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2010年02月09日 (火) 【PS3, Xbox360】

BioWareが語る、Mass EffectとDragon Ageのゲーム・デザイン

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BioWareのRay Muzyka氏がIGNの取材に応じ、発売されたばかりのMass Effect 2や、昨年末に発売され高い評価を受けたDragon Age: Origin、そしてBioWareの今後などについて語っています。

▼ Mass Effect 2は極めて高い評価を受けていて、まだ1月にもかかわらず、既にゲーム・オブ・ザ・イヤーの候補だと言う声もあります。どんな気分ですか?

Ray Muzyka: とても嬉しいよ。最高のゲームを作ろうと開発チームは全力を尽くしたから、絶賛してくれるレビューなどを読んでとても満足しているんだ。商業的にもとてもよく売れていて、予約も非常に多く我々の予測を上回っているよ。最高の気分だ。

我々のスタジオでは、謙遜の気持ちを大事にしている。物事を冷静に分析する傾向があるんだ。常に未来を見据えていて、次回作をいかにより優れたゲームにするかという事を考えているんだ。チームは既に次回作に取り掛かっていて、どうすればより大きく、より優れた作品に出来るか考えているところだよ。それが我々のやり方なんだ。我々は長年、評価の面でも商業的な面でも成功を収めてきたけど、Mass Effect 2は間違いなく最高傑作だ。Dragon Ageを出した時には、これが最高傑作だと思っていたから、次回作には再び我々の最高傑作になって欲しいんだ。

▼ Mass Effectシリーズは今後どこに向かうんでしょう?

Ray Muzyka: Mass Effectフランチャイズの最初の3作品は、常にトリロジーにする事を考えてきた。これはフランチャイズだから、3作目で終了という事はないよ。Commander Shepherdとして銀河を駆け巡るという、このトリロジーの物語は常に頭にあった。そういう意味では、デティールやフィーチャー、ゲームプレーに関しては、反応を見てより柔軟に対応するという形なんだ。だから、最初の製品はトリロジーになると常に言い続けてきた。その先の事は、成り行き次第だよ。

『RPG要素は一見すると薄まったように見えるけど、プレーし続けていくと、これまでとは違う形で存在している事に気付くんだ』

▼ Mass Effect 2では、シューター要素により焦点が当てられていますが、BioWareの伝統的なRPGファンたちを遠ざけてしまう事になるんじゃないかという懸念はありませんでしたか?

Ray Muzyka: RPG要素はちゃんと存在するよ。RPG要素は一見すると薄まったように見えるけど、プレーし続けていくと、これまでとは違う形で存在している事に気付くんだ。だから、多くのレビューはとても興味深くて、正確だと思うよ。例えば、ミッションに出かける時にはラックから武器を取る事が出来るし、もはやキャラクターとも言える宇宙船自体も成長させる事が可能になっている。最後の戦いで生き残る確立をアップさせるために、リサーチをして船を改善していくんだ。これも成長メカニックの一つだし、充実した奥深いものになっているよ。

更に、新たな戦術や能力が多く加わっていて、全てコマンド・ウィールに集約されているんだ。インベントリー管理システムではなく、アーマーや容姿を変更出来る自室も存在する。弾薬などもコマンド・ウィールに集約されているから、戦闘中に弾薬の種類を戦術的に即座に変更出来るようになっている。

全体を通して、感情的な関わり合いも重要な要素の一つだ。これがあるからこそ、ゲームが人間的な本物らしさを持つ事が出来ているんだよ。感情のレベルでのエンターテイメントは普遍的なものだから、より幅広い客層に届けたいんだ。

奥深さは存在するけれど、その形が異なっているんだよ。それによって、幅広い客層に受け入れられやすいゲームになっていると同時に、コアなファンにも満足してもらえるゲームになっていると思う。コアなシューターのファンとコアなRPGのファンがいると思うけど、そんな彼らの多くが成長メカニックやキャラクターを改善していくシステムを楽しんでくれたと思うし、もしかしたら彼らが興味を持つタイプのゲームの幅が広がるかもしれないし、こういう成長メカニックが一般的になるかもしれない。

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▼ Mass Effect 2はアクション要素に重点が置かれていますが、ああいうスタイルのゲームをまた作ってみたいとは思いませんか?例えばMDK 3のような・・・?

Ray Muzyka: それはInterplayが版権を持ってるから、彼らに聞くべきだよ。MDK 2は楽しいプロジェクトだった。多くの事を学んだよ。実際、Mass Effect 2のメンバーの多くがMDK 2に関わったんだ。エグゼクティブ・プロデューサーのCasey Hudsonは、BioWareに入社したての頃MDKのアーティストだったんだよ。

▼ Baldur’s Gateはどうなってるんですか?Citadelの土産屋でBooを見かけましたが・・・。

Ray Muzyka: おっと、あれはただのスペース・ハムスターだよ。Booの兄弟さ。それに、Atariに聞いてくれないとね。版権を持っているのは彼らだから。

▼ 版権を所有してこなかったという経験が、BioWare独自のフランチャイズを作ろうという方向に向かわせたんですか?

Ray Muzyka: ある意味ではね。例えばDraon Ageは、ファンタジーの新たな解釈だ。ハイ・ファンタジーと違って、ダーク・ヒーローのファンタジーだから、今までと少し違う。それに、ペン&ペーパーのシステムをビデオゲームに置き換えるというんじゃなく、何よりもまずコンピューター・ゲームのRPGとしてデザインされたルール・システムになっている。その二つが重要な要素なんだ。ダーク・ヒーローのファンタジーであると同時に、なによりもまずビデオゲーム、CRPGのシステムにのっとったルール・システムを築きたかった。

▼ Mass Effectのようなオリジナル・フランチャイズの場合、ユニバースの構築にはどのくらいの時間を費やすものなんですか?Mass Effectのプロダクション・バイブルはどのくらい巨大なんですか?

Ray Muzyka: かなりの大きさだよ。2003年KOTORを出した頃、Mass Effect 1を作り始めたんだ。デザイナーやアーティストなどのチームが半年から1年かけて、コンセプトや世界を構築し、デザインやキャラクターを繰り返し見返し、ユニバースの時間軸や歴史を作っていった。そこで完成したバイブルが、Mass Effectフランチャイズにおける全てのゲームで使用されるんだ。だから、プレーヤーの目に触れる部分は極僅かだけど、残りの部分は水面に隠れていて、全体の世界観に重みや真実味、奥深さを加味している。でも、将来には様々な製品でそれらを使用する事になるだろうね。

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▼ どの程度、ゲームを問題提起の場として見ていますか?例えばMass Effect 1には中絶を扱ったサイド・クエストがあったし、Dragon Ageの実質的なテーマは、異なる文化の衝突、人種差別といったコンセプトですよね。

Ray Muzyka: 問題提起の場として見ているとは思わないな。現実世界には、そうした問題が世界中に存在する。結果が伴う選択を迫られる瞬間、本物で真実味があると感じられる瞬間。そういった、道徳的に難しい決断を迫られるような瞬間を作り出すチャンスが存在するんだ。クエストを構築する時、そうした事柄を参考にしているよ。論争を巻き起こそうと考えているわけではなく、現実世界に実際に存在する問題を取り上げているだけなんだ。共感しやすいからね。道徳的なレベルでやりがいがあるし、興味深いよ。別に声明を出そうとしてるわけじゃないけど、無意識にそうなってしまったとしたら、それはゲームがアートであるという事を表しているに過ぎないんだ。

▼ 男のShepardにゲイの恋愛というのは存在するんですか?Dragon Ageでゲイの恋愛が含まれていた事に関しては、ここIGNではポジティブな反応が多かったんですが。Mass Effectにはレズビアンの恋愛は含まれていても、ゲイはありませんでしたよね。

『論争を巻き起こそうと考えているわけではなく、現実世界に実際に存在する問題を取り上げているだけなんだ』

Ray Muzyka: 全く違うゲームなんだ。Dragon Ageは1人称のストーリーテリングを採用していて、プレーヤーはそのキャラクターを演じる事になる。根本的に、プレーヤーが主人公になる。ゲイなどのコンセプトも含め、キャラクターを定義していくというのが根本的にあるわけだ。Mass Effectは3人称のストーリーテリングで、性別を問わず、ある程度明確なキャラクターが既に存在する。かといって完全に開かれた選択の基盤があるというわけじゃなく、明確なキャラクター像による戦術レベルでの選択に近い。異なったタイプのストーリーテリングで、これは意図的なものだよ。

どちらのアプローチが優れているとかそういうわけではないんだ。Jade EmpireやKOTOR、Baldur’s Gateなどの過去のゲーム、それ以前のゲーム、そして今後のゲームでは、そうした選択を可能にしている。Mass Effectの場合は、特定のアプローチや世界観を持った、明確なShepardというキャラクターが存在するんだ。だから選択肢はある程度制限しているが、より戦術的な選択、より奥深く豊かな個性を可能にしている。一人のキャラクターを定義付ける事に焦点を当てていて、開かれたものではない。でもそれは、あえてそうしているんだ。

1人称バーサス3人称のストーリーテリングという事だ。明確なキャラクター像であれ、開かれたキャラクターであれ、それに関連した選択肢の様々なタイプだよ。我々のゲームにはより開かれたものもあれば、限定されたものもあって、今後もその両方を続けていくだろうね。

▼ ゲームにおけるモラル・システムに関してはどういう意見をお持ちですか?今後はどのように進化していくんでしょう?曖昧なDragon Ageのようなシステムか、数字で明確に示されるMass Effectのようなシステムか。

Ray Muzyka: Dragon Ageのシステムは仲間個人をベースとしたもので、各個人独特の基準で主人公を判断してくるようになっている。キャラクターは十人十色だから、主人公を好きになるキャラクターもいれば、主人公の行動に左右されないキャラクターもいるんだ。連れて行くキャラクターによって、その仲間がプレーヤーの決断に口を挟んできて、「好き/嫌い」のメーターがそれに応じて上下する。現実と同じだよ。君が何か私の嫌いな事をしたら、君に対する見方がそれに応じて変化する、というわけだ。

我々は常に何かしら新しい事を試みているよ。Mass Effect 2のシステムは、両極端な「プラス・マイナス」のMass Effect 1のシステムとも異なっている。Mass Effect 2は「プラス・プラス」で、現実世界と同じように、同時にParagonとRenegadeになれるんだ。Dragon Ageのシステムも異なっていて、仲間たちが様々な見方をしてくる。道徳上の選択や善と悪の世界観を我々が見るように、様々なシステムに挑戦しているんだよ。Baldur’s Gateの頃はもっとシンプルだったと思うし、D&Dライセンスにより忠実だった。Mass Effectにも異なったシステムがあり、Mass Effect 2はそのシステムを洗練させたもので、更にDragon Ageは我々が作った事のあるシステムとは全く似ていないものになっている。どのシステムも興味深いシステムだよ。

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▼ Mordinがギルバート・オサリバンを歌ったり、Citadelのゲーム売りなど、本作にはユーモア溢れるシーンが幾つかありますが、ゲームにおけるユーモアの重要性をどう考えていますか?

Ray Muzyka: ユーモアを上手くやるのは難しいんだ。コメディ・ゲームじゃなく、ユーモアのあるゲームを作っているわけだからね。ペース配分の一部で、一風変わった場面を盛り込もうとしているんだ。感情的な場面や全体のストーリーの中にユーモアをまぶして、ペースや感情的緊迫感に変化を付けているんだよ。

▼ BioWareは発売から6年間もNeverwinter Nightsをサポートし続けましたが、今世代のゲームに関してはどんな予定が?

Ray Muzyka: 長くサポートして行きたいと思っている。ファンはとても大切だから、サポートし続けたいんだ。Dragon AgeとMass Effectの両方に長期的なプランがあるよ。実際、フランチャイズ・チームの中の個別のチームが、平行して取り掛かっているんだ。メンバーはあっちとこっちを行ったり来たりだけど、Dragon AgeとMass Effectのダウンロード・コンテンツには専用のチームを設けてあるから、長期的にサポートしていくつもりだ。単体の製品や拡張パックなども含まれるよ。

▼ BioWareの将来は?

Ray Muzyka: このアートと業界を進歩させ続けて行きたいと考えている。それに、我々の最高傑作はまだこれから生まれると思っているよ。それが楽しむ秘訣だ。あらゆる面で限界に挑戦して、革新的な事をやろうとしている。凝り固まった事はやりたくないんだ。もっと成長出来ると考えてるし、Mas Effect 2は素晴らしい作品だけど、まだまだ改善の余地はあるんだ。ファンや批評家からのフィードバックを基にしてね。まだフィードバックを整理していないから、どうすれば改善出来るのか明確にはなっていないけど、ファンやプレスの意見をより理解出来たら、しっかり心に刻むつもりだよ。

[ソース: IGN]





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