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2009年05月13日 (水) 【PS3, Xbox360】

Red Dead Redemption ロング・インタビュー #1

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広大な西部を舞台にした箱庭アクションRed Dead Redemption。IGNによるRockstarのDan Houser氏のロング・インタビューを、前後編に分けてお送りします。

広大で息を呑むようなGrand Theft Autoの大都市から、控えめながらもチャーミングなBullyのキャンパスまで、Rockstarは過去に数多くのオープン・ワールドを生み出してきた。だが、Red Dead Redemptionのようなものは初めて。車や人込みで溢れかえるストリートは一切登場しないのだ。その代わり、プレーヤーの目の前には20世紀初頭のアメリカとメキシコのとてつもなく広大な荒野が広がっている。このバーチャル空間を可能な限り魅力的で面白いものにするため、Rockstarには幾つか興味深いアイディアがあるようだ。

我々は今回、このユニークなオープンワールド西部劇の開発を牽引するRockstarの共同設立者/取締役Dan Houser氏に話を聞く事が出来た。

Redemptionのアイディアは、部分的に完成していた前作Red Dead RevolverをRockstarがカプコンから買い上げる以前から存在していた。Revolverでは、Rockstarは最終的な仕上げを行っただけで、核となる部分はHouser氏の言う「Rockstarデザイン」ではなかった。

Dan Houser: 根本的に、Rockstarのゲームというプレー感覚がするものではなかった。

Redemptionには、既存のデザインに捉われない自由がある。

Dan Houser: 前作でベストだと感じたメカニックはキープしていますが、我々が本気で取組む時は、我々自身が本当に作りたいと思うゲームを作り上げるんですよ。

本作の開発には、Rockstarのサンディエゴ・スタジオ、Grand Theft Autoチームのコア・メンバー、そしてRockstarリーズの面々があたっている。

Dan Houser: 現在のRockstarの構成は2003年に出来上がっていて、今も大体同じスタジオ構成です。03年以降に幾つかのスタジオを追加し、昨年になってようやく統一した形で機能し始めました。一方では才能溢れるチームが開発を続け、もう一方では専門家が手助けをし、会社としてのノウハウを活かして、似たようなオープン・ワールド・ゲームの技術やデザインの観点から、可能な限りミスを失くすようにしているわけです。

Redemptionの開発を進める最終的な決定は、今世代の家庭用機が登場した際に台頭し始めた技術が深く関係しているという。

Dan Houser: ちょうど開発機器や360、PS3のスペックの噂が耳に入り始めた頃、新しいハードウェアで何をやりたいのか考え始めたんです。どうしてもやりたかった事の1つが、美しく描写された田舎町が登場するゲーム。広大で開かれた素晴らしい風景を作り出すのは、PS2では極めて難しい事ですからね。幾つかのゲームで挑戦しましたが、GTAの都市部に匹敵するような物は作れませんでした。

開発の当初Rockstarは、 大きく様変わりしたRedemptionの構造にRevolverのどの要素がフィットするかを決めなければならなかった。

Dan Houser: Deadeyeのメカニックはお気に入りで、当時にしては非常に良く出来たと思っています。それをキープして、西部劇というテーマも勿論ですが、それ以外には何もないと思いますよ。Read Dead Revolverというのは結局、顔に傷のあるカウボーイ、インディアン、物語を繋ぐ印象的な舞台設定というような、旧西部の神話というかイメージが全てであって。我々がRed Dead Redemptionで目指したのは、もっと現実味を感じられる旧西部で・・・物語的には前作とは何の接点もありませんよ。

Red Dead Redemptionには、プレーヤーがキャンペーンを通して操作する事になる新キャラクター、John Marstonが登場する。

Dan Houser: 彼は元銀行強盗でギャングの一員で、その後普通の環境で家族を養うためにその世界から足を洗ったんですが、結局は無理矢理その世界に引きずり戻され、かつてのギャング仲間を探し出す羽目に陥るんです。ゲームをプレーしていくと、主人公の背景や家族との生活、探し出す事になる人物たち、主人公との関係性、主人公と彼らの間に何があったのか、といった事が明らかになっていきます。ネタバレをする事になってしまうのでこれ以上は明かせませんが、この主人公は、自らの人生を変えようと努力し、数年間は成功したかに見えるんですが、結局は人生を変えるなど不可能だという事を悟るんですよ。

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Marstonが世界へと足を踏み入れると、そこには20世紀になろうかというアメリカ南部とメキシコ北部を舞台とする広大な荒野が広がっている。

Dan Houser: 3つのマップが存在します。最初はFrontier(開拓地)と呼ばれるエリアで、ここは郡というか州というか地域で、近代化の波を受けていない最後の地域の1つなんです。電報の柱があちこちにあって、人々はオフィスで巨大な電話をいじったりしてる。一方で、そうした近代化を一切目にしていない人々も多い。列車は登場してからしばらく経っているもののまだ原始的なもので、未だに無法地帯で警察は存在せず、保安官がいるような状態です。その後、メキシコの内戦中の地域に赴く事となり、過剰に熱狂的な政治指導者や、反乱軍の指導者、アメリカとの国境沿いに身を隠す人々などに出会う事になります。そして、最終的にはマップの北東部分に辿り着くんです。ここは、砂漠中心の他のマップとは違って、ヤシの木など緑が豊富な地域で、山々やより近代化された大都市などがあるんです。最後には近代的な世界が目前に広がるというわけですね。

Rockstarが構築中のゲーム世界は広大なものになる予定で、同社が手掛けたものの中でも最大だという。Redemptionを目標通りのゲームにするためには、これほどのスケールを実現する事が不可欠だ。

Dan Houser: このスケール感、広大なエリアを馬で駆け抜け、マップの隅々まで探索する感覚も、銃撃戦と同じくらいゲームの重要な部分であり、物語やアドベンチャーの一部なんです。美しい景色を眺め、自分の足で発見をし、その広大さを肌で感じる。あそこにも行けるんじゃないか、あの丘の向こうには何があるんだろう、と数マイル先までを眺める。それこそが、このゲームの美しさであり、楽しさなんです。

それだけの空間を面白いコンテンツで埋め尽くすというのは、Rockstarにとってユニークなチャレンジとなった。

Dan Houser: それこそ、開発の大部分を占めていると思います。物語とそれを牽引するミッションを盛り込むのは当然の事として、学校や都市を舞台にしたゲームに存在した要素抜きに、この田舎環境を使ってどうすれば楽しいゲームに出来るのか、どうすればその部分を強みに変える事が出来るのか。そこがデザイン・プロセスの大部分を占めていたんです。ナイスでワイルドな田舎環境を作り上げましたが、これが実際の田舎環境だとしたら実に恐ろしいですね。野生動物やワイルドなキャラクターたちのような、非常に沢山の事が有機的に発生していくんですよ。常に何かが起こっていて、観察したり関わったりする事が出来るんです。

プレーヤーが探索していると、NPCが強盗を働いているところに野生のクーガーが襲い掛かるなんて光景に出くわす事もあり、Rockstarによるとこうした事例が無数に用意され、ゲーム世界に命とリアリティを吹き込んでいるのだという。

Dan Houser: トリガーによって発生するという感じはしませんよ。同じような相互干渉には2度とお目にかかれない事もあります。常にプレーヤーを驚かせたいし、都会のゲームと同じように、世界に興味を持たせたいんです。

こうした状況が発生した時、Rockstarはプレーヤーに報酬を追求する選択肢を与えたいと思っている。悪者になるのか、英雄になるのか。そしてその選択が、周囲がMarstonを見る目にどう影響するのか。

Dan Houser: 自らが関わるかを選ぶ事が出来、関わる事を選択した場合、どう関わっていくのか。行動を達成し、報酬を受け取ると、それが好感度に影響してくるんです。強盗をして回れば、懸賞金をかけられる事になり、旅がキツいものになるでしょう。あまりに常軌を逸した行動ばかり取っていると、ミッション自体が始まらない事もあるんですよ。暴れまわってばかりいたら、直後に保安官の依頼を受けるなんて馬鹿げてますからね。敵対心が下がるまで待たなければいけないんです。

本作は明らかに、ステージ制でユーモラスな西部劇といった趣だったRed Dead Revolverよりも、野心的で巨大なプロジェクトだ。Redemptionの全体的なデザインは明らかとなったが、全体のトーンはどうなのだろうか?映画や小説など、ネタ元には事欠かないが、Rockstarはどこからインスピレーションを受けたのだろうか?

Dan Houser: 大袈裟で過剰にシリアスなものにはしたくありませんでした。アメリカの西部が持っていた狂気を、リアルに表現したかったんです。「ワイルド・バンチ」のトーンは素晴らしく、あれに近づければ光栄ですね。シリアスではあっても、憂鬱なゲームにはしたくなかった。バーグマンの映画じゃありませんからね。登場人物たちは人生の意味などをジッと考えるような連中じゃなく、成り上がるための方法を企む無法者たちなんです。風変わりなものじゃなく・・・生々しくて活気のある作品ですね。と同時に、原始的な開拓時代の西部と、近代化しつつあり、現代社会に非常に似た20世紀初頭のアメリカ、この2つが出会う光景というのは非常に非現実的なんです。その点にフォーカスを当てる事に最も興味があり、それを捉えたかったんですよ。

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空気感をビデオゲームに盛り込むというのは、小説や映画とは全く違ったプロセスになる。Houser氏が説明してくれた。

Dan Houser: 空気感を捉えるのは、ゲームの方が映画よりも実は簡単なんですよ。その土地の空気を表現するのは、映画よりもゲームの方が楽ですね。ビデオゲームの性質というのは、プレーヤーがその空間を探索するわけですが、映画の場合は連続する画像が目の前を流れていくというものです。様々なエリアからなる世界全体を満たすために、我々はゆっくりとトーンや雰囲気を与えていくんです。まぁ、必ずしも映画よりも楽というわけじゃないかもしれませんが、これは我々が得意としている事なんです。楽しいですしね。土地全体、建物、通行人、NPC、彼らの服装、振る舞い、会話の内容、電話を巡るやり取り、今では馬鹿馬鹿しいと分かっている想像上のテクノロジーに関する会話、そういったもの全てを通して、全体の空気感を決定付けているわけです。単なる古典的なカウボーイ体験というだけじゃなく、終末を向かえつつある古典的なカウボーイの時代のものなんですよね。

本作はGrand Theft Autoシリーズではないが、オープン・ワールドやミッション構造には数多くの類似点が見受けられる。

Dan Houser: GTAで学んだ事が多くの要素に反映されているし、影響がない振りをしても無意味です。GTAでの経験や知識が本作に生かされるというのは最高ですよ。一方で、本作はGTAとは全く違ったゲームで、全く異なったチャレンジに挑戦したし、トーンも異なったものに仕上がる事を願っていますよ。GTAでは想像も出来ないような事が、数多く登場するんです。馬や駅馬車に乗ったり、投げ縄を使ったり、動物をハンティングしたり、舞台設定がGTAとは全然別物なんです。

Grand Theft Autoから選び抜かれた断片に様々な新要素を融合させていくのと同時に、Rockstarは過去の西部劇ゲームを見渡して、数多くの改善点を見出したそうだ。

Dan Houser: 物凄い昔、非常に面白い西部劇のテキスト・ゲームがあったんですが、それ以降は西部劇という題材に見合った作品は殆どありませんでした。他の人たちの作品を批判するつもりはありませんよ。今までそうした作品が生まれなかった理由は、開発者の能力が低かったからではなく、単純に技術が存在しなかったからです。美しい世界環境を描写出来なかったし、投げ縄なども技術的に非常に難しいんです。アニメーションや必要とされる稼動部分の量だけを見ても、一見すると簡単そうですが今になって初めてああいうものを実現するパワーを得る事が出来たんですよ。6頭の馬が引く駅馬車をそれらしく見えるように動かし、プレーヤーに好きな場所に行く自由を与えるというのは、あらゆる人間がこれまでに何度となく映画などで見てきた光景なんですが、これをゲームで実現するとなると、技術的に不可能だったんです。これまでの西部劇ゲームの弱点というのは、例えば銃撃戦だったり、カードゲームだったり、西部劇の1つの要素だけを再現する事は出来ても、完全な西部劇体験を作り出す事が出来なかったという点に尽きると思います。

Houser氏はここでギアを入れ替え、西部劇映画が何故かつての勢いを失ってしまったのかを語ってくれた。

Dan Houser: 素晴らしい西部劇があまりに数多く作られてしまっていて、ポジティブだったりネガティブだったり、安っぽかったりシニカルだったり、考えうるあらゆるバージョンが存在し、この20〜30年間で映画にインパクトを与えた技術的な革命を、西部劇は一切必要としなかったわけです。スタントは本物の人間が駅馬車に飛び乗ったり、馬から飛び降りたりする。これらは西部劇のために生み出されたもので、現代の映画で使用されている技術やコンピューターでは改善出来ないものです。ゲームの観点から見ると、どっちも真実ではない。現在我々が手にした技術のお陰で、我々が作りたいと思っていた世界やゲームが可能になったし、願わくば物語もゲームの物語として面白いものになっていると良いですね。

1つの懸念は、西部劇というのはビデオゲーム市場ではあまり成功していない点だ。

Dan Houser: 西部劇のゲームは売れないと多くの人間が言いたがるし、ゲーム業界全体がビジネス・アナリスト振りたがるし、あらゆるビジネス・アナリストがゲーム・デザイナーになりたがるように見えるんですが、ゲーム自体は、その限界を考慮しても私は良く売れたと思ってます。Revolverは我々にとって成功した作品で、満足しています。でなければ、続編を正当化出来ませんからね。同時に、我々は常に自分たちを前進させなければいけないし、「今何が売れるのか?宇宙海兵隊が出てくるゲームが人気で、ゾンビも人気だからゾンビの宇宙海兵隊をやろう」なんて事は、我々が決して取らない方法なんです。我々は常に新しい事を心掛けてるし、同じ事を何度もやらずに、常に少しでも違った事をやり続けるんです。西部劇を見るのと同じくらい、ワシントンに保管された写真のアーカイブをリサーチするのに費やしました。本当に興味深く、今までゲームでは上手く表現された事がない分野でした。ですから、我々にとっては作る価値がある作品だった。ただ市場を見渡して、売れているものを予測してゲームを作るなんて事は出来ないんです。我々のやり方ではないんですよ。

Rockstar特有のバーチャル空間を構築するにあたって、キーとなる独特のライフ・サイクルや感覚を備えたユニークな世界を広げプレーヤーに届ける事に関する見通しに、Houser氏は興奮を隠せない。

Dan Houser: GTA 3では、プレーヤーが最初に車を奪った瞬間、誰かが他人の車を奪うところを見た瞬間、プレーヤーから独立した所でこの世界が生きていると感じさせるという意味で、非常にパワフルな瞬間なんです。これはBullyでも同じで、風紀委員が誰かを捕まえる様子をまず目にする。私が覚えているのは・・・ゲームに命が吹き込まれる事に気付いたし、凄くシックリ来るんですよね。誰かの背中に「蹴って」と書いた紙を貼ると、他のNPCが駆け寄って蹴っ飛ばすんです。些細な事に見えるかもしれませんが、当時としては大変な事で、GTAや我々が手掛けた他のオープン・ワールド・ゲームには馴染まないものだったんです。本作にはそうした事例が沢山あるんです。誰かが強盗をしていると、熊が現れて食ってしまう。そういう変な事件を目にするのは最高に楽しいですよ。

続きは後編にて。

[ソース: IGN]





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