2017年10月01日(日)15時01分

The Chinese Room創設者が語る活動休止の意図と今後

デビュー作『Dear Esther』と数々の賞を受賞した『Everybody’s Gone to the Rapture』の2作品でウォーキング・シミュレーターという新ジャンルを代表するインディ・スタジオとなったThe Chinese Roomが先日、創設者夫婦のDan Pinchbeck氏とJessica Curr氏を残し、およそ10人ほどの全スタッフをレイオフ。実質的な活動休止状態となった。

この決断について、Pinchbeck氏がその意図と今後を語っている。

Dan Pinchbeck
スタジオ運営は本当に金を食うんだ。当時は11人か12人在籍していたが、毎月3万5000ポンドから4万ポンドが消えていくから、かなりの金額だね。ランニング・コストが非常に高く付くんだよ。

ウォーキング・シミュから卒業することを望んでいたPinchbeck氏は、より伝統的で野心的な新作の開発に着手。しかし、彼らにウォーキング・シミュを期待するパブリッシャーから契約を引き出すことは、これまでのところできていない。

Dan Pinchbeck
ウォーキング・シミュやストーリー物はもうやり尽したよ。我々は、より複雑でスケールの大きな作品を作りたかった。そうしたゲームは交渉に時間がかかるものだが、プロジェクトを完成させたばかりで、毎月4万ポンド近い運営費を浪費しながらでは、非常に困難なんだ。交渉にはおよそ半年を要することが分かっているし、その間はお金が入ってこないからね。

The Chinese Roomは、GoogleのVR向けプロジェクト『So Let Us Melt』をリリースしたばかりで、現在は『Little Orpheus』とサバイバル・ホラー『13th Interior』の2作品が控えている。

Dan Pinchbeck
熟考した結果、『13th』の開発を継続する場合、ちゃんと形になるまでの間は、2人だけで十分だろうと判断したんだ。『Little Orpheus』のパブリッシャーも探したいが、それには数か月かかるだろう。それに、その間も開発チームを維持して仕事を続けるだけの資本が我々にはない。

そこで、辛い判断ではあるものの、スタジオの長期的な将来を見据えて、縮小することにしたわけだ。

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スタッフ全員をレイオフするのは極めて困難な決断だったと振り返るPinchbeck氏は、彼らがスムーズに再就職できるよう尽力。その結果、一部スタッフはStudio GoBoやMedia Moleculeに再就職を果たしている。

Dan Pinchbeck
本当に困難な決断だった。選択肢は二つあった。たとえそのせいで開発の最終段階がストレスの溜まるものになったとしても、プロジェクトが終わる前に通達することで、次の仕事を見つけるために時間的な余裕を可能な限り稼いであげること。もしくは、自分にとってより楽な方法、つまりゲームを出荷した翌日に通達することだ。因みに、これは決して珍しいことじゃない。

2年以下の雇用の場合は、法的義務が発生しない。文字通り、今日でクビだと通達できる。だから、多くの開発サイクルが2年以下なんだよ。しかし、我々はそんなやり方は望んでいなかった。

そこで我々は、開発が終了する6週間前にレイオフを通達した。それから、思いつく限りの地元のスタジオに電話やメールで、この素晴らしいチームのことを伝えたんだ。即座に面接を実施してもらうことができ、今ではほぼ全員が再就職できている。お陰でだいぶ気分が楽になったよ。

本当に最悪だ。長期的な生き残りをかけて、短期的には酷いことをしなければならないポジションに追い込まれることもある。一旦潰れてしまった、それで終わりだからね。そこから復活することは極めて困難なんだ。

ソース: Eurogamer

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