2014年05月09日(金)00時16分

『Sunset Overdrive』プレビュー - 最高の終末

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IGNに『Sunset Overdrive』の最新プレビューが掲載されている。

  • ジャンル: オープンワールド/アクション/シューター
  • 機種: Xbox One
  • 開発: Insomniac Games
  • 販売: Microsoft Studios

Insomniac Gamesはちょっとした苦境に立たされている。批評家に愛された『Ratchet & Clank: A Crack in Time』を2009年にPS3でリリースして以降、Insomniac Gamesはどうも運に恵まれてこなかったようだ。ムード満点の傑作シューター『Resistance 3』を生み出したが、あまり注目されなかった。『All 4 One』と『Full Frontal Assault』では『Ratchet & Clank』のルーツを投げ捨て、熱心なPSユーザーの怒りを買った。そしてリリースされた『Fuse』は、批評家も消費者も喜ばすことができなかった毒にも薬にもならないシューターで、優秀なスタッフを多数抱えていることは明白なスタジオにとって、ショッキングなまでの転落ぶりである。

言い換えれば、Insomniacにはヒット作が必要だ。『Sunset Overdrive』は正にそのヒット作になるかもしれない。

『Sunset Overdrive』は、オープンワールドの3人称アクション・シューターで、移動に重きを置いている。そして設定も素晴らしい。『Resistance』フランチャイズ以来のコラボレーションとなるクリエーターMarcus Smith氏とDrew Murray氏は、またしても終末物に足を踏み入れているが、そこには大きなヒネリが加えられている。2027年、社会崩壊が始まったが、状況はそれほど酷くなかった。事実、『Sunset Overdrive』のディストピア未来は明るいのだ。「悲観的な世界の終わりとか、食料をどうしようとかそういうのは全て、終末の楽しさに置き換えたんだ」とSmith氏。

それゆえに、『Sunset Overdrive』はあまり深刻ぶっていない。全く。『Resistance』のダークで悲惨な設定は、茶色と黒の色彩と共におさらば。『Sunset Overdrive』はパンク・ロックの匂いと目が眩まんばかりの色鮮やかな色彩が充満し、終末に便乗した怠け者で溢れているが、そこには興味深いゾンビ風のクリーチャーOD’dが存在する。このOD’dこそ、『Sunset Overdrive』流世界の終わりのもう一つの面なのだ。

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架空の大都市Sunset Cityは、FizzCoとして知られる超巨大企業によって経済的に支配されている(Smith氏によると、この都市はペンシルバニア州ハーシーと同じような企業都市なのだという)。FizzCoはOvercharge Delirium XTと呼ばれる「ホットな最新栄養ドリンク」を開発、その発売を祝うため、盛大なパーティーを開く。性別から服装まで細かくカスタマイズ可能な名も無き主人公は、パーティーの後片付けのためにFizzCoに雇われている。

その夜に判明したことだが、OD’dというのはOvercharge Delirium XTを飲みすぎた突然変異の人間であり、FizzCoは責任逃れの作り話をでっちあげたものの、栄養ドリンク新製品の発売という無害な行為の結果として、世界は崩壊を始めてしまう。その結果Sunset Cityは突如として隔離され、社会ルールは「一変」してしまう。プレーヤーの目的は街からの脱出だが、OD’dたち――そしてFizzCo社員をはじめとする人間の敵は言うまでもない――が立ちはだかるため、脱出はおろか生き残るだけでも精一杯だ。

この秋発売予定のXbox Oneタイトルであり、PlayStationハードウェアに登場しない初めてのInsomniacのコンソール・ゲームでもある『Sunset Overdrive』にいざ触れてみると、その一風変わった設定だけでなく、新鮮なプレー・スタイルも前面に浮かび上がってきた。『Sunset Overdrive』の設定は確かにユニークだが、数多くの他のゲームの片鱗も存在するのである。キャンペーンの一部をプレーしてみて、私は『Infamous』、『BioShock Infinite』、『Tony Hawk』、『Prince of Persia』、『Sly Cooper』そして『Dead Rising』からの影響(もしくは少なくとも類似点)に気付いた。

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『Sunset Overdrive』では、凄い速度での移動――開発チームは何度も「速度」と呼んだ――が全てだ。その辺をふらふら歩いていたら、OD’dたちに不意を突かれて瞬殺されてしまうだろう。そうならないため、プレーヤーは周辺環境を全て利用して、グラインドやジャンプ、飛び跳ね回りながら危険を避けていかなければならない。グラインド・レールに飛び乗って一気に加速すれば安全だろう。そうすることで、『Ratchet & Clank』風の武器で敵に狙いを付けることもできる。実際、本作はありきたりな移動をさせないため、走ることができないようになっているのである。カバーも無理。とにかくスピーディーに動き続けないと死んでしまうだろう。

面白いことに、私がプレーしたビルドでは、死には大きなペナルティが存在しないように思えた。操作体系に慣れるまでにかなり死んだのだが、多少財布が軽くなっただけで、毎回死ぬ前とほぼ変わらない状態で復活できた。とはいえ、傘をジャンプ台にしながら近くの屋上まで行ったり、奇妙奇天烈で凄い武器で敵を消し去りながら電線でスケートしたりといった大胆な探索ができたのも、死が軽いお陰だろう。ただ、オブジェクト間のジャンプがここまで引っ付かなければ良かったのだが。シームレスな移動を促進するための決断なのだろうが、明らかに明後日の方向にジャンプしているにもかかわらず、近くのオブジェクトをグラインドしていたりするのは馬鹿げて見えることがある。

武器と言えば、Insomniac Gamesには奇抜で時にコミカルな武器を生み出してきた誇り高き長い歴史――『Ratchet & Clank』や『Resistance』はその好例――があり、『Sunset Overdrive』も当然ながら例外ではない。プレーヤーは常に8種類の武器を同時に携帯可能で、実用的なものから超強力なものまで、ありとあらゆる種類が揃っている。通常武器となるAK-Fuckyouupはそれほど過激ではないかもしれないし、実際過激ではないんだろうが、それ以外の武器は全て・・・なんと言うか・・・まずはTNTeddyから始めよう。

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TNTeddyはグレネード・ランチャーだが、お馴染みの爆発物を発射するのではなく、TNTeddyはダイナマイト付きのテディベアを発射するのである。そしてCaptain Ahabは、単体の敵に破壊的ダメージを与えるもり打ち銃だ。アナログ・レコードを鋭い刃のように発射するHigh Fidelityなんてのもあるし、ピストルが付いたオモチャのヘリコプターHover Turretや、花火を武器化したRoman Candleなんてのもある。各武器は残弾数に縛られているが、マガジンごとにリロードする必要はない。新しい武器は、キャンペーン中に見つけたり、ゲーム内ストアで購入できる。

このようなコミカルなアプローチが『Sunset Overdrive』の陽気さを増しており、本作はそれ無しでは機能しないではないかと思わせるほど。ありがたいことに、Insomniacは武器アップグレードで『Ratchet』や『Resistance』のレベル・システムとは異なるアプローチを取っており、特殊な成分を混ぜ合わせることで、より強力かつスピーディーなぶっ飛んだ武器を作れるようになるAmpsと呼ばれるシステムを採用している。『Final Fantasy VII』のマテリア・システムがOvercharge Delirium XTを飲みすぎたような感じだ。

面白いことに、『Sunset Overdrive』のあらゆる行動――武器から移動手段まで――は、スタイル・メーターによって重みが増している。スタイル・メーターは画面上部に目立つ格好で表示されており、クールでスタイリッシュな行動を取るたびに上がっていく。レールからレールへとグラインドをし続けて地面に触れなければメーターは上がっていく。そこにヘッドショットを織り交ぜたり、大爆発で大量のOD’dを吹き飛ばしたりすれば、メーターは一気に上昇するだろう。スタイル・メーターが全てを結び付けているため、よりクールで素早い、破壊力満点のアクションを披露したくなるはずだ。

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『Sunset Overdrive』のクエスト・システムは、典型的なオープンワールド風のようだ。例えば『Grand Theft Auto V』のように、物語を追うメイン部分があって、その周辺に豊富な無関係なお遊びが散りばめられている。私がプレーした物語部分はというと、電波塔に登ってOD’dの大群と戦い、最後には宙を浮遊する巨大なFizzCoマスコットと一戦を交えることとなった。この巨大な青い風船は戦闘中でもひっきりなしに軽口を叩き続けるし、その強力な攻撃から逃れるためには、銃撃戦だけでなくグラインドやジャンプを多用しなければならないのも楽しい。

一方、サイド・クエストはというと、スカル・アイコンを探索中に街の特定エリアに足を踏み入れた時に発動した。一旦発動すると、様々な種類のミッションが解除される。打撃武器で路地に設置されたテレビを破壊するミッションや、時間制限内に街の様々な場所に爆弾を届けるミッション、そして最後は、自分では取りに行かない引きこもりのオタク・コレクターのために、突然変異した人間から5冊のコミックを収集するミッションだ。

おっと、更に一つ付け加えておくと、Insomniacは『Sunset Overdrive』にKinect機能を実装する予定はないとのことだ。「このゲームは部屋を飛び回るのではなくコントローラー向けにデザインされているよ」とはMarcus Smith氏の弁。約束どおり、最高の世界の終わりはそれほど酷いものではないのかもしれない。

[ソース: IGN]

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  • カテゴリ: プレビュー タグ: Sunset Overdrive