『Ashes of Ariandel』には独創性が欠けているが、『Dark Souls III』を凝縮することで補っている。Sister Friedeとの決闘はDKCのハイライトで、『Dark Souls』のボス戦らしくいつまでも脳裏に残る――彼女は、Abyss WatchersやDancer of the Boreal Valleyに匹敵するだろう。『Ashes of Ariandel』は『Dark Souls III』の無難な追加コンテンツではあるものの、目前に迫る死の危険性は、新たな実用的装備品や未知のルートの発見と同じくらい現実的なのである。ただ、本編のそれと同じくらい印象的なエリアや、伝承を掘り下げる啓示的場面は期待しないこと。
『Dark Souls III』を骨までしゃぶりつくしたか、喉から手が出るほどPvPを渇望していない限り、『Ashes of Ariandel』は必要ないだろう。リソースを分割したせいでどちらも中途半端になってしまった感は否めないものの、それでも十分楽しませてくれるだけの試練と驚きが詰まっている。『ゲーム・オブ・ジ・イヤー』版が楽しみだ。
『Ashes of Ariandel』は決して本編から質が落ちているわけではなく、単に独自性が欠如しているだけだ。本編に存在する極上のメカニックや洗練を求めるなら、十分すぎるほど期待に応えてくれる。しかし、このDLCに導入された新しいアイデアは、そのポテンシャルを発揮しているとは到底思えない。一部の戦闘は素晴らしいが、雑な実験に感じられる箇所もある。From Softwareは流れに身を任せることを選択したようだ。確かにその方が無難ではあるが、私のようなプレーヤーは物足りなさを感じてしまうのだ。
『Dark Souls III: Ashes of Ariandel』は、短いが充実した体験だ。これまでの印象的な戦いに匹敵するボス戦が最低一つは登場するし、魅力的な舞台設定は僅か5年前にリリースされたゲームへの郷愁を誘う。素晴らしい新武器やスペルも登場するし、PvPアリーナも華麗な復活を果たしている。残念ながら、『Ashes of Ariandel』には問題もある。前述したように、本作はクリアまでに要する3時間と幾つかの探索ルートという、短い内容だ。世界自体も中途半端に感じられ、「町」は大きめの農場のようだし、崖の近道はそれぞれが比較的近くに点在している。Nordic Vikingsや凍り付いたEntsといった素晴らしい新種の敵も登場するが、狼は犬の見た目を変えただけだし、カニは氷の要素を足しただけで中身は何も変わらない。そうした問題点もあるが、我々の期待に応え、古くからのファンに対する目配せを散りばめた『Ashes of Ariandel』は、それでも『Dark Souls III』プレーヤーならプレーする価値のある出来だ。