2016年01月17日(日)00時12分

【インタビュー】ゲーム内容から課金の有無まで―『The Division』の全貌

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RPGとシューターを融合させたMMO『The Division』の全貌について、Ubisoft Massiveのクリエイティブ・ディレクターMagnus Jansen氏がロング・インタビューに応じている。

▼ あなたは『The Division』を「クラスの存在しないゲーム」と呼び、多くのMMOとの差別化を図っています。クラスという概念を避けた理由と、キャラクターの専門化に対するアプローチについて教えてください。

Magnus Jansen
我々が各プレーヤーに役割を演じてもらうことを望んでいるという点を、理解してもらうことが重要だ。スタッツを前提としたスキルやシステムを構築するにあたって、我々は当然ながら明確な役割――ヒーラーやアタッカー、サポート――を想定しているし、スナイパーや接近戦向けの兵士といった、シューターの戦術的な現実も取り入れているよ。

とはいえ、予め選択して変更ができないような、いわゆるクラスは望んでいないんだ。グループの中では、役割が極めて重要になってくる。分化するほどに実践的なグループになるんだ。1人やコミュニケーション無しの野良でプレーする場合は、他のプレーヤーのスキルを確認できるよう尽力している。臨機応変に対応できるようにね。勿論、ボイスチャットもある。役割やシナジーは重要だが、予め決められたクラスではないということだね。

▼ 私は屋外ではタンクの役割を演じ、屋内ではロードアウトを切り替えました。重機関銃から、ショットガンとショート・バーストのSMGへと切り替えたんです。本作はシューターであると同時にMMOで、銃撃戦がRPG風のスタッツと同じくらい重要だと感じました。

Magnus Jansen
サイドアームの他に、2つの武器スロットを用意しているのは、それが理由だよ。現実のプレー空間はゲームとは違うからね。つまり、ニューヨークの路上での遠距離戦から、即座に接近戦に切り替えることが可能なんだ。大抵のビデオゲームでは、接近戦が主体のダンジョンと、遠距離戦主体のミッションとが存在する。『The Division』は現実世界の空間を舞台としているので、そういったゲーム・デザインにおけるファンタジーにそぐわないんだ。ニューヨークに適したシステムにしなければならない。銃というのは自己表現の重要な一部なので、戦闘中ですら、いつでも再構成し直すことが可能なんだ。2種類のメイン武器を所持できるので、メニューを使う必要もない。手軽にロードアウトを切り替えることが可能なんだ。

▼ 『The Division』はマルチプレー・ゲームとしてデザインされているとはいえ、シングルプレー・ゲームとしてもプレーできるそうですが、仲間が排除されると一気に難易度が上がると感じました。シングルプレーは全体的に難易度が高いんでしょうか?

Magnus Jansen
それは、ゲームがまだ君をグループの一部だと考えているからなんだ。3人のプレーヤー向けに調整されたコンテンツということだね。当然ながら、プレー人数に応じてスタッツや数字、敵の行動もある程度までは変化するんだよ。ソロ・プレーヤーに故意に厳しくしたり、難易度を上げてやる気を喚起したりというようなことは、絶対にない。いかなる状況でも、グループの規模によって決定されるということだね。

私にとっては目的の問題だ。最高のシングルプレー・ゲームだと断言できるよ。協力プレーにしろ、Dark Zone内でのPvPにしろ、セーフ・ハウスの交流空間にしろ、我々はムチではなくアメを使って、プレーヤーをマルチプレーに誘導しているんだ。コントローラーをクリックするだけでグループを作ることができるし、グループに参加しなくても、他の誰かと一緒に行動することも可能なんだ。グループの一員でなくとも、Dark Zone内で誰かを蘇生させることはできるんだよ。

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▼ キャンペーンについてですが、ストーリー・モードの規模はどのくらいなんでしょうか?当然ながら、プレーヤーとしてはまずセーフ・ハウスを確保することになりますが、それによってそれぞれメディカル、テクニカル、セキュリティに関連した3種類のミッションがアンロックされます。その後のキャンペーンはどのくらいの規模なんでしょうか?

Magnus Jansen
メイン・キャンペーンでは、各ウイングに関連付けられたミッションが沢山収録されているよ。戦闘をメインとする、より直線的なジェットコースター体験が10以上のメイン・ミッションとして用意されていて、オープンワールド・ゲームでは重要な自由度とのバランスを取っている。

このオープンワールドは、好きなところに行くことができるが、これまでに育て上げてきたスキルやスタッツを試すために、明確なミッションに全力を傾けることも可能なんだ。キャンペーン・ミッションやサイド・ミッションとして我々が作り上げた体験の中で、真価を問うことができるんだよ。

▼ 全てのミッションがハード・モードでリプレー可能なんでしょうか?

Magnus Jansen
可能だよ。ハード・モードは、異なる報酬やより難易度の高いチャレンジに挑むためのものだ。生まれ付きの凄腕なら、最初からチャレンジすることもできる。最初から用意されているとはいえ、普通のプレーヤーがプレーするようなバランスにはなっていないんだ。後からプレーするためのものだよ。

▼ Dark Zoneはマップ上でかなりの割合を占めていますが、複数のゾーンに分割されてはいないんですか?

Magnus Jansen
マップ中央を縦断するエリアになっているが、マップの他の部分と同じように、難易度は決して均等ではないんだ。オープンワールドで難易度を上下させるようなことはしていない。オープンワールド・ゲームを作るに当たって決断しなければならないのは、超ハイエンドでクールな派閥のいる最高難易度のエリアに、自由に行き来できるようにするかどうかという点だ。本作では敵の強さを上下させることはないし、オープンワールド全般と同じように、Dark Zoneでもそういうことはやっていないんだ。南部から北部まで、地域毎に難易度が上下するんだよ。

クールなのは、レベルが一旦マックス――30が上限だ――になると、そのレベルに適した新しいコンテンツやチャレンジでDark Zoneが再配置されることだ。分割されていて北へ北へと進むのではなく、Dark Zone全体が再配置されるんだ。

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▼ レベル・キャップに達すると、難易度が跳ね上がるということでしょうか?

Magnus Jansen
かなり手強くなるし、勿論もっと優れた装備品を見つけたり、作成したりすることもできるよ。戦利品を見つけるほど、どんどん改善されていくんだ。レベル・キャップに達したからといって、それが天井ではないんだ。

▼ 装備品や改造パーツ、武器、アイテムが盛り沢山ですが、具体的な数は分かりますか?

Magnus Jansen
無理だよ!組み合わせに関してはほぼ無限だから、銃や改造パーツの具体的な総数は分からない。それぞれに属性があるからね。マズル・ブレーキにも、精度を増したり、反動を抑えるものなどが存在するんだ。

▼ 特定の武器専用ではなく、交換も可能なんでしょうか?アサルト・ライフルのグリップを、重機関銃に取り付けることができましたが。

Magnus Jansen
全てが交換可能というわけではないよ。リアリズムの面でも、アサルト・ライフルの弾倉をサイドアームに入れたりはしないんだ。改造パーツを見つけたら、それが小型武器かサイドアームか、よく見なければならない。全てがそうというわけではないが、一般的な武器クラスに当てはまることだ。スコープは大抵の武器に取り付けることができるよ。

▼ ルート・ドロップに関してですが、ランダム・ドロップでしか入手できなかったり、特定の承認から購入するしかないアイテムも存在するんでしょうか?

Magnus Jansen
そのような区分けも多少は存在する。プレー方法を制限するようなことはしたくないし、唯一のベストなやり方などは用意したくないんだ。ベスト中のベストな装備を手に入れたいなら、極めて入手が困難な部品を見付けて作成しなければならない。Dark Zoneでの激戦を勝ち抜いて発見できるものもあるし、Dark Zoneのセーフ・ルームで購入できるものもある。セーフ・ルームには他のエージェントがいて、Dark Zone内で取得する貨幣を使って取引をするんだ。Dark Zone限定の特殊な市場ということだね。つまり、ベストな装備を手に入れる方法は、決して一つではないということだ。

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▼ 私がプレーした4時間の間には、作成要素を見る機会がありませんでした。それは私が余所見をしていたからではなく、改造パーツやスキル、スタッツなどが盛り沢山で、序盤に全てを把握するのは大変だったからなんです。

Magnus Jansen
巨大なゲームであることは確かだ。とんでもなく奥が深い。全てのプレーヤーが同時に全てを理解することに固執してしまうと、大きな困難に遭遇することになる。開発者としては、2時間プレーすれば誰もがゲームを隅々まで理解するようなゲームを作ることは即座に諦めたよ。それだと、何時間もチュートリアルをプレーすることになってしまう。

そうではなく、プレーヤーに飛び込んでもらいたいんだ。戦闘は楽しいだろうか?スキルの使用や、遮蔽物でのカバー、敵の一掃ができるようになった?残りは、自分のペースで発見していくことができるんだ。

プレーヤーを導くアイコンなども存在するし、全く作成システムを利用していないプレーヤーがいたら、ロード画面でヒントを表示するといったシステムもある。ロード画面のヒントは頭が良いので、自分のプレー・スタイルに無関係な情報を大量に見せられることもないんだ。

▼ 無料のアップデートを定期的に配信するそうですが、発売後は毎日のプレーを推奨するデイリー/ウィークリーのチャレンジなども存在するんでしょうか?

Magnus Jansen
具体的なタイミングに関しては分からない。言葉を濁しているのは、エンドゲームやDLC、アップデートのコンテンツに関しては、あえて話さないようにしているからなんだ。最初から盛り沢山のゲームなので、まずはそこに集中したい。端的に言うと、発売後もプレーヤーを長期に亘って飽きさせないようにするつもりだよ。

▼ 小額課金は含まれているんでしょうか?有料DLCがあることは判明していますが。

Magnus Jansen
プレーヤーがゲームを気に入って、アイテム課金を望むのであれば嬉しいので、検討したのは確かだ。しかし、いわゆる小額課金は取り入れていない。より優れた装備品やレア・アイテムを買ったり、勝つために課金することはできないんだ。端的に答えると、本作に小額課金は取り入れていないということだ。

DLCはリリースする予定だ。ようやく本編が完成しつつある段階なので、DLCはまだ存在しないが、今後我々がDLCを発表した時に、「課金しないと言ったじゃないか」とは言われたくないだけなんだ。

ソース: VG247

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