2010年05月17日(月)01時27分

Red Dead Redemption インタビュー - 馬

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Rockstarサンディエゴでアート・ディレクターを務めるJosh Boss氏にGameSpotがインタビュー。Red Dead Redemptionの影の主役でもある馬の開発過程について語っています。

▼ メインの移動手段は当然ながら馬ですが、ゲーム体験全体にとって、馬はどれほどの重要性を持っているんですか?

Josh Bass: アメリカ西部を描くなら、馬と馬を乗りこなす人々がいないと始まらないんだ。全体の体験に欠かせないものだったけど、ここまで上手く描き切ったゲームは存在しなかったから、最初はとても不安だったよ。メインの移動手段であるという事に加えて、馬は西部劇を最も象徴する野生動物だからね。可能な限り馬の容姿や動きを再現する事が不可欠だった。

必要とされるレベルのリアリズムを実現するには、リサーチとディテールに富んだモーション・キャプチャー、RockstarのRAGEエンジン、Natural Motion社のEuphoriaテクノロジー、そして今までは人間のキャラクターにしか使用した事のない、高度なフェイシャル・アニメーションが求められた。Red Dead Redemptionに登場する馬は、ビデオゲーム史上最も現実的で真実味があり、美しい馬に仕上がったと信じているよ。乗り回すのも楽しいんだ。

『Red Dead Redemptionに登場する馬は、ビデオゲーム史上最も現実的で真実味があり、美しい馬に仕上がったと信じているよ』

▼ 馬のどの品種を登場させるか、どうやって決めたんですか?

Josh Bass: 西部のスピリットを捉えていて、荒野で出会った時に違いに気付くような、豊富な種類の馬を収録したかったんだ。ゲーム中の馬のモデリングに関しては、我々のリサーチ・チームがベースとするのに理想的な馬はムスタングだと決めたんだ。歴史的にも矛盾のない野生の馬だよ。ムスタングは、解剖学的にも最高のテンプレートになってくれた。現実的でビジュアル的にも適切に見える、馬の正確な寸法が必要だったからね。

次に、異なった外皮や構造を持つ、様々な品種の馬を作り上げた。バックスキン、パロミノ、ピントを選んだけど、フリージアンやアパルーサのような象徴的な品種も登場させる事にしたんだ。各品種を差別化するため、個別のマーキングも施されている。外皮やたてがみ、尻尾の色にバラエティを持たせているよ。構造にも力を入れていて、栄養失調でやせ細った馬から、持久力のある美しい筋肉質の馬までを作り上げた。

手綱や鞍、馬具、あぶみのような細かな部分までをも、リサーチして組み込んでいる。ゲーム中の馬を近くからよく見ると、野生の馬には蹄鉄が付いていないのが見えるんだ。野生の馬を手なずけようとする時は、プレーヤーの投げ縄を手綱代わりにしてはだか馬に乗らなければならないんだ。

勿論、ロバも登場するよ。控えめな気分の時専用さ。

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▼ アニメーションに関してはどうですか?本物の馬のモーション・キャプチャーをしたんですか?

Josh Bass: 勿論だよ。それ自体、一種のアドベンチャーだった。使用したのは、ハリウッドで長年スタントを担当してきたBlancoという名前の馬だ。Blancoのオーナーは昔気質のカウボーイで、我々の誰よりもBlancoの方がスタジオでの経験は豊富だと言われたんだけど、実際その通りだったんだ。Blancoは完璧なまでのプロフェッショナルで、こっちの言う通りの動きをしてくれたし、必要な動きを全て記録する事が出来た。踏み車にBlancoを乗せる必要はなかったけど、動きを捉えるために体中にマーカーをつけなければならなかった。

最初に、最高のデータを記録するためにはどこにマーカーを付けるべきかを考えた。その問題が解決すると、すぐに撮影に入ったんだ。マーカーが落ちてしまったら、すぐに付け直したりしてね。1テイクごとに、文字通り何十ものマーカーを拾って体に接着し直さねばならなかったんだ。どこから剥がれたのかも把握する必要が合ったよ。

モーション・キャプチャーが終わったら、馬の動体と臀部をモデリングする作業に入った。3人称視点の場合、プレーヤーが最も目にする事になる部分だからね。それから、馬の色々な動きや歩き方といった、特定の動きを作り始めたんだ。実際の馬や写真、フィルムなどをリサーチし、モーション・キャプチャーの結果も加えて、止まった状態、歩いている状態、早足の状態、駆けている状態、そしてギャロップと、5つの一般的な状況に動きを分類して、ゲーム中に再現していった。

メインの移動手段として、そして西部のあらゆる要素を象徴する動物として、馬はあらゆる場面で現実的な動き方をする必要があるんだ。人間に手なずけられている馬や野生の馬、岩肌や山、急勾配を登る場合など、全て考慮しなければならない。

馬には優雅さが不可欠だったけど、同時にゆっくりとした足取りからもっと大きなアグレッシブな走りへと、滑らかに移行するようにしなければならなかった。Red Dead Redemptionでは、野生の馬を追いかけて飛び乗り、たてがみに掴まって手なずける事が出来る。その時のアグレッシブな動きは、強さや怒り、恐怖を表現出来ていないと駄目なんだ。野生動物がそれらしく見えるようでないとね。

『完成までに何年も掛かったけど、結果として目を見張るようなものが出来上がったから、努力の甲斐があったよ』

▼ ゲーム中の馬は当然乗るために登場するわけですが、人間と触れ合う馬を表現するためにどんな事をしましたか?

Josh Bass: 真実味のある西部劇体験を作り出す上で、人間と馬の自然な関わり合いを再現する事が重要だった。プレーヤーの動きが、馬の歩きに合わせて反応しなければならないからね。立ち上がったり、振り落とされる時も同じだ。

馬と騎手を同時にキャプチャーする事が不可欠だったから、プロのスタントマン兼俳優であると同時に、乗馬に長けている人間を雇って、モーション・キャプチャーに臨んだ。彼はBlancoに乗った事はなかったけど、すぐに絆が生まれたよ。Blancoのオーナーが、どうすれば言う事を聞くのか彼に教えてから、撮影に入ったんだ。

撮影には問題がなかったわけではないんだ。サウンド・ステージで撮影をしていたんだけど、スタッフ同士でコミュニケーションを取るためのジェスチャーが幾つかあったんだ。我々は知らなかったんだけど、ジェスチャーの内の1つが、Blancoに立ち上がるよう指示する動作と同じだったんだ。騎手が乗っていたら最悪だったよ。撮影中に何度か間違って立ち上がるよう指示してしまった事があって、それはそれで偶発的に素晴らしいショットを撮る事が出来たけど、いつそうなるか分からないから、スタントマンは不満そうだったね。演技中に急にBlancoが立ち上がるもんだから、彼は必死でしがみついていたよ。でも素晴らしい映像が撮れたから、我々にとってはラッキーだった。スタントマンが経験豊富じゃなかったら、放り出されて大怪我をしていたところだよ。実際にそういうシーンを撮影する代わりに、Natural MotionのEuphoria物理システムと我が社のRAGE物理エンジンを密接に統合したものを使用して、放り出されたりするシーンをシミュレートしたんだ。

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▼ 筋肉に至るまで馬は詳細に描かれていますが、ここまで本物らしい馬を作り上げる事が出来たプロセスとはどんなものだったんですか?

Josh Bass: 全ての人間キャラクターのアニメーションには多くの時間を費やしたから、馬に乗り降りするような動きは可能な限り滑らかで自然なものに仕上げる事が出来た。乗馬中に様々な武器を使用している様子も作ったよ。お陰で、主人公と馬をシームレスに組み込む事に成功した。立ち止まっている時のアニメーションも真実味に溢れているよ。Marstonが馬の首や動体を優しく叩いたり撫でたりするんだ。

パズルの最後のピースは、全体の物理演算と動物のディテールを、ゲームでは再現された事のないレベルにまで引き上げる事だった。それには、考え方を変える必要があったよ。臀部、鼻口部、肩、胸部の筋肉の動きを適切に見せるために考え出したのが、アニメーションが施されたノーマル・マップを見せるのと同じフェイシャル・テクノロジーを使用する事だった。

馬がギャロップをしたり足を曲げるたびに、自分の体と騎手の重量を支えるため、臀部の筋肉が伸び縮みする様子に、その結果を見て取る事が出来る。馬の骨格と筋肉を再現するのは難しく、完成までに何年も掛かったけど、結果として目を見張るようなものが出来上がったから、努力の甲斐があったよ。

[ソース: GameSpot]

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