2010年10月25日(月)23時08分

【インタビュー】Platinum Games 稲葉敦志氏 インタビュー

2134.jpgVanquish

Platinum Gamesの稲葉敦志氏がDevelopの取材に応え、セガとの関係やPlatinum Gamesの今後について語っています。

▼ Platinum Gamesは2008年にセガと4つのプロジェクトで契約しましたが、Vanquishはその4作目ですね。次のプロジェクトは?

稲葉敦志: その通り、我々の契約は4作品分だ。最高のパートナーシップを築けているし、現在はセガと話し合いを続けているが、現時点で発表出来る事は何もない。

我々がPlatinum Gamesを設立した時は、当然ながらたくさんのパブリッシャーと話をしたが、セガが最も自由を約束してくれたんだ。素晴らしい関係を築けていると思うし、彼らのサポートには感謝している。このパートナーシップの今後に関しては、当然ながら我々だけで決める事ではない。セガにはセガの立場があるし、我々も同様だ。でも、セガから依頼があれば、オファーを受けるかもしれないね。

▼ 4作品の権利は誰が所有しているんですか?

稲葉敦志: セガが所有しているよ。

▼ 独立系デベロッパーの間では、知的所有権を所有する事が極めて重要だという考え場一般的ですが、Platinum Gamesとしてはどう考えていますか?

稲葉敦志: 知的所有権を重要視するスタジオの立場も理解出来る。我々とセガの関係に関して言えば、彼らは我々に最大限の自由を約束してくれていて、その見返りに彼らが知的所有権を所有する形になっている。フェアな契約だよ。将来的には、新規タイトルを作って行きたいと考えている。

▼ それがセガとの交渉における条件なんですか?

稲葉敦志: いや、どちらかというと総括的なビジョンだ。最終的には、我々も知的所有権を所有する会社になりたいと考えている。

▼ 注目を集める事や、インタビューを受ける事は好きですか?

稲葉敦志: 私の仕事や発言に注目が集まる事や、その影響力に関しては非常に光栄に思っているよ。若い世代のクリエーターが私の作品に刺激を受けてくれたら最高だ。言いたいけど言えない事もあるから、こういうインタビューは難しい事もあるんだ。

▼ ゲーム開発に携わる事になった切っ掛けは何ですか?

稲葉敦志: 12歳の時に最初のPCを手に入れて、初めてゲームをプレーした時は最高に楽しいと思ったんだ。それ以来、ゲームを作る事に取りつかれてきた。それでプログラマーになった。他の職種は考えた事もないんだ。今でも子供の頃と同じ欲求を持っているけど、ゲーム作りに心の底から満足した事は一度もない。泳ぐ事を止めると死んでしまう魚のようなものだよ。これまでのキャリアで最も誇りに思っている作品を選ぶ事は出来ない。最高に上手く行っていると思ったら、死んでしまうだろうね。

▼ 貴方は、日本のデベロッパーも意識的に欧米のゲーマーにアピールする必要がある、という発言した最初の日本の開発者だと思いますが、その発言をした2008年以降、どんな事を学びましたか?

稲葉敦志: 日本のゲームを欧米に持ち込むんだ、と特別意識をした事はない。我々はただ、自分たちがクールだと思うゲームを作ろうとしているだけなんだ。Vanquishがクールで楽しいゲームだと思ってくれる人がいて、それは日本的な要素かもしれないし、欧米的な要素かもしれないけど、そこが目的ではないんだ。

▼ それ以来その問題に関する議論が過熱しましたが、稲船氏のような著名な開発者が日本のゲーム開発は瀕死状態にあると発言した事に関してはどう考えていますか?

稲葉敦志: デベロッパーを住んでいる国で括る事に意味があるとは思わない。私にとってはとてもシンプルで、世界には優れた開発者とそうじゃない開発者の2種類しかいないんだ。我々は、最大限の努力をして前者に入ろうとしている。日本かそうじゃないかという考え方はしない。無意味だよ。

1519.jpgBayonetta

▼ Vanquishのビジュアル・スタイルは非常に印象的ですが、開発は難しかったんじゃないですか?

稲葉敦志: リード・プラットフォームで高品質を保つ事がチャレンジだった。PS3での経験はあまりなかったけど、限界を設定したり、現状で満足したりとか、そういう妥協しない事が大切だったんだ。

最初にPCで試作品を作って、それを基準にした。PS3に移植した時、3fpsでしか動かなかったんだ。そこから改善していくのは難しかったが、諦めずに努力して基準レベルまで引き上げたんだ。

▼ PS3をVanquishのリード・プラットフォームに選んだのは、BayonettaのPS3版が批判されたからですか?

稲葉敦志: ご存知の通り、我々はBayonettaのXbox 360版しか作っていないし、PS3版に寄せられた批判も知っている。でもスタジオとしては、市場で生き残るためにはPS3開発のノウハウをしっかりと積み上げる事が必要だと感じたんだ。それがPS3をリード・プラットフォームに選んだ理由だよ。

▼ セガと契約した時、セガはPlatinum Gamesが新規タイトルを提供するスタジオだと言っていました。多くのスタジオが下請け仕事で我慢しなければいけない事を考えると、自分が特別なポジションにいると感じますか?

稲葉敦志: 自分たちの作りたいものを作れるというのは特別な事なんだ。当然ながら、新規タイトルにはリスクが伴う。でも、ゲーム開発にはリスクが付き物だと思っているので、今後も新規タイトルを作り続けていくだろうね。

▼ 喜んでリスクを引き受けると。たまには続編を作りたいとは思いませんか?

稲葉敦志: 別に続編に反対しているわけではないんだ。同じ技術で当たらしゲームが作れるというメリットもあるからね。スタジオとしては新規タイトルと続編の両方をやりたいと思っているが、Platinum Gamesのそもそもの目的が独自の新規タイトルを作る事なので、そうしているんだ。

[ソース: Develop]

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