2011年03月01日(火)01時59分

Deus Ex: Human Revolution プレビュー

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Deus Ex: Human Revolutionの最新プレビューがIGNに掲載されています。

部屋に入ると、敵の目を避けるために即座にカバー体勢に入る。武装したガードが研究施設内を巡回し、人質がいるロフト部分の入り口を見張っている。私は身を隠したまま、選択肢を探る。装備した銃でガードを何人か倒す事も出来るが、他の選択肢もある。私はステルス・システムを起動し、部屋の角を回る。行く手を阻む巨大な箱を、人体改造でアップグレードしたパワーを利用して横にどける。箱をどかすと、人質がいる部屋の裏に繋がる通風孔が姿を現す。観察と探索、そしてアップグレードを利用する事で、私は銃を一発も発射する事無くセカンダリー・オブジェクティブにたどり着いた。

私が操作しているのは、Eidosモントリオールの最新作Deus Ex: Human Revolutionの主人公Adam Jensen。Invisible Warから7年、1作目からは10年以上が経過しているのだから、Deus Exファンの私としてはテンションが上がる瞬間だ。最初に本作が発表された時、私は懐疑的だった。前日談であり、主人公がDentonではなく、新しいデベロッパーが開発を手掛けていたからだ。1作目を傑作たらしめていた要素の多くを取り払った、奇妙な再始動作に思えたのだ。だが実際にプレーしてみて、そうした懸念は杞憂に終わった。Human Revolutionは、確かにDeus Exと呼べるゲームに仕上がっていたのだ。

Deus Exと呼べるゲームとはつまり、こういう事だ。道義的疑問が残る技術的進歩の時代における陰謀が背景にある、超シリアスな世界観、しかめっ面をした人々がシリアスな話をする、ネオンの光が渦巻く街、超人間主義と人工物への肉体交換の倫理といったトピックに、国際スパイや革命が絡み合う。1作目のDeus Exではナノテクノロジーがスーパーパワーと物語の背景になっていたが、それより何年も前が舞台のHuman Revolutionでは、そうしたテクノロジーはまだ浸透していない。ナノロボットで肉体を改造するのではなく、肉体を機械化していくのだ。

Jensen自身、重症を負った後に人工パーツで修復している。彼は元SWATで、現在はデトロイトを拠点とするSarif Industriesのセキュリティ・エージェント。Sarif Industriesは、機械の手足や人体改造を請け負う企業だが、誰もが彼らの事業に賛成しているわけではなく、それが人体改造を施した市民とそうでない市民の間でイデオロギー上の分断を生み出している。Jensenが任務に戻ろうとしたその時、Sarifは反人体改造一派による攻撃を受けてしまう。

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Deus Exの重要な要素である選択に関しても、Human Revolutionは上手く捉えている。ミッションの達成方法やJensenの成長における選択要素に、Eidosモントリオールはかなりの力を入れているようだ。敵を倒したり隠し通路を発見したりすると経験値がもらえ、それによりPraxisポイントを手に入れる事が出来る。このポイントを、様々な人体改造に使用する事が出来るのだ。人体改造を施せば、壁を透過して敵を発見し、壁を突き破って敵を倒す事が出来るようになったりする。悲しいかな、壁を突き破る能力は今回のデモでは使用出来なかったので、私はステルスに集中し、ひっそりと敵を倒してハッキングに勤しんだ。

何故か、私はハッキングのミニゲームが好きだ。ファンタジー・ゲームのロックピックも同様。Human Revolutionのハッキングは、驚くほど入り組んでいる。時間制限があり、解くにはスキルが求められるし、成功すればお金や経験値を手に入れる事が出来る。そのプロセスを理解するには少々の慣れが必要だが、一旦仕組みを理解すれば、単なる後付ではないクールなシステムに仕上がっている事が分かるはずだ。

当然ながら、ハッキングは色々と役に立つ。過去のDeus Ex同様、本作でもタレットやセキュリティ・ボットを乗っ取る事が出来るのだ。ハッキングやステルスで敵を倒して死体を隠すのが嫌な人は、人体改造で強化した肉体を駆使して自販機を投げたり、銃撃戦を繰り広げる事も可能だ。プレーヤーが望めば、Human Revolutionは普通のFPSのようにプレーする事も出来る。Gears of Warのようにカバーからカバーへと移動し、顔を出して照準を覗いて敵に銃弾を浴びせるのだ。私が製品版をプレーする際にはステルスやハッキングをメインにしたプレー・スタイルになるだろうが、それ以外の方法もあるというのが大切なのだ。あくまで絶対的な正解というものが存在しないところが、Human Revolutionにリアリズムをもたらしている。

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選択はキャラクター同士のやり取りにも存在し、複数の選択肢を選ぶ会話システムでその後の展開を決定していく。ネタバレはしたくないが、今回の人質事件のような状況の場合、どれだけの慈悲を見せるかで展開が大きく変化するのだ。更に、Sarif施設の安全を確保した後、来た道を戻って仲間のガードを全て殺して武器を奪う事が出来るのに気付いた。これはバグかと尋ねたところ、Eidosモントリオールの人間は「ノー」と答え、この行動も後の展開に何らかの影響を及ぼすと教えてくれた。とてもクールだ。

加えて、Deus Exには中身の濃いゲーム世界が不可欠。現時点では限られた部分しか公開されていないが、既に凝りに凝った仕上がりだ。平穏なSarif本部のホールには多くのNPCがぶらついているし、エレベーターで上階に上がれば、未来的広告を映し出す柱でひしめき合う中央ロビーを見下ろす事が出来る。人々は、奇妙だが恐らくお洒落なのであろう未来的服装に身を包み、オフィスはグラフやメモで埋まったコルクボード、様々な形のライトで彩られている。製品に付いた架空の企業ロゴが真実味をもたらし、人口の目玉がデスクの上に散らばっている。サウンドトラックも素晴らしく、裏で流れるシンセの音色が画面上で行われるアクションの荘厳さを作り出している。

唯一の懸念は、敵の行動を司るAIの出来だ。今回のデモでは、私がアラームを鳴らすと敵が闘牛のように突っ込んできて、ピストルで簡単に一網打尽にする事が出来た。本作は年末の発売に向けてまだ開発途中なので、発売までには修正される事を願っている。

AIの問題点を除くと、昔気質のグリッド・メニュー・システム、高品質のボイス・アクト、豊富な改造要素など、Deus Ex: Human Revolutionは2011年で最も期待される1本だ。今のところ、Deus Exを傑作たらしめた全ての要素が、現代的なゲームプレー・スタイルに盛り込まれているように見える。

[ソース: IGN]