2010年05月05日(水)17時28分

Infinity Ward騒動がCall of Dutyフランチャイズに与える影響とは

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ActivisionがInfinity Wardのトップ2人を解雇した事から始まった一連の騒動は、Call of Dutyの将来にどんな影響を及ぼすのだろうか?Gamasutraがアナリストやゲーマーの意見を聞いています。

ActivisionがModern Warfareの生みの親であるInfinity Wardのトップ2人を解雇して以来、ビデオゲーム関連のウェブサイトや掲示板はメルトダウン状態。

世界最大のビデオゲーム・パブリッシャーが、Call of Duty: Modern Warfare 2で親会社に10億ドルを超える売り上げをもたらしたJason West氏とVince Zampella氏のクビを切ったのだ。現在のInfinity Ward周辺には、複数の訴訟や社員の離脱などの揉め事が渦巻いている。

トップ2人の解雇に続いて、Infinity Wardでは既に約4分の1の社員が離脱し、残留した社員たちは未払いのボーナスやロイヤリティを求め、Activisionを相手取り訴訟を起こしている。ActivisionがInfinity Wardを閉鎖するのではないかという噂まで持ち上がるほどだ。

だが現時点で、Infinity Wardという名前が消滅したとしても、それがどれほど重要なのだろうか?Call of Dutyフランチャイズにとってどういう意味を持つのか?一般的なゲーマー、そして一般的なCall of Dutyファンは、今回の騒動の事を気にかけているのだろうか?我々はアナリスト、ゲーマー、小売店に話を聞いた。

尊厳死?

社員の離脱に続いてInfinity Wardが閉鎖されるのではないかという推測を最初に公にしたアナリストのMike Hickey氏は、スタジオを尊厳死させる事が、Activisionと残留したInfinity Ward社員両者にとっての利益になると語る。

Mike Hickey: スタジオを再び軌道に載せるためのより効果的なやり方は、残留した社員自身に自らの将来を決めさせ、新スタジオとしての自己を確立させる事だ。Infinity Wardの過去の栄光を再現させるのではなくてね。

社員の大量離脱によってスタジオはショックを受け、Infinity Ward内に残ったクリエイティブ・カルチャーを破壊してしまったように見える。

だが、誰もがInfinity Wardが近く閉鎖されるという見方に賛同しているわけではない。アナリストTodd Greenwald氏は言う。

Todd Greenwald: まだ不確定要素は多いが、我々は今のところInfinity Wardが閉鎖されるとは思っていない。Activisionはスタジオを存続させると信じている。例え名前だけの存在であったとしてもね。

Modern Warfare 2発売後の騒動の印象が付いて回るInfinity Wardが重荷になった場合、Activisionはスタジオの名前を変える事になるだろう。

同氏は、確実に発売されるであろうModern Warfare 3は、誰が作る事になろうとも、1000万本以上は「軽く」売り上げるだろうと加えた。

アナリストのMichael Pachter氏は、スタジオが閉鎖されるだろうとするHickey氏の予測を「過剰にメロドラマ過ぎる」としたが、一連の騒動はActivisionが意図したよりも遥かに大事になってしまった事は認めている。

ActivisionとInfinity Wardのイザコザは、Activisionの株価にまで影響を及ぼすまでに発展した。

Michael Pachter: 常に社員との諍いが絶えない悪の帝国にActivisionが変貌してしまった、と投資家たちは信じているように見える。

この騒動はCall of Dutyを汚してしまったのか?

Infinity Wardには巨大なファン・ベースが存在する。数百万に及ぶCall of Duty購買層の中には、現在Infinity Wardが置かれている状況を把握しているコア層がいる。彼らは、Treyarchが隔年でCall of Dutyを作っている事を知っているし、Infinity Wardがオリジネーターである事も知っている。こうしたグループはCall of Dutyフランチャイズの将来に懸念を示し、そのパブリッシャーであるActivisionに幻滅している。

ミルウォーキーの大学院生John Vanderhoef氏は言う。

John Vanderhoef: 正直言うと、ActivisionがVinceとJasonをクビにした後、Modern Warfare 2を売ってBad Company 2を買ったよ。

あるシアトルのゲーマーは言う。

言わせてもらえれば、ActivisionはWalmartレベルに落ちたよ。つまり、もう連中のゲームもダウンロード・コンテンツも一切買わないって事。

とはいえ、例外もあるようだ。

でもゲームがとんでもなく凄ければ、中古で買わせてもらうよ。

LucasArtsのリード・ゲームプレー・デザイナーDavid Eckelberry氏は、ActivisionとInfinity Wardの関係が崩壊した事は、彼のCall of Dutyフランチャイズへの見方に何の影響も及ぼさないと語る。だが、Call of Dutyの将来に関しては懐疑的だという。

David Eckelberry: Call of Duty次回作の質に関しては、様子を見た方が良いだろう。でも正直、決めるのは一般大衆だよ。Modern Warfare 3でも何でもいいけど、その新作を360のフレンド・リストの全員がプレーしてたら、俺も加わるだろうね。

ゲーム・ジャーナリストのJason Dobson氏は、しばらく様子を見るようだ。

Jason Dobson: アートとアーティストは分けて考えたい。Call of Dutyの次回作に関しては、実際にプレーするまで判断は控えるよ。

ウェブサイトPopmattersのゲーム評論家L.B. Jeffries氏は、今回の諍いはむしろ好都合かもしれないと語る。

L.B. Jeffries: Modern Warfare 2は、方向性を誤った傲慢な酷い作品だ。このフランチャイズには新しい担い手が必要だったし、Infinity Wardには新しいプロジェクトが必要だったんだ。

インディアナ州のローカル・ゲーム・チェーン店McVanに勤めるJeff Cary氏は言う。

Jeff Cary: 気にする人間は殆どいないだろうね。複数のスタジオがCall of Dutyを作ってるなんて知ってる人は少ないから。デベロッパーなんて、俺みたいなゲームオタクだけしか気にしないよ。Activisionは質の高いCall of Dutyを毎年出すだけで良いんだ。それで一般大衆はハッピーだよ。

アナリストTodd Greenwald氏も同意見のようだ。

Todd Greenwald: 今回の騒動が18ヵ月後にも影響しているかなんて、誰にも分からない。それに、Call of Dutyフランチャイズはハードコア・ゲーマーの枠を遥かに超えた、一般市場における巨大ブランドだ。Call of Duty購入層の殆どは、Vince ZampellaやJason Westが誰かなんて知りもしない。

アナリストColin Sebastian氏は言う。

Colin Sebastian: 殆どの消費者は、どのタイトルをどのデベロッパーが作っているかなんて気にしていないと思うよ。

ActivisionとInfinity Wardとの間のイザコザでCall of Dutyフランチャイズへの見方は変わったかどうか尋ねられたゲーマーのTohon Mink氏は、多くのCall of Dutyファンの意見を代表する返答を返してくれた。

Tohon Mink: イザコザって?

騒動以後

Infinity Wardであろうとなかろうと、ActivisionがCall of Dutyフランチャイズを何らかの形で継続していくのは明白だ。TreyarchによるCall of Duty最新作のようなパッケージ・リリース以外にも、Activisionはシリーズを課金制のマルチプレー・ゲームに移行させるのではないかとアナリストPachter氏は言う。

ActivisionのCEO、Bobby Kotick氏は2008年の段階で既に、Call of DutyのMMO化はフランチャイズの自然な進化であると語っている。

Michael Pachter: Activisionは課金制を推し進め、West氏とZampella氏はそれに反対だった。それが解雇に繋がったんだ。2年後には、Activisionは課金性を導入するだろうと考えている。それにより、Call of Dutyフランチャイズの年間収益は、減少ではなく増加するだろう。

アナリストDoug Creutz氏は言う。

Doug Creutz: 既にフランチャイズは「確立」されたんだ。革新性よりも実行力がものを言う。この業界では、人材は常に移動するものだ。商品をしっかり管理する事が鍵となるだろう。

[ソース: Gamasutra]

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