2010年11月22日(月)01時18分

L.A. Noire プレビュー

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L.A. Noireのプレビュー記事がIGNに掲載されています。

Rockstarは、法律など気にしない人間を主人公にしたオープン・ワールド箱庭ゲームで有名になった。だから、最初のL.A. Noire予告編を見た人が、1940年代のギャングが主人公だと思っても不思議ではない。だが実際はというと、プレーヤーはスキャンダルだらけの警察署内で高潔さの指標となるような刑事、Cole Phelpsとなるのだ。

Rockstarの伝統的フォーミュラからの逸脱は、それだけではない。主人公が善玉というだけでなく、街全体が遊び場にはならないのだ。L.A. Noireは確かにオープン・ワールドなのだが、ミニゲームやサイド・クエストもなければ、撃ち殺すハトもいないのだ。L.A. Noireは一本道な構造のゲームであり、結果でなく経過に重点を置いている。物語と登場人物が中心であって、余計なものは削ぎ落とされているのだ。今までとは一味違う作品だが、だからこそ大いに期待できるのである。

第2次大戦の戦線から退いてから数年後、Phelpsは心に暗い秘密を抱えた戦争の英雄だ。刑事になってまだ日は浅いものの、マスコミ受けの良いPhelpsはロス市警のイメージ改善に駆り出される事となる。そのお陰で昇進も早かったが、当然ながら署内には彼を快く思わない者も多い。殺人かに配属された際も、周囲の反応は冷ややかなものだった。

Phelpsの管轄は、1940年代が美しく再現されたLA市内。スポーツもフリーウェイもまだ西海岸には存在せず、ハリウッドが最も輝いていた時代であり、警察が最も腐敗していた時代でもある。他のRockstar作品と同様に、本作の演出は一流で、数多くの俳優が様々な役を演じ、素晴らしいボイスワークで物語を進めていく。私が見る事が出来たのはあくまで氷山の一角だが、既に素晴らしい出来栄えだった。

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プレーヤーはまず新米の制服警官としてスタートするが、すぐに交通課へと配属される。といっても駐車違反を取り締まるわけではなく、車に関連した事件を調査するのだ。例えば、女性の運転する車が土手から転落した事件などだ。一見するとただの事故だが、それがハリウッドの腐敗やレイプ、そしてポルノへと繋がっていく。主人公が善人という事は、すなわち周囲の腐敗が際立って見えるという事。胸糞が悪くなる犯罪者や腐りきった事件など、プレーヤーは薄汚れた真っ暗なLAの街角に一筋の明かりを灯す事になる。

昇進するには、各デスクに置かれた1940年代の実在の事件を基にした様々な事件を解決していかなければならない。これは少々衝撃的かもしれないが、L.A. Noireは本質的に昔気質のアドベンチャー・ゲームになっているのだ。古典的なPCのアドベンチャー・ゲームへのオマージュというわけだ。当然ながら、クールな最新テクノロジーを利用する事で、アドベンチャー・ゲームの昔ながらのコンセプトを刷新し、新鮮かつ斬新な、ポテンシャル溢れる作品に仕上げている。

捜査はまず、犯罪現場を訪れる事から始まる。アドベンチャー・ゲームとしてのルーツが如実に現れているのはここだ。現場を捜索し、気になった物は拾い、手掛かりはメモ帳に書き込み、犯罪が起きた経緯を探っていく事になる。現場に先に到着していた警官が証拠品を一通り並べていてくれる事もあり、その場合は証拠品を入念に調べて手掛かりを探るのだ。

捜査の過程では現場以外の場所も捜索する事が出来るが、お目当てのオブジェクトはより見つけにくくなっている。捜索モードに入ると音楽が変わり、周辺にある手掛かりとなるオブジェクトを全て見つけるまで、その音楽が流れ続けるのだ。全て見つけなくてもゲームを進める事は可能だが、証拠品を多く集めるほど、容疑者を絞りやすくなっていく。アシスト機能も充実していて、手掛かりに近づくとピアノの音で知らせてくれるし、低難易度では同僚たちが導いてくれるようになっている。

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L.A. Noireの目玉は、目撃者や容疑者との会話にある。L.A. Noireは、驚異的な最新モーション・スキャン技術を利用していて、詳細をクドクドと説明はしないが、その結果は素晴らしい出来となっている。ゲームに登場する顔は全て実在する俳優のもので、アニメーションなども一切手が加えられていないのだ。顔にアザのある女性と話す場合、撮影前にはその女性を演じる女優にアザのメイクが施される。顔は非情にリアルな仕上がりで、300を超える実際の俳優をスキャンしているので、見た事がある顔があると、少々気が散るかもしれない。

Rockstarは、俳優の目線の動き、眉毛の上下、口が若干下がる動きなどを全てキャプチャーしている。結果として出来上がったものは、刑事物のドラマそのものだ。俳優たちが、僅かな表情の動きや動作、そして声の抑揚だけで真実味を表現している。これが非常に重要で、L.A. Noireではプレーヤー自身が相手の嘘や隠し事を見抜かねばならないのだ。

メモ帳には、収集した証拠品や聞き込みで集めた情報を基にした質問が用意されている。質問をする順番で何かが変化するのかどうかはまだ分からないが、真実を見抜く事が出来れば、相手から引き出せる情報や事件解決の難易度にも影響を及ぼす事になるはずだ。

相手に質問をしたら、その返事だけでなく、相手の目や口、仕草などにも注意を払わなければならない。相手が返事をしたら、プレーヤーには3つの選択肢が与えられる。相手の言う事を信じるか、疑うか、嘘を徹底的に追求する事が出来るのだ。インターフェースは酷い出来だが、その結果は実に興味深いものだ。もし相手が何か隠し事をしていると感じたら、疑う事で更に強く情報を引き出そうとする。その疑いが正しければ、更なる情報が手に入り、新たな容疑者が浮上したり、捜査に関する何かが判明するかもしれない。間違った選択肢を選んでしまうと、その人物が捜査に協力しなくなったり、証拠が手に入らなくなる事があるのだ。

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相手を追及するというのは、何も指を指すだけのようなシンプルなものではない。証拠の数々を使って、自らの主張の裏付けが不可欠なのだ。例えば、目撃者が事故に遭った女性を最後に見た時はとても元気だったと証言した場合、ダッシュボードに入っていた破れたパンティを見せ付けるのだ。「見破ったぞ、ビッチ!」とさえCloeが言ってくれたら・・・。

Rockstarによると、常に間違った選択ばかりして、手掛かりを全く結びつける事が出来ない完全なバカですら、事件を解決する事は出来ると約束してくれた。ただ、その場合は足を使った地道な捜査がもっと必要になる。刑事として優秀であればあるほど、早く犯人を見付ける事が出来るのだ。会話の組み合わせは無数に存在するので、結果が分かっていたとしても、リプレー性は高いはずだ。L.A. Noireに箱庭要素があるとするなら、それは会話システムという事になるだろう。

お喋りやら捜査も悪くないし渋いのだが、これはRockstarのゲームなのだから、当然アクションも盛り沢山だ。信用出来ない目撃者を尾行したり、容疑者を追跡したり、GTAっぽい銃撃戦で不思議なほど多くの敵を倒す場面もある。誰かに帽子を撃たれたら、歩いていって拾う事も出来る。もちろん、撃った奴の眉間に銃弾を食らわせてからだ。

アクション部分には、ちょっとしたヒネリもある。ヘルスは自動回復だが、攻撃を受けると、画面から色彩が失われていく。知っての通り、刑事というのは死ぬ時は白黒なのだ。さらに状況依存型のスプリント・ボタンもあり、走っている最中にドアなどに出くわすと、勝手に蹴破ってくれるのだ。スプリント・ボタンは、いわば「俺を舐めるなよ」ボタンなのだ。全体的にGTA IVやRed Dead Redemptionに似たシステムだが、戦闘自体はそれほど多くない。

L.A. Noireは素晴らしい出来に見えるが、様々な事件を通して、これら全ての要素がどう機能していくのかはまだ分からない。わざとらしく感じるようになるのか?嘘や真実を見破るのが難しすぎるんじゃないのか?手掛かりを見落としたり、尋問をしくじった場合、事件はちゃんとダイナミックに変化していくのか?そうした疑問は、実際に何時間かL.A. Noireをプレーしてみない事には分からないだろう。だが、楽しみに待つ価値は十分にある作品だ。早ければ2011年4月には発売される。

[ソース: IGN]