2009年03月15日(日)18時18分

【コラム】賛否を巻き起こすデジタル販売の価格設定

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ダウンロード・コンテンツなどのデジタル販売が一般化した昨今、その価格帯に関する議論が時折起こっています。こうした現状に関し、IGNがコラムを掲載しています。

ダウンロード・コンテンツは、ゲームの経済構造において極めて重要なものとなっている。PCのパブリッシャーは、特定のタイトルにゲーマーを固定させるやり方をかなり昔に会得しているが、家庭用機においては新たな領域なのだ。ダウンロード・ゲームは現代の消費者の要求を満たしているし、ダウンロード楽曲が小売チェーン店を廃れさせた音楽業界をも追い越している。Liveマーケットプレースで何か面白いものを見付けたら、ものの数分でプレー出来るのだ。

パブリッシャーはアドオン・コンテンツが大好き。ゲーマーのフランチャイズに対する忠誠心を増すポテンシャルを秘めているからだ。ダウンロード・コンテンツを配信すると約束しておけば、すぐにクリアして売りに行かれずに済む。それに、開発サイクルの合間にちょっとした小遣い稼ぎも出来るわけだ。勿論、配給元に負担をかけない収入源にもなるから、Microsoftはダウンロード・コンテンツが大好きだ。

だが、ダウンロード・コンテンツはまるで開拓時代のよう。ダウンロード・ゲームとアドオン・コンテンツの価格設定は、物によって不釣合い過ぎるのだ。Watchmen: The End is NighとGTA IV: The Lost and Damnedはどちらもエピソード・コンテンツで、前者は続編が約束された新作ゲームであり、後者は発売済みのパッケージ・ソフトと対を成す新キャンペーンを提供している。どちらも価格は20ドルだが、実際の価値のギャップは計り知れない。Watchmenは3時間のオフライン・ゲームで、リプレー性は皆無。The Lost and Damnedは12時間のキャンペーンに、豊富なマルチプレーが付随している。これは、Watchmenはボッタクリなのか、それともThe Lost and Damnedが超お得なだけなのか?多くのゲーマーが、その答えを見つけられない。恐らく、その中間だろう。

lost61.jpgGTA IV: The Lost and Damned

The Lost and Damnedは、フル・プライスのパッケージ・ソフトとしても充分なコンテンツを収録している。20ドルという価格がダウンロード・コンテンツとしては高価だとしても、バーゲンだ。Watchmenの価値の低さは、多くの面で質の低いゲーム・デザインのせいだ。半値のダウンロード・ゲームよりも貧弱なフィーチャーしか収録していないが、ビジュアルの質はあらゆるダウンロード・ゲームを凌駕している。20ドルの価値はないかもしれないが、その価格設定はそれほど法外というわけでもない。

問題の大部分は、初期購入層を引き込むために、最初の1年に配信されたLiveアーケードが競争的価格設定であった事だ。10ドルが新作ゲームの標準価格で、5ドルが旧作の移植や安価な新作の価格だという事が受け入れられた。高品質のゲームの天井価格は15ドルほどで、Braidがその好例だ。それを超えると、ゲーマーは文句を言い始めるだろう。だが重要なのは、価格に見合った品質である事だ。一度プレーすれば、もう誰もBraidの価格に文句を言わないだろうし、Death Tankの15ドルがボッタクリである事は誰もが分かっている。

アドオン・コンテンツに関しては、質よりも付加的な価値の意味合いが強い。追加マップやゲーム・モード、ボーナス・キャラクターなどは、殆どの人間が5ドルの価値しかないと見ている。Mass EffectのBring Down the Skyのような、短いキャンペーンのアドオンでさえ、5ドルなのだ。中身の濃い追加キャンペーンやマルチプレー・オプションのように、更に内容を豊富にすれば、10ドルを喜んで払うだろう。これ以上のものを提供するゲームは殆どないが、RockstarのThe Lost and Damnedがその先駆けとなるかも知れない。もしそうなら、標準価格は20ドルに設定された事になる。

braid2.jpgBraid

ダウンロード・ゲームとアドオン・コンテンツ両方の問題は、あまりに多くのゲームが、消費者が受け入れる標準価格を破っている事だ。Prince of Persiaはキャンペーンに僅か2時間を追加するだけでそれ以外には何もないのだから、5ドルを期待するだろう。だが、UbisoftはPrince of Persia: Epilogueに10ドルを付けた。BethesdaはEdler Scrolls IV: Oblivionで、ゲーム内では何の価値もない、馬に装着するアーマーに5ドルを要求した。最悪なのは恐らくナムコで、終わり無きACE COMBAT 6のアドオン(総数は70を超える)は、総額で12700ポイント(ほぼ160ドルだ)に達した。

これは、一律で59.99ドルという価格のパッケージ・ソフトとは対照的だ。周辺機器が必要なゲームだけがこれ以上の価格であり、バーゲン価格のソフトも中にはある。そうした例外はありつつも、パブリッシャーとMicrosoftにはパッケージ・ソフトは60ドルという合意がある。同じようなものがダウンロード・コンテンツにも必要だ。消費者が容易に理解出来る何かが必要なのだ。マップ・パックではなく、何が拡張パックなのか?3つのマップの標準価格とは?Liveアーケード・タイトルの最終価格はどのように決定されるのか?

意味不明な価格構造は、ゲーマーにとって不公平である。5ドル、10ドル、20ドルで何が買えるのか、知る術は何もない。殆どの場合、目隠しをしてジャンプするようなもの。Microsoftは、消費者がダウンロード・コンテンツに背を向ける前に、価格設定をコントロールすべきだ。ゲーマーが投資をしたいと感じてのみ、ゲームの未来になりえるのだから。

[ソース: IGN]

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