2010年03月26日(金)12時20分

Red Dead Redemption プレビュー - 荒野へ

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Red Dead Redemptionの真の主人公とも言える西部の荒野はいかにして完成したのか。IGNによるプレビュー記事を。

初の西部劇ゲームの日が落ちた直後には、Rockstarとサンディエゴ・スタジオは続編に取り掛かっていた。Red Dead Revolverよりも大きなスケールになるだけでなく、Rockstar史上最も野心的なゲームになる可能性があったのだ。彼らが作ろうとしたのは、Red Dead Revolverが確立した西部劇の世界観を、オープン・ワールドに置き換えたもの。Revolverから滲み出ていた西部劇感覚とオープン・ワールド・ゲームの組み合わせに、Grand Theft Auto IVが持ち込んだ正確な描写を融合させたRed Dead Redemptionは、そこそこ受け入れられたシューターの続編以上の作品に仕上がっている。オープン・ワールド・ジャンルの次のステップにほかならない。

Dan Houser: 仮に続編や西部劇のゲームを作るとしたら、我々が作りたかったゲームを作ろうと考えていた。我々にとってエキサイティングだったのは、極めてタイトなシューティング・メカニックを、壮大な田園風景を舞台としたオープン・ワールドに持ち込む事だった。一番最初のミーティングの時から、目標は正にそれだったんだ。

Red Dead Redemptionの最もエキサイティングな要素の一つが、この荒野にある。Grand Theft Auto: San Andreasを多くのゲーマーにとっての最高傑作たらしめた壮大なスケール感を、復活させようというのだ。Nikoの憂鬱な物語が必要としたGTA IVの制限された遊び場を批判した者たちは、その懐疑心がRed Dead Redemptionの平原に洗い流されるのに気付くだろう。本作に登場するNew Austin、West Elizabeth、Nuevo Paraisoという3つのエリアは、正にGTA IVに欠けていたと多くの者が感じているものを提供してくれる。

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荒野にオープン・ワールド・ジャンルを持ち込むには、単に大きくするだけでは済まない。Xbox 360とPS3の更なる馬力はつまり、自然のままの広大な土地に命を吹き込む事が、更なる問題を表面化させる事を意味していた。Red Dead Redemptionが直面した技術的チャレンジを、Houser氏は「コンピューターは直線しか描けない」とシンプルに表現する。

Dan Houser: 曲線が描けないんだけど、自然というのは曲線が全てなんだ。田園風景よりも、宇宙基地とか大都市をリアルに描く方が遥かに簡単だよ。自然というのは丸みを帯びた表面だらけだし、テクスチャの種類も膨大で、光も様々な振る舞いを見せる。これをリアルに見せるのはとにかく困難で、これまで誰もチャレンジした事がないんだ。

本当に美しい仕上がりになったから、結果には100%満足しているよ。世界の一部であると感じられるような幅広い環境、首尾一貫していながらもバラエティに富み、驚異的なまでに美しく、思った通りの振る舞いを見せてくれる。そういう世界を作る事に成功したんだ。

結果は見ての通り。Red Dead Redemptionはひたすら豪華で、GTA IVとMidnight Club: Los Angelesの驚異的な実績を超越し、RAGEエンジンが都市と田園風景を同じように扱える事を証明している。Liberty Cityの高層ビルやLAのダウンタウンの喧騒といったクッションのないRed Dead RedemptionではRAGEへの要求はそれだけ高くなるが、RAGEはその要求に見事に応え、ゴージャスな遠景描写による、極めて美しい息を呑むような風景を実現している。

Dan Houser: 美しくて、埃の粒子が舞い上がり、雲の隙間から光が差し込む。そういう環境を作れるようになったんだ。これまでは、巨大なマップだと単純に不可能だった。狭くてあまり干渉出来ない環境でなら可能だったかもしれないけど、それだと西部という感じがしなくなってしまう。西部と聞くと、その住人たちと同時にその土地を思い浮かべるだろう。その土地を完璧に仕上げる事が、360とPS3以前は不可能だったんだ。

オープン・ワールドというジャンルを西部に持ち込む際、そこには技術面以上の問題が存在した。これは、Red Dead Redemptionの開発がある程度進んでから発覚したものだ。GTA IVの豪勢な骨組みの上にゲームを組み立てるという誘惑は理解出来るものだが、初期段階に出来上がったものは、それほど居心地の良いものではなかった。

Dan Houser: 都市には人々がいて、沢山の車があり、ヒステリーにも似た空気が漂っていて、それをゲームプレーにも徐々に浸透させていく事が出来た。本作でも、それをテンポの良い連続したミッションや様々なカウボーイ体験に置き換える事が出来る自信はあったけど、ゲームが形になるにつれ、広大な荒野の問題点は空っぽな事にあると気付いたんだ。

その解決策は、文字通り野生に命を吹き込むエコ・システム。旧西部の生態系を再現し、時にはプレーヤーの目の前で牙をむく、食物連鎖を作り上げる事だ。新しい試みではあるが、どこか安心感を感じさせる。GTAの新作が出るたびに、プレーヤーは狂ったように市民を追いかけて、バットやナイフを激しく振り回す事になるが、Red Dead Redemptionでは、不安げなウサギを追い回し、生皮を剥ぐために茂みを走り回るのだ。

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Dan Houser: ゲーム開発にチャレンジは付き物だが、本作では可能な限りの自由をプレーヤーに与えるゲームにしたいと望んでいる。プレーの仕方、何に干渉するのか、何をするのか、好きなように行動出来る自由だ。

本作では、過去のRockstar作品のどれよりも明確に、そうした意識がゲームの根底に流れていて、GTAのハイライトとなってきたスクリプトに頼らない瞬間を生み出してくれる。Rockstarの過去のオープン・ワールド・ゲームから引き継いだ華やかさが本作にはあるのだ。荒野に足を運べば、強盗から誘拐まで、様々な犯罪が起きている。そこに割り込んでどちらかの味方をする事は勿論可能だが、本作では新たな選択肢もある。高みの見物を決め込んで、自然が介入するのを待つのだ。熊が登場してパーティーをぶち壊したり、コヨーテの群れが犯人を襲撃したりといった、素晴らしく驚くべき事が起きる事もある。

明らかにGTAの土台の上に成り立っている本作を、GTA 1910と呼びたくなる騒動に駆られた事はないのだろうか。

Dan Houser: 我々は常に野心的だし、常に最高のゲームを作ろうと限界に挑戦してきた。駄作はない事を願っているよ。このゲームには、我が社のトップの才能が多く関わっている。Rockstarノースの最高の人材が手を貸しているんだ。3Dの全てのGTAでアートやプロデュースを担当してきたLeslieとAaronも、当然ながら深く関わっている。それ以外にも、社内の専門家が多数参加しているから、本作は当然我々にとって次の大作という位置付けだ。

決して錯覚をしてるわけではなく、我々は本作が革新的で進歩的だと信じているし、とても誇りに思っている。でも同時に、これはGTAではなくRed Dead Redemptionであって、それも誇りに思っているよ。

Red Dead Redemptionは、確実に一人立ち出来る作品だ。GTA次回作の情報を探している者は、今すぐ捜索を打ち切るべきだろう。オープン・ワールドというジャンルの未来は、すぐそこに迫っているのだ。

[ソース: IGN]