今回の記事では、AMD Ryzen 7000シリーズのハイエンドモデルである「Ryzen 9 7950X」についてレビューし、他のCPUとの比較も踏まえておすすめのPCも紹介します。
以下の項目メインに紹介するので参考にしてください。
こちらの記事にて、当サイトが厳選したおすすめゲーミングPCを紹介しています。ぜひチェックしてください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
UA9R-R37 | Ryzen 7 7950X | RTX 3070 | 16GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9R-R48 | Ryzen 7 7950X | RTX 4080 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9R-R49 | Ryzen 9 7950X | RTX 4090 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
Ryzen 9 7950Xの基本スペック
世代 | 第5世代 |
アーキテクチャ | Zen4 |
コア数/スレッド数 | 16コア/32スレッド |
定格クロック周波数 | 4.5GHz |
最大クロック周波数 | 5.7GHz |
ソケット形状 | AM5 |
TDP | 170W |
二次キャッシュ | 16MB |
三次キャッシュ | 64MB |
内蔵グラフィックス | Radeon Graphics |
PassMark CPU Markスコア | 64294 |
2022年に発売されたAMD製CPUの中では最上位にあたるモデルで、世代も5世代に移ったことによりソケット形状もAM5へ変更されています。
アーキテクチャも「Zen4」になり5nmプロセスを採用することにより、トランジスタ数を大幅に増やしキャッシュ容量と動作周波数の向上に成功しています。
16コア32スレッド、最大クロック周波数5.7GHzと、Ryzenシリーズでは一番のスペックを誇りますが、それに伴い発熱量と消費電力も大きく上がっているため、CPUクーラーと電源ユニットのスペックも高いものが必要です。
このハイエンドCPUを搭載するには、マザーボードを始めとしたパーツも全て最新世代にする環境が必要ですが、それに見合う性能は間違いなくあり、現状トップクラスの計算能力があることはベンチマークスコアで一目瞭然です。
AMD Ryzen標準のクーラーは使える?
「Ryzen 9 7950X」には、リテールクーラー(標準の付属クーラー)は付いていませんが、現在もリテールクーラーを使用していてそのまま流用して使いたいという方もいるかと思います。
結論から言うと「圧倒的に冷却性能が足りません」。
動作クロックが高い高性能CPUのため発熱量が多く、リテールクーラーを含む空冷式クーラーでは間に合いません。特に夏場では100度を超え緊急シャットダウンされる可能性があります。
「Ryzen 9 7950X」の性能を引き出すためにも、冷却性能が高い水冷式CPUクーラーとセット購入することをおすすめします。
Ryzen 9 7950Xのベンチマーク
ここでは、実際に「Ryzen 9 7950X」の性能をベンチマークを使用して数値化し、どのような用途に優れているのかを解説します。
Ryzen 9 7950XのCPU Markスコア
PassMarkは、重い計算処理や動画処理など、CPUを様々な用途で使用した場合の総合的なスコアを評価しています。
基本的にこの値が高いほどCPUの性能が総合的に高いと思っていいです。
同時期に発売された最新世代の24コア32スレッド「Intel Core i9 13900K」を上回るスコアが出ており、コア数で劣っていても、マルチコアの計算処理に優れたAMD CPUの汎用性の高さが出ています。
AMD CPUで現在人気の5000シリーズのハイエンドモデル「Ryzen 9 5950X」と比べてみてもスコアが約1.4倍増加しています。同コア数ながらZen4アーキテクチャで大きくスペックアップしていることがわかります。
上記の2モデルと価格差もそこまで大きくない「AMD Ryzen 9 7950X」は、Ryzen 5000シリーズや「Intel Core i9 13900K」に比べてコスパ良くハイクラスなCPUとして使用できると言えるでしょう。
Ryzen 9 7950XのCinebench R23(マルチコア)スコア
Cinebench(マルチコア)で計測するスコアの主な指標は「マルチコアの性能」です。
マルチコアとは、CPUの頭脳の数のことを指し、マルチコア処理能力とはそれぞれのコアの並列処理能力を指します。
このスコアが高いと、複数のアプリ動作などのマルチタスクに優れます。
マルチコア処理能力になると、コア数で勝るintelのハイブリットCPUが一気にスコアを伸ばします。
「Intel Core i9 13900K」が総合スコアでは「Ryzen 9 7950X」にトップを譲りましたが、マルチコア性能では順位が入れ替わります。
さすがに24コア32スレッドのハイブリットCPUには一歩及びませんでしたが、それでもスコアはわずかな差です。大きな違いは無いと言っていいでしょう。
Ryzen 9 7950XとライバルとなるCPUとの比較
ここでは、「Ryzen 9 7950X」とライバルとなるCPUを比較し、どのようなところが優れ、劣っているのかを解説します。
Ryzen 9 7950X vs Ryzen 9 5950X
世代 | 第5世代 |
アーキテクチャ | Zen4 |
ソケット形状 | AM5 |
コア数/スレッド数 | 16コア32スレッド |
定格クロック | 4.5GHz |
最大クロック | 5.7GHz |
キャッシュ容量 | L2:16MB L3:64MB |
TDP | 170W |
CPU Mark | 64294 |
Cinebench R23 | 38577 |
価格(2023年1月現在) | 約90,000円 |
世代 | 第4世代 |
アーキテクチャ | Zen3 |
ソケット形状 | AM4 |
コア数/スレッド数 | 16コア32スレッド |
定格クロック | 3.4GHz |
最大クロック | 4.9GHz |
キャッシュ容量 | L2:8MB L3:64MB |
TDP | 105W |
CPU Mark | 46021 |
Cinebench R23 | 28580 |
価格(2023年1月現在) | 約80,000円 |
同じコア数ながら圧倒的なスコア差が出ているのは、アーキテクチャの違いによるものが大きいです。
Zen4では5nmプロセスにより、多くのトランジスタを配置することに成功しているため、1コアあたりの計算能力が7nmプロセスのZen3より大きく向上しています。
まさに次世代のAMD製CPUと言っていいでしょう。ただし、CPU単体の価格差は約1万円以上あり、AM5ソケット対応のマザーボードはまだ最低でも約2.5万円と高めなので、総合的なPCの価格は「Ryzen 9 5950X」の方が安く済みます。
Ryzen 9 7950X vs core i9-13900K
世代 | 第5世代 |
コア数/スレッド数 | 16コア32スレッド |
定格クロック | 4.5GHz |
最大クロック | 5.7GHz |
キャッシュ容量 | L2:16MB L3:64MB |
TDP | 170W |
CPU Mark | 64294 |
Cinebench R23 | 38577 |
価格(2023年1月現在) | 約90,000円 |
世代 | 第13世代 |
コア数/スレッド数 | 24コア(Pコア8+Eコア16) 32スレッド(Pコア16+Eコア16) |
定格クロック | 3GHz |
最大クロック | 5.8GHz |
キャッシュ容量 | L2:32MB L3:36MB |
TDP | 125W |
MTP | 253W |
CPU Mark | 60103 |
Cinebench R23 | 40258 |
価格(2023年1月現在) | 約90,000円 |
両モデルとも同価格帯ですが、総合的な計算速度を示すCPU Markスコアに大きめの差が出ています。
これは「Ryzen 9 7950X」の方がマルチコア性能が高いためで、メインが8コア16スレッドで、単一スレッドのサブコアを16搭載した「Core i9-13900K」はシングルスレッド性能が強いです。
総合的なマルチコア性能がコア数で劣りながらも大きい差では無いことから、「Ryzen 9 7950X」のマルチタスクの優秀さがわかります。
ゲームのfpsに関してはシングルスレッドが強いCPUの構造上「Core i9-13900K」の方が若干上回りますが、大きくてもせいぜい10fpsほどの差であり、どちらも高fpsを発揮できることは変わらないため、そこまで気にしなくても良いでしょう。
Ryzen 9 7950Xが向いている用途
「Ryzen 9 7950X」は結局どのような用途に向いているのか簡単にまとめるとこうなります。
用途 | 解説 | 評価 |
インターネット(動画閲覧・ショッピング) | YOUTUBE等で動画を観ながらの、ショッピング | |
ビジネス(Officeソフト・Web会議など) | Officeソフトでの資料作りをしながらの、Web会議 | |
ゲーム | 3Dグラフィックを駆使した流行りのゲーム | |
動画・画像編集 | フルHD・4Kでの動画や画像編集 またはゲームの動画配信 | |
3D制作 | 3D CADやBlenderなどを使用した3Dモデリング |
上記を踏まえて結論を言うと「どのような処理も高いレベルでこなせるCPU」です。
多コアCPUの宿命であるシングルコア性能は発熱問題で冷却性能によっては伸び悩みます。CPUへの負荷が高い高解像度のゲームや動画配信では、高性能な水冷式クーラーが必須といえます。
ゲーム用途においてはハイエンドGPU「RTX 4090」を活かせる性能ですが、CPUとGPU共に消費電力が非常に大きくなるため、1200Wくらいの電源が理想です。
4KやレイトレーシングONで『サイバーパンク2077』などの重量級のゲームを遊べ、3Dモデルを使用した作業や動画編集もサクサクとこなせるので、ゲーム・ビジネス用途と万能に対応できます。
最大限のパワーを発揮するには、マザーボードを含めたパーツを最新式のもので揃える必要がありますが、ハイエンドの証である「Ryzen 9」の名にふさわしい優れたCPUです。
Ryzen 9 7950Xシリーズ搭載おすすめPC
ここでは「Ryzen 9 7950X」シリーズを搭載したゲーミングPCを紹介します。
CPUがハイエンドクラスなので、自身の求めるGPUのパワーと予算に合わせて選んでみてください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
UA9R-R37 | Ryzen 7 7950X | RTX 3070 | 16GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9R-R48 | Ryzen 7 7950X | RTX 4080 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9R-R49 | Ryzen 9 7950X | RTX 4090 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
ガレリア UA9R-R37【Ryzen 7 7950X + RTX 3070】
アッパーミドルクラスのGPU「RTX 3070」を搭載したモデルです。
CPUがハイエンドクラスなのでボトルネックが生じますが、動画編集、3Dモデルの作成、イラスト作成などの用途ではこのクラスのGPUで十分な性能を発揮します。
ゲーム用途であればWQHD解像度以上をメインとしても安定したfpsを発揮できるので、ハイエンドPCをなるべく価格を抑えて購入したい方におすすめです。
ガレリア UA9R-R48【Ryzen 7 7950X + RTX 4080】
最新世代のハイエンドGPU「RTX 4080」を搭載したモデルです。
前世代の「RTX 3090」を約1.5倍も上回るモンスターGPUなので、「Ryzen 9 7950X」と非常に相性が良く、4K+60fpsで遊べないPCゲームは無いと言っていいでしょう。
メモリも32GBあるので高解像度環境での動画配信もサクサクです。『サイバーパンク2077』などの重量級タイトルを4Kで遊びながらストリーム配信が可能なほど余裕があります。
出来ないことはない最強のゲーミングPCを求めるハードゲーマーや、ストリーマーの方におすすめのモデルです。
ガレリア UA9R-R49【Ryzen 7 7950X + RTX 4090】
現時点でとにかく最強のGPUを搭載した最高峰のゲーミングPCがほしい方におすすめのモデルです。
RTX 4090は価格こそゲーミングPC史上トップクラスに高額ではありますが、性能もその分トップクラスとなっています。
4K+DLSSの最高画質の環境で100fps以上出したい!という生粋のPCゲーマーにとっては最適なモデルなので、ぜひチェックしてみてください。
Ryzen 9 7950X比較まとめ
今回の記事では「Ryzen 9 7950X」の性能を解説し、同シリーズを搭載したおすすめPCを紹介しました。
以下おすすめモデルのおさらいと、まとめです。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
UA9R-R37 | Ryzen 7 7950X | RTX 3070 | 16GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9R-R48 | Ryzen 7 7950X | RTX 4080 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9R-R49 | Ryzen 9 7950X | RTX 4090 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
- 新世代へとスペックアップした高性能CPU
- 現状のハイスペックGPUとボトルネックが少ない
- マザーボードが高価なため、載せかえ予定の自作PCユーザーにとってはコスパが良くない
- 発熱量が高く電力を食うため、水冷式クーラーと大容量電源が必須
- 一気にPC環境を変えたい人におすすめ
「Ryzen 9 7950X」の特徴は、新世代アーキテクチャ「Zen4」を採用し大きくスペックアップした次世代CPUで、前世代のCPUと一歩先を行く性能を誇っているところです。
ただし高性能CPUの宿命である発熱と消費電力問題はきっちりと対策をしなければ、満足に性能を発揮できないところは注意しましょう。
ソケット形状がAM5へ変更されているため、まだ対応マザーボードが高価なこともあり、総じてPCの価格は高くなってしまいますが、これを機に次世代のハイスペックPCを手に入れたいという方にとてもおすすめできる性能です。
CPUカテゴリでは、その他のRyzenCPUやIntelCPUの比較を行っているので、気になった方はぜひチェックしてみてください。