同様で、各オークが固有の感情を抱いている。

本質的に、他人の感情を憂慮するゲームということになる。固有の感情を持たないNPCたちのプレーヤーに対する感情は、「スター」がプレーヤーに対してどのような感情を抱いているかによって決定され、それが村全体のプレーヤーへの感情を作り出すことになる。

当然ながら、他にも村やNPCが存在する。自分の利益のためにNPC同士を対立させてどちらかの側に付くことが、この世界における戦略となる。

このシステムは、感情的に衝突する決断を迫られると更に面白くなるとLevine氏。裕福だが性格の悪いキャラクターと、性格は良いが貧乏なキャラクターが存在し、そのどちらかと結婚する選択肢がある場合などがその一例となる。これが協力プレー・ゲームになると更に興味深くなり、現実の友人はエルフと仲良しかもしれず、そのエルフは前述したエルフ殺しのせいでプレーヤーを嫌っているかもしれない。現実の友人は、君との友情、ゲーム内のエルフの好意、どちらを犠牲にするだろうか?

しかしLevine氏は、全てのNPCが現実の人間のように振舞うゲームを目指しているわけではないと語る。

Ken Kevine: 「いつになったらAIは人間のようになるんだい?」と聞かれることがある。そのようなキャラクターの捉え方は、根本的に野心的すぎる。あらゆる状況に対応し、ジョークを飛ばしたり凄いことを言ったりするキャラクターというのは行き過ぎだ。とはいえ、大きく進化させることができる段階は存在するので、我々はそこに注力しなければならない。

Levine氏は、これらをゲームにおける初期の物理シミュレーションと比較する。

Ken Kevine: 最初に登場した時は、誰も「これじゃ駄目だ、こんなのどうでもいい」なんて反応はしなかった。私はただ、尊敬する多くの人々が考えている議論に貢献しているだけなんだ。

最後にLevine氏は、テレビ・ドラマ『ゲーム・オブ・スローン』のような複雑な人間関係が入り乱れるフィクション世界のシミュレーションを作り上げることを望んでいると語り、無限にリプレー可能な物語主導型ゲームを実現し、キャラクターたちが現実の人間のように振舞う世界を構築することを目指していると締めくくった。

[ソース: Polygon]

カテゴリ: 業界 タグ: Ken Levine