2010年02月26日(金)10時50分

Metro 2033を脳裏に焼き付けておくべき5つの理由

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IGNが「Metro 2033を脳裏に焼き付けておくべき5つの理由」と題したプレビュー記事を掲載しています。

来月、爆弾が振りそそぎ、我々は逃げ出す。THQのホラー・シューターMetro 2033には、Modern Warfare 2やGod of War IIIのような派手さは無いかもしれない。だが、宣伝キャンペーンは必ずしもゲームの質の物差しにはならないのだ。Metro 2033には、サプライズ・ヒットになる要素が全て揃っている。昨年末にモスクワで初めてプレーして以来、しばらく本作を目にする事はなかったが、幾つかの理由から本作の事が頭から離れなかった。正確には理由は5つある。そこで、本作を脳裏に焼き付けておくべき5つの理由をお送りしよう。

本を原作にしたゲームというのは最高のトレンド

Metro 2033は版権物だが、原作は映画やテレビではない。小説、それも非常に人気の高い小説が原作なのだ。ディミトリ・グルホフスキーの「Metro 2033」はロシアでヒット作となり、英語を含む数ヶ国語に翻訳されている。ダークなSFアドベンチャーは、核戦争後の未来を描いている。モスクワの生存者たちは、地下に張り巡らされた地下鉄トンネルへと追いやられ、そこで彼らは放射能によって誕生したクリーチャーと戦いながら、都市の役割を果たすようになった各駅の間で、デリケートな交渉を続けていかねばならないのだ。

本が原作のビデオゲーム?このトレンドなら私も支持できる。最近では、未だに息を呑むような壮大な詩「神曲」を、Electronic Artsが血みどろのゲームに仕立て上げたばかり。その作品の完成度はともかく、彼らが良い文学の趣味をしている事だけは否定出来ないだろう。Metro 2033は「神曲」では決してないが、文学のストーリーテリングをビデオゲーム向けに脚色するというのは、そこにビジュアルが存在しないため、とんでもないポテンシャルを秘めていると言える。

力強いストーリーテリング

これは前項にも絡んでくるが、物語主導のHeavy Rainから壮大なDragon Age: Originsまで、最近のビデオゲームではストーリーテリングが主役を張るようになっている。原作の存在のお陰で、Metro 2033にはアクションを引っ張る力強いストーリーテリングが存在する。様々な駅に点在する人々や、核戦争後の冷え切った世界の事を深く知っていくのだ。素晴らしいゲームプレーを支える最高のストーリーテリングによって没入感も格段に上がり、キャラクターへの感情移入がしやすくなると同時に、彼らのモチベーションはプレーヤーのそれとなる。Metro 2033の主人公であるArtyomがしっかりと描かれ、プレーヤーが共感出来るようなキャラクターになっていれば、彼のサバイバルにより深く関わっていく事が出来るだろう。

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だが、ビデオゲームを次のレベルに押し上げる優れたストーリーテリングも良いが、演出過多になってしまうのは良くない。ビデオゲームとしての魅力を保つため、会話と銃撃の丁度良いバランスをMetro 2033は実現する必要があるだろう。昨年末にMetro 2033の初期バージョンをプレーした時の懸念が正にそれで、スクリプト演出のせいで思ったほど探索が出来なかったのだ。この問題点は、Metro 2033に注目すべき次の理由、舞台設定と密接に関わってくる。舞台設定がモスクワの地下という極めて魅力的な場所である時、あちこち探索したくなるのだ。

モスクワの地下は素晴らしい舞台設定

Metro 2033の舞台は、広大なモスクワの地下鉄。着工した1931年はもとより、現在でも驚異的と言える偉業だ。全部で180の駅と12の路線があり、2003年に完成した最新路線によって、この地下鉄プロジェクトは、実に70年に及ぶ一大プロジェクトとなった。この場所がどれだけホラー・シューターに最適なのかを身を持って実感出来るという事もあり、荘厳で歴史があり、能率的なこのモスクワ地下鉄を、もっと多くの人が体験すべきだ。モスクワ地下鉄がもたらす閉所恐怖症的感覚というのは、歩くべきでない何かと一緒に暗闇に閉じ込められた時の恐怖感を盛り立ててくれる。

だが、モンスターだらけのトンネルで全ての時間を過ごすというわけではない。防護マスクを身に付けて、勇気を出して地上に出なくてはならないのだ。西側に開かれて数十年が経過したとはいえ、モスクワは今でも非常に異質な場所だ。多くの北米のゲーマーは、レーガン時代の映画やCall of Dutyのロシア・キャンペーンで見た事があるだろう。ソビエト連邦の崩壊によって西洋化した(モスクワにはかなりの数のマクドナルドが存在する)とはいえ、冷戦時代を思い起こさせる遺物が数多く残されている。核兵器によって崩壊したソビエト時代の建造物からは、在りし日の面影が垣間見れる。80年代に育ったゲーマーにとっては、未だに背筋が凍るような光景だ。

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銃弾が貨幣

Metro 2033の世界では、現金には殆ど何の価値もない。その代わり、銃弾にプレミアが付いている。中でも、戦争前に製造された銃弾は特に高値が付いているのだ。質が高く、威力も大きい。だが、地下でより優れた武器を手に入れるには、物々交換するしか手はなく、正に究極の選択が待っている。危険な状況で敵に使用するため、強力な銃弾を保持しておくか?それとも、貯金をしておいて優れた装備に費やし、貧弱な銃弾で我慢するか?いつ製造されたかに関わらず、銃弾自体非常に貴重な存在なので、決して無駄遣いは出来ないという事も忘れてはならない。

この経済システムはつまり、発砲する前にしっかりと考えなければいけないという事を意味している。トンネルの先を急ぎ、やたら銃を撃ちまくっていては、一文無しになるだけでなく、死が待っている。

4A Gamesがもたらす真実味

1や0はユニバーサルな言語だが、それらを束ねる開発者の個人的な感性が反映され、その感性は育った土地柄の影響が色濃く出るものだ。塊魂を見て「これは日本からしか出てこないな」と思う事に、差別意識などないのだ。

本作を開発した4A Gamesは、ウクライナの首都キエフに居を構えている。多くの社員は、S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobylを手掛けたGSC Game Worldの元社員たちだ。ウクライナには原発事故が起きたチェルノブイリがあり、その事故では広島の400倍もの放射性物質が拡散したと言われている。そのような悲劇的な事故が起きた国に住んでいると、その影響を受けずにはいられない。だからこそ、人々をモスクワの地下へと追いやった架空の核戦争を、4A Gamesがどのように描いているのか、非常に興味深いのだ。原作にも洞察は含まれているが、このゲームには他国のデベロッパーが決して成し得ない形で、チェルノブイリの遺産が盛り込まれていると期待している。そこには真実味が存在する。真実味こそ、殆どのゲームに欠けている物だ。

[ソース: IGN]

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  • カテゴリ: プレビュー タグ: Metro 2033