2011年06月05日(日)02時12分

【E3 11】 The Witcher 2: Assassins of Kings インタビュー

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PCで発売されたばかりのアクションRPG、The Witcher 2: Assassins of KingsがXbox 360でも発売される事が発表され、開発元CD Projekt Redのエグゼクティブ・プロデューサーJohn Mamais氏がIGNのインタビューに応じています。

▼ まず、ゲーム機版The Witcher 2の開発がいつ頃スタートしたのか教えてもらえますか?コンソール版を出すというのは、初期段階から分かっていたんでしょうか?

John Mamais: REDエンジンは3年以上開発を続けていて、最初からクロス・プラットフォームを念頭に置いている。だが、最初は焦点を絞る意味で、まずPCだけ発売する事にした。Xbox 360版に取り掛かったのは5ヶ月ほど前からで、小規模のチームが移植の際の細かな技術的問題を解決する事に集中するところから始めたんだ。PC版のアップデートや改善は現在も開発が続けられているが、スタジオの大半は360版に移行しているよ。

▼ 1作目Rise of the White Wolfの段階で、CD Projektはコンソールへの移植に興味を示していましたが、何故1作目ではなくThe Witcher 2からなんですか?予算的な問題か、タイミング的なものか、ゲームプレーやインターフェースの問題だったんですか?

John Mamais: Rise of the White Wolfは2007年に発売されたThe Witcherがベースとなっていたから、既に4年前の作品だ。The Witcher 2はあらゆる面でレベル・アップしているから、コンソールにはまず最高最新のバージョンを移植する事が重要だった。

どの作品も物語的にちゃんと完結しているから、コンソール・ゲーマーがRise of the White Wolfをプレーしているかどうかは重要ではないんだ。1作目はOrder of the Burning Roseに関連した物語で、2作目はAssassins of Kingsの物語。両方とも、サーガにおける独立したエピソードになっている。1作目や小説を読んでいなくても、イベントやゲーム世界に没入出来るはずだよ。1作目と小説も付加的な味や深みがあるが、The Witcher 2は単独で楽しめる内容なんだ。

▼ 特定プラットフォーム独占ゲームと、クロス・プラットフォーム・ゲームの場合、考慮しなければならない違いにはどんな事があるんでしょうか?特定のファン層をないがしろにしない事と、各プラットフォームに適した製品を提供する事のバランスをどのように実現していますか?

John Mamais: コンソール版に関しては、操作性という観点を重要視している。基本的に新たなプラットフォームに合わせる格好になるが、ゲーム独特のユニークさを失わないように気を付けないと駄目なんだ。ノン・リニアなストーリーテリングや大人向けのトーンといったThe Witcherフランチャイズの売りを保ちつつ、ユーザー・インターフェース、カメラ、操作性をコンソール向けに上手く移植出来れば、360版も成功すると信じている。

大切なのは、根本的なゲームのビジョンを変えないという事だ。360版The Witcher 2は、あらゆるコンソール・ゲームの中で最もノン・リニアかつ成熟したゲームになるだろう。それこそが我々の強みだと思っているので、幅広い客層にアピールするためにそこを変えてしまうのは、許されざる過ちだ。The Witcher 2のような奥が深く複雑な体験を求める大人のコンソール・ゲーマーも多くいると信じている。

コンソール版向けの新フィーチャーやコンテンツは、PC版にアップデートで追加される可能性があるという点も言っておく必要がある。両バージョンに尽力し続けていくので、両方のファン層を大切にしていくよ。

▼ PC版The Witcher 2には、QTEやボス戦でのボタン連打など、PC版でも上手く機能しているとはいえ、コンソール・ゲーム向けの要素が幾つか含まれていますよね。これらのメカニックは最初からデザインに組み込まれていたのか、それともコンソール版を見越しての事なんですか?

John Mamais: QTEは、映画的なトーンを実現するためにPC版向けにデザインされたものだ。スペクタクルにはなるがシンプル過ぎる事が多く、開発が進むにつれ大幅に削減していった。複雑なRPG体験を制限してしまうんだ。とはいえ、幾つかの要素はゲームに残されているし、コンソール版にも上手く移植されるはずだ。

それ以外のフィーチャーのデザインに関しては、将来的にコンソールに移植する事も考えていたが、主な理由ではなかった。新たな解決策が、PC版にどれくらい上手くフィットするかどうかが最も重要だったんだ。

▼ 戦闘システムをデザインし直すにあたり、The Witcher 2は前作よりもアクション寄りですが、マウス&キーボードと同じくらいゲームパッドでも楽しめるようにする際、どんな決断を下しましたか?コンソール版のインターフェースは全く異なるものなんでしょうか?

John Mamais: The Witcher 2最初のプロトタイプはゲームパッド向けに作られたんだ。戦闘操作のアイディアの多くをRise of The White Wolfから拝借したからね。それをPCのスタンダードであるキーボードとマウス向けに移植した。PCのアルファ版までこれを続けたよ。

プレーヤーが直接的に戦闘に参加し、真の意味でインタラクティブな戦いを実現するという目標を満たし、しっかりと機能するシステムを生み出したんだ。その2つは、The Witcher 1で批判の対象になった要素だからね。PC版のシステムが完成したら、それをゲームパッドに移植していった。そういう感じだから、シンプルな答えはないんだ。でも、最終的には両方のプラットフォームで完璧に機能するシステムを完成させる事が出来た。

インターフェースはXbox 360版向けに変更されている。最初に作り直して、それから使いやすいように調整を加えていくんだ。

▼ 当初はコンソール版とPC版を同時に発売する予定だったんですか?それとも、PC版を先に発売して、その後でコンソール版を出す予定だったんですか?

John Mamais: 1作目のThe WitcherはPC独占で、非常に大きなPCコミュニティが出来た。そうしたファンを失望させたくなかったんだ。我々の開発プロセスにおいて、PCにはアドバンテージがある。知っての通り、マルチプラットフォームで同時発売する場合、PC版がリード・プラットフォームとなるコンソール版の移植になってしまう事が往々にしてある。これはビジュアルの質に大きく影響するし、時にはプレー性にも影響を及ぼす事がある。

我々の目標は、PCの独自性を維持し、今世代のコンソールよりはるか先を行く超高性能ハードウェアを最大限活かす事だった。DICEのゼネラル・マネージャーKarl Magnus Troedsson氏が、Battlefield 3で似た哲学を語っていたよ。現在、我々のゲームは誰もが夢見るような最新CPUやGPUのパワーを効率的に利用出来る。ゲームPCをアップグレードして、可能な限りリアルなゲーム世界を見たいと思っているプレーヤーにとっては最高なんだ。

PC版の後にXbox 360版を発売しようと決めたのは、2つのプラットフォームで同時に開発を進める自信が無かったからだ。両方の品質に影響してしまうので、妥協は問題外。そこで、我々は独自のやり方を取る事にした。まずは、可能な限り最高のPC版を完成させる事に尽力した。そして現在は、Xbox 360版で全く同じ事をしているんだ。

プロセスを急かす事無く、隅々まで磨き上げられた体験を提供出来るよう時間を掛けている。突貫作業の移植作品は多いからね。我々はそういう事はしたくないんだ。

▼ Xbox 360版The Witcher 2の発売日は?具体的に決定していないなら、いつ頃を予定していますか?

John Mamais: 今年の年末を目標にしている。だが、前述したように、急かしたくはないんだ。PC版の質と同等かそれ以上の作品にするために、必要なら時間をかけていくつもりだ。

▼ PC版The Witcher 2は、最高設定でプレーすると史上最も美しいゲームの一つですが、同等のビジュアル・クオリティをコンソールに移植するプロセスを教えてもらえますか?可能なんでしょうか?もし無理なら、どこを妥協するんでしょうか?

John Mamais: 端的に言うなら、Xbox 360史上最高のグラフィックを目指している。プラットフォームを変えるにはある程度のトレード・オフが不可欠だが、主に各機種の能力に関係しているんだ。アセットは全て最高品質で作っているし、テクスチャとモデルも可能な限り効率的に仕上げている。グラフィック的にはベースがしっかりしているし、360でも問題なく機能する事は分かっている。あとはポスト・プロセスの問題だよ。

▼ コンソール版The Witcher 2はPC版のコンテンツ全てを収録しているんですか?ダウンロード・コンテンツは同梱されますか?コンソール版は複数ディスクに?

John Mamais: PC版向けに開発したダウンロード・コンテンツは、全てコンソール版に収録される。逆も同じで、Xbox 360版向けに開発した新ゲームプレーやカットシーンは、PC版に無料で配信されるよ。これに関しては興味深いプランがあるが、まだ話す事は出来ないんだ。8月に詳細は発表する予定だ。

ディスクの枚数は、何ヶ国語を収録するかで変わってくるから、まだ未定だよ。

▼ このインタビューの趣旨からは少し外れてしまうんですが、PC版The Witcher 2はどのくらい売れているんですか?具体的な数字は出せますか?小売とデジタル配信の比率は?

John Mamais: The Witcher 2は初週で40万本を突破したから、とてもハッピーだよ。小売とデジタル配信の比率はまだ話せないが、デジタル配信の数字がとても満足の行くものだった事だけは確かだよ。デジタル配信はとても重要になった。

全体的には前作より30%ほど上昇したが、今後更に伸びる可能性もある。第2四半期のデータが判明したら、具体的な数字を公開するかもしれない。

▼ The Witcherシリーズは今後もコンソールで発売していく予定なんですか?

John Mamais: 現在は360版The Witcher 2に集中している。当然、我々は可能な限り多くのプラットフォームに対応したテクノロジーを開発している。新作ゲームを立ち上げる際は、様々なハードウェア・プラットフォームで展開する可能性を考慮に入れる事になる。だから答えはイエスだが、現時点ではXbox 360がメイン・ターゲットだ。

[ソース: IGN]